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画像: Dai Yabiku PV - YouTube youtu.be

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今回紹介するのは、スタントライダーとして活躍する屋比久 大(やびくだい)さん。
南国・沖縄県の与那原町出身で1984年4月17日生まれの32歳(独身)。

画像: オートバイ編集部のガレージにて。乗っている車両は編集部で借りていたヤマハ・MT-07。たまたま近くにあったので撮影。

オートバイ編集部のガレージにて。乗っている車両は編集部で借りていたヤマハ・MT-07。たまたま近くにあったので撮影。

現在はプロのスタントライダーとして活動中で、2009年に開催された国内の競技イベントの参戦を機に、数多くの国内外の競技に参加。2013年には国内競技大会で初優勝を飾り、今年は海外で行われたエクストリーム競技の国際大会で日本人最高位の9位を獲得という、輝かしい戦績を持つ。

■過去のコンペティション戦績

画像2: 目指すは世界一のプロスタントライダー! 屋比久 大さん(前編)
画像3: 目指すは世界一のプロスタントライダー! 屋比久 大さん(前編)

そんな屋比久さんだが、実はプロのスタントライダーとして本格的に活動したのが今年の4月から!それまでは看護師の仕事をしながら(資格も持っている)参戦を続けていたという。

もっと言うと、これまでの経歴もユニークだ。高校卒業後に自動車の整備士になろうと、沖縄から単身茨城県へ移り、そこで専門学校へ通い資格を取得して、沖縄で数年整備士をしていたという。しかし……このまま雇われ整備士のままでは近い将来バイクスタントを続けることが困難になると考え、看護専門学校に入学。

そのころ、現在もスタントライダーとして活躍中の木下真輔氏に出会い、学校の夏休み期間中は木下氏のいる神戸へ向かい、そこで2~3週間は木下氏の工場で寝泊りしながらずっとバイクテクニックを共に磨いたそう。

「昔から、沖縄では有名なウイリースポットがあって、そこで週末はバイク乗りが集まってウィリーなどのパフォーマンスを披露する人がたくさんいました。バイクを自由に扱うテクニックに憧れて自然とウィリーの練習を始めていきました」という。

画像: 写真は高校生のころ。アドレスV100でヒザ立ちウィリー!写真が見切れているのはご愛敬

写真は高校生のころ。アドレスV100でヒザ立ちウィリー!写真が見切れているのはご愛敬

「それからYouTubeでバイクスタントの動画を参考にして、独学で練習してワザを磨いていきました」。そうして、看護学校最後の年に「こんな長い休みは2度とない、このチャンスを活かして世界に挑戦しよういうことで夏休みを利用して2012年に米国で行われた大会への参戦。就職先の奨学金で予算を作りました(笑)」というから驚き…!

「(米国の大会で)ファイナリストになったことで、自分も、競技としても、これで広く知られるようになると期待したけど、思っていたよりも知名度は上がりませんでしたね(笑)」。その後、神戸で看護師として働きながら本州で活動を開始、2013年には日本大会で自身初の優勝を成し遂げ、翌年も連覇。2014年にはSTUNT GRND PRIXという世界最高峰の国際大会で6位に。翌年の年は15位と順位を下げたものの、今年は9位となり日本人最高位を獲得した!

「まだ実力不足ではありますが、多くの企業、個人スポンサー様、ファンの皆様のご支援により少しずつではありますが良い環境が整ってきています。それでも、資金調達が難しくエントリーできない大会は多いです。さらなる協力を募るためにも、もっと多くの人を笑顔にできるように、パフォーマンスを披露できる場所やメディアが必要です」という。

現在は神戸に拠点を構え、バイク用品店大手の「2りんかん」でのイベントや、アーティストのEXILEのライブイベントにも出演と、忙しい毎日を送っている。

画像4: 目指すは世界一のプロスタントライダー! 屋比久 大さん(前編)

スタント使用マシン

スタント競技やイベントで使われるマシンは2003年式カワサキ・ZX-6R。エンジン特性と車体バランスが良いそうで、2005年式になるとセンターマフラーやフレームの軽量化でバイクスタントに使用するには改造箇所が増えるとか。マシンの使い方も相当過酷で、フォークやスイングアーム、メインフレームなど通常ではありえない個所にヒビが入るという。ヘルメットにはクルマ用のキーレスエントリーを流用したリモートキルスイッチを備えて、バイクが独立して走り出さないように安全性に配慮している。ほか、ハンドル左のグリップにはリアハンドブレーキ装置を追加取り付けしている。

ちなみに欧州の大会ではメインフレームや主要パーツを重量制限ギリギリまでカバンに埋め込んで現地に持ち込み、レンタルしたバイクを一度バラバラにして組み上げている。慣れない整備環境ということもあり、組み立てに約3日間かかるという。やっとバイクが走り出しても、さまざまなトラブルが発生して練習もろくに出来ないことも多いとか……。

「日本人の場合、自分のバイクを海外に持っていくには何十万円もの予算と長い時間が必要となり、今のボクには実現不可能です。現地でバイクをレンタルもしくは購入して、時間かけて日本のバイクに近づける作業が必要になります。他国のライダーと比べてかなり条件は悪いですが、それでも勝てるように実力と環境を整備していきたい」という。

(「後編」に続く)

まとめ:野里卓也

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