トータルコントロールを武器に強靭なるダブルアール再び!
ついに本格始動した新型のCBR1000RR。型式が「SC59」から「SC77」に変わり、歴代最強のスペックを持つ新世代モデルとして歴史に新しい1ページを刻み始めた。グレードはスタンダードとSP、SP2の3タイプ。スタンダードは簡略版ではなく、IMUを採用して緻密な制御を行う各種電子制御デバイスを搭載。191・76PSという歴代最強パワーを発揮するエンジンはSP系と同一のもの。しかも、パワーに関しては、今後発売されるであろう国内仕様もフルパワーらしいというから嬉しい限りだ。
エンジンや車体の基本設計は従来型から引き継がれ、最高出力も11PSアップとは言え約192PS。ライバルが200PS超という現状では、劣勢に見えないでもない。そこで注目したいのは、車重が15㎏も軽くなり、クラス最軽量の195㎏を実現していることだ。そのことで、車重を最高出力で割った値、パワーウェイトレシオを14%も低減しているのだ。この値はライバルマシンと比較しても、全く遜色がない。
加速力はパワーに比例し、車重に反比例すると考えてよく、このレシオが小さいほど優れる。最高出力が劣れば最高速には不利だが、その領域が問われるのはサーキットでもほんの一瞬だけだから、「走る」性能は同等の水準と見ていい。そのうえ、「止まる」と「曲がる」性能は、車重が軽いほど高くなる。軽量なニューCBRは出力が低くても、トータル性能でむしろ勝っていると考えられるわけだ。操る面白さもこちらの方が上回るはずである。
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