開幕から4連勝を飾り、6戦4勝、ランキング2位へ大量ポイントリードを持って最終戦に臨んだのが、J-GP2クラス、チームカガヤマの浦本修充(=なおみち)。ポールシッター関口太郎(ハルクプロ)とのバトルが期待されましたが、しかし、レースは予想外の展開となりました。
レースをリードしたのは、きのうの公式予選で4年ぶりのポールポジションを獲得した関口。朝のウォーミングアップランでもトップタイムをマークした関口が、このウィークはとにかく速い! 決勝レースでも、スタートから飛び出して2番手以降との差を広げると、そのままリードを保って優勝!
4年前にもてぎ大会で勝った時も確かこんなだったよな、というブッチギリの独走劇でした!
ここ鈴鹿をホームコースとする日浦大治朗をして「僕自身ミスはなかったし、マシンも仕上がって、自分のベストに近い走りができた。それなのに……太郎さんが速すぎました」と言わしめるほどの圧勝で、ポールに続いて優勝も4年ぶり。とにかく最終戦のタローは速かった、と長く記憶に刻まれるほどの走りを見せてくれました。
チャンピオンの行方ですが、ここまでのポイントリードで、浦本は18位に入って6ポイント獲ればチャンピオン確定!なんですが、そんな消極的な走りをするはずがありません。……とはいえ、予選も7番手に沈み、きょう朝のウォーミングアップでも8番手と元気はなく、ここは手堅く行くしかないな、って感じの決勝レースだったはずです。決勝レースでも走りのキレは今ひとつ、10位に甘んじてしまいました。しかし、これでいいんです! 勝ってチャンピオン、っていうのも確かに大事だけれど、前半戦でポイントリードを作っていたんだから、チャンピオン確定の走りをしたって、誰が責められましょう! 浦本、おめでとう!
チャンピオン獲得のご褒美というわけではないんでしょうが、浦本はこの後、スペイン選手権の最終戦(スーパーバイククラス)にスポット参戦が決定しています。これは、日本のレースと海外のレースの架け橋をいつも意識するチームカガヤマの加賀山就臣監督のアイディアで、日本で頑張ったんだからスペインで自分の力を試してこい!っていう親心なんでしょう。
日本GPでは、国内のJ-GP2参加チームをまとめあげて浦本のワイルドカード参戦を実現させ、来シーズン以降のJ-GP2と世界選手権moto2との架け橋を作ってみせた加賀山監督の「突破力」、次々と新しいことを実現していきますね、これってスゴいことだ!