MotoGP日本グランプリMoto2クラス決勝で、結果4位と惜しくも表彰台を逃したIDEMITSU Honda Team Asiaの中上貴晶選手。しかし最後の最後まで手に汗握る戦いを繰り広げた中上選手の、レース終了後に行われた囲みインタビューのコメントを、ほぼ全文でお届けします。

画像: <日本GP>中上貴晶選手、レース終了後のコメント

中上貴晶 選手 コメント

「ひとことで言い表せないですけど、今はとても悔しいです。レースを振り返ると、ウィークを通してですけど、ルティ、ザルコは自分と比べてアベレージでほんのちょっと速いのはわかっていて。でもその中で好スタートを切れたし、いい位置にいたので、一周目でザルコをパスしました。厄介だったのはルティがトップで出ちゃったことで、(彼が)スタートから行くなというのはわかってたし、ペースも一周目から好ペースだったので、なんとか必死で食らいついて、離れないように自分もプッシュしつつ走っていました。

終盤、ペース的にも距離的にもトップとは離れていて、ただこのまま何もせずに終われないなというのはあったし、ギリギリだったんですけど、(前を走る)モルビデリだけは、トライだけはしようという気持ちはありました。なのでラストラップに少し距離を縮めて、S字コーナーで抜いて、その次もお互い抜いて抜いて、半周の中で本当に激しいバトルをしました。最後の最後、最終コーナーまでトライしたし、やれることはやったんですけど、でも最後の最後は接触もあって、4位で表彰台に上れなかったので、今はものすごく悔しいです。競り負けたというのもあるし、表彰台に上れなかったというのが、悔しい。だけどその反面、最後は面白いレースでもありました。最後にですけど、盛り上げられる展開を見せられたのは良かったですし、悔しいですけど、やりきった感はあります。何もせずの4位じゃないので。ギリギリの4位だったし、強い気持ちでやりました。でも競り負けたのは悔しいです」

画像1: 中上貴晶 選手 コメント

ー最終ラップのモルビデリとのバトルはどんな展開でした?

「一発目にS字コーナーの左で自分が抜いて、その次のS字の2個目で抜き返されて、V字でまた自分がインから抜いて、90度コーナーでインから抜かれて、最後のビクトリーコーナー、シケインの左で抜いたんですけど、またそのまま、真っ直ぐぶつけられて。自分もそのまま行っちゃえば良かったんですけど、行ってもモルビデリはぶつかってきたと思います。自分も面白かったし、ただ何度も言いますけど、競り負けたのは悔しいです」

ー予選からセッティングは何か変更を?

「アジャスト程度に変更を加えたくらいです。レースウィークを通していい方向には進んでいたので、もしかしたらトップ争いができるという可能性は広げられた。ただ、最初から最後まで結構ギリギリでしたね。たぶん観ててもわかったと思うんですけど、ずっと差が離れなかったり、詰まらなかったりで、トップ4台が全員ギリギリで走っていたので。ミスしたら脱落って感じだったので」

ー中上選手のミスらしいミスは、一度3コーナーではらんだことくらい?

「そうですね。ピッタリじゃないけど、ずっとモルビデリの後ろにいて。その周だけ、ちょっと彼のブレーキングが少し速かった。で、自分がインに入るか一瞬迷ったんですけど、ぶつかるなと思って、そこでバイクをちょっと外側に振って、なんとか止めたかったんですけど、ジャックナイフのように、リアの接地が足らなくて。あのミスはちょっと痛かったですね。ミスする前も後も同じようなタイムだったので、もうちょっとザルコの邪魔はできたかな。ちょっとザルコにプレゼントしてしまった感はあるし、そこでまた差が開いて、追いつかないといけなかったので。結構厳しかったですけど、ただ全力は出し切りました」

ー観ていても力強い走りでした。

「最後、このまま終わったら絶対に後悔するなと思って、彼(モルビデリ)もミスしなかったし、どこで抜こうかなっていうのもあったんですけど。モルビデリと自分は、同じ車体に、同じオーリンズのサスペンションなので、キャラクターが似ているんてす。ルティとザルコはWPのサスペンションでキャラクターが違うので、(どこで)速いとか遅いを見つけられるんですけど、全く同じものを使っていて、同じような動きをするから、どこで抜こうかなと。もう「えいや!」って気持ちもあったし、彼もそうですけど、お互いに意地を見せつけてのレース、最後の半周だったので、面白かったです」

ーこの借りは次戦で返さないとですね。

「そうですね。残り3戦ありますし、必ずまた勝てるように。たぶん今日も何もせずに4位の方が、悔しいけどラクだったかもしれない。トライをして、結果的に負けましたけど、いまの方がたぶん悔しさが倍増してます」

ー去年までとは走りが変わりましたよね。

「たぶん観てる方も、また何かミスをして、そのまま離されて終わったら、「今までと変わってないな」と思われたと思うんです。でもそうではなかったので。なので来年は、またさらに強くなって、日本グランプリで必ず勝ちたいです」

画像2: 中上貴晶 選手 コメント

 

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