画像: 都心からいちばん近いモトクロス場、川越のオフロードビレッジ。お祭りムードむんむんです

都心からいちばん近いモトクロス場、川越のオフロードビレッジ。お祭りムードむんむんです

10月最初の週末、ようやっと天気も良くなって、この週末は全国あちこちでイベントが行なわれました。お誘いをいただいただけでも、日光サーキットの2ストロークマシンイベントとか、スポーツランド桶川の青木琢磨さん主催「レン耐」とか、ナップスさんのツーリングイベントとか、カタナのオーナーズクラブのミーティングとか、息子の幼稚園運動会の事前練習とか(笑)。
そんななか、今日はモトクロス関東大会へ行ってきました。舞台は川越・オフロードビレッジ。何度も取材にお邪魔したり、自分でもヨロヨロ走ったことのある、都心からいちばん近いモトクロス場。関東大会は、この数年ここオフビレで行なわれていて、何度も行こう行こうと思っていたんですが、ロードレースの日程とカブっていたり、なんせ雨の確率が高い!(笑)。この週末は大丈夫だな、ってオフビレ取材予定を立てていたんですが、まぁ暑い暑い! 雨続きの関東、いきなり晴れて30℃オーバーはシンドかった! きのう土曜は涼しかったのに、ライダーも観客も、いきなりの暑さに結構ヤラれていた、そんな1戦でした。
僕自身、モトクロスの取材に行くのは数年ぶり。もちろん、レース担当として全レースをウォッチしてはいますが、いま調べてみたらまる3年ぶりの観戦です。3年なら、まだ浦島太郎にはなってない…といいな、って感じの観戦でした。
シリーズの流れでいうと、全9戦で行われる選手権の、関東大会は第8戦。チャンピオン争いもいよいよ大詰め、ってな局面です。

画像: HRCワークスマシンCRF450RW スズキRM-Zはアクラポビッチだったけど、CRFはヨシムラマフラーです

HRCワークスマシンCRF450RW スズキRM-Zはアクラポビッチだったけど、CRFはヨシムラマフラーです

画像: ヤマハワークスマシンYZ450FM 後傾シリンダー、後方排気との先進技術てんこ盛りです

ヤマハワークスマシンYZ450FM 後傾シリンダー、後方排気との先進技術てんこ盛りです

画像: チャンピオンマシンRM-Z450WS ローンチコントロールやトラクションコントロールを採用してるそうです!

チャンピオンマシンRM-Z450WS ローンチコントロールやトラクションコントロールを採用してるそうです!

画像: カワサキワークスマシンKX450F-SR このフレームはもうロードスポーツだな…

カワサキワークスマシンKX450F-SR このフレームはもうロードスポーツだな…

「絶対王者」成田を誰が倒すか!

ここまでの7戦、トップカテゴリー「IA1」(4スト450cc)ランキングは、成田亮(チームHRC)が7戦14ヒート中9勝を挙げてトップを快走。新井宏彰(カワサキレーシングチーム)が47P差で2番手と、このレースの結果によってはチャンピオン決定、とそんな可能性もあったわけです。ちなみに、春にも行われた関東大会では、成田が1/1位のダブルウィン! 新井は関東出身で、ここオフビを「ホームコース」と呼ぶほど得意としている、と言いながらの5/6位。この予選でも9番手に沈んでいました。
決勝日となった日曜日は、朝からモノスゴい晴天が広がっていて、気温もグングン上がっての30℃オーバー! とはいえ、金曜くらいまでずっと雨降ってましたから、舞うホコリも少なくて、コースコンディションは良さそうでした。観戦の皆さんも、コースサイドもほとんど乾いていて、ヌタヌタにならずにひと安心ですね。

画像: 1周目から2番手以下を引き離した#331新井(カワサキ) 速い、スムーズ、上手い!

1周目から2番手以下を引き離した#331新井(カワサキ) 速い、スムーズ、上手い!

ヒート1はスタートから意外な展開でした。「絶対王者」成田を追撃する新井がスタートから飛び出して、オープニングラップからグングン引き離していきます。成田は10番手以降と出遅れて、抜きにくそうなコースレイアウトで、あれれ大丈夫かな、って感じ。それでも、モトクロスっていうのは30周+1周という、もんのすごくフィジカルに負担のかかるレースなので、序盤の順位はアテにならない、ってことぐらい僕だって知ってます(笑)。
序盤から中盤にかけては、新井が独走、2番手以下の争いが激しく、タイからスポット参戦しているプラシット・ベン(ヤマハ)、平田優(ヤマハ)らがバトルして、田中教世(カワサキ)、北居良樹(KTM)、熱田孝高(スズキ)、小島庸平(スズキ)、そこに後方から成田が追い付いてきた、そんな展開でした。

画像: ロードにないモトクロスの魅力といえば空中戦!#8田中の背後に#1小島が迫る! 後方の小島は空中で捨てシールド外してペッと。カッコえええ!

ロードにないモトクロスの魅力といえば空中戦!#8田中の背後に#1小島が迫る! 後方の小島は空中で捨てシールド外してペッと。カッコえええ!

画像: レース中盤、#2熱田をかわした#982成田。ふたりは東北出身の大ベテラン同士。

レース中盤、#2熱田をかわした#982成田。ふたりは東北出身の大ベテラン同士。

ポジションが変わってきたのは2番手以下。平田が2番手に上がると、チームメイトの熱田をかわした小島が3番手、田中をはさんで熱田をかわした成田、といったオーダー。結局レースはこのままフィニッシュを迎えて、新井がブッチギリ、平田、小島と続き、成田は5位でレースを終えました。
ほとんどロードレースしか見ていない僕が言うのもなんですが、新井は、すごくスムーズに乗っていた感じでした。その分、速くは見えないんだけど、コーナー見てると進入も速いし、脱出も速い。はー、すげーなー、って見とれちゃいました。対して成田は、前週に行なわれた「モトクロス国別対抗戦」モトクロス・ネイションズで肩を負傷していたためか、ちょっと元気がなかったっていうか、早めに体力がなくなっちゃってた? 新井は1周目から速く、自分でレース展開をコントロールしていたし、2番手以下がバトルしていたのにも助けられて独走してましたね。速いのはもちろん、上手いライダーなんだな、と。もちろん、クロウト筋が見ていたら見方は違うかもしれませんが、ディープに詳しくない観客目線ってことで(笑)。
 

ヒート2も新井! チャンピオン決定は最終戦へ持ち越し!

ヒート2も新井がスタートを決めて、1周目からペースが速い! MotoGPでいうロレンソですかね、モトクロスだって、タイヤに熱が入らない1周目からペースを上げるのは、そうとうな技術が必要なはずです。成田も今度はスタートをミスらず、小島、小方誠(カワサキ)、熱田といったメンバーがいる2番手集団の頭にいます。
新井のペースは落ちることなく、2番手以下のオーダーの変動はレース中盤から。昨年まで成田のチームメイトだった小方が成田をかわして、小島が前に出たり、成田が抜き返したり。その後方に熱田、田中も追い上げて来てます。しかし、新井はほぼほぼ独走。やっぱりこのレイアウト、なかなか抜きどころがなさそうで、バトルになるとラップタイムは落ち気味ですね、だから2番手争いが激しい=新井が逃げる、って展開が続いたんだと思います。
結局このまま、新井がダブルウィンを決めて、2番手争いを制した成田、そして小島が3位。午後も気温が下がることはなく、真夏とはいかないまでも、猛暑って表現を使っても許されるレベルのなか、レース後のライダーもかなり消耗していました。熱戦、激戦、みなさんお疲れ様でした。

画像: 第5戦の神戸大会でのペナルティをめぐり、藤沢、名阪を欠場していた#99平田。ヤマハの応援団の前を走るコーナーではライン、ワイドにとりがちw

第5戦の神戸大会でのペナルティをめぐり、藤沢、名阪を欠場していた#99平田。ヤマハの応援団の前を走るコーナーではライン、ワイドにとりがちw

これでレース結果は
IA1 ヒート1
①新井宏彰(カワサキ)
②平田 優(ヤマハ)
③小島庸平(スズキ)
IA1 ヒート2
①新井宏彰(カワサキ)
②成田 亮(ホンダ)
③小島庸平(スズキ)
モトクロスは1日のレースの総合順位も発表されるので、総合では
①新井 50P ②小島 40P ③成田 38P
④平田 37P ⑤田中 32P ⑥小方 31P
ポイントランキングは
①成田 301+38=339P ②新井 254+50=304P
③小島 240+40=280P ④熱田 233+28=261P
最終戦「MFJグランプリ」は、ボーナスポイントが加算されて、Wウィンで60ポイントが入るので、計算上はランキング3位の小島までチャンピオンの可能性が残されていることになりますね。MFJグランプリには海外からの招待選手も参戦するので、日本のモトクロスと海外のモトクロスのレベルも推し量れる1戦。成田のV11なるか、それとも――、っていう最終戦は、10月22~23日・宮城県スポーツランド菅生で行われます。

子どもがたくさん、ファンとライダーの距離が近いモトクロス

レース観戦&取材経験は9割5分ほどロードレースに偏っている僕ですが、モトクロスって、コースとファンの距離が近くて、会場全体がコンパクトなのがいいですね。危険な場所をのぞけば、コースサイドから手を伸ばせばライダーに触れるような距離で、それはパドックも同じで、ワークスマシンを整備している風景を目の前で見られたり、レース前のライダーが普通にファンのみんなと触れ合ってたり、あとチャイルドクラスやJ65っていう65ccマシンのジュニアクラスがあるからか、会場に子供のファンが多いですね。
ちなみに今回は駐車場代が2日間で1000円、入場料はオトナ当日5000円、こども2500円、小学生以下は無料でした。ロードレースみたいに、冷房完備のメディアセンターとかありませんし、観客席も少ないかわりに、コースサイドにアウトドアチェア据えて見ていられたり、パドックパスなんて制度がなくてフリーだったりと、すごくオープンな雰囲気は健在でした。ロードレースもいいけど、モトクロスも楽しいですよー。あとね、パドックに出店が出ていて、ぼく今回キャップとかロンTとかバイクのトイとか、すげー買い物しちゃいました(笑)。
最終戦は日本GPの翌週、菅生かぁ。久々に行きたいなぁ。

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