今年もMOTO2にフル参戦する、チームアジア・イデミツの中上貴晶。12年からMOTO2に参戦を始めて、もう5シーズン目。このクラスじゃ、すっかりベテランになりました。
その中上、ウィンターテストからなかなかの好調で、常に上位につけながら、マシンの感覚が良い、と繰り返していました。タイヤ、サスペンション、フレームのちょっとした組み合わせが勝負を左右するMOTO2クラスにあって、昨年はシーズン中盤から後半にかけてなにかきっかけをつかんだようでしたから、今年こそ表彰台の常連、初優勝を果たして、チャンピオン争いをしてほしい、っていうのが日本人ファンの願いなんです。
フリー1/2/3は6/8/7番手と来て、予選は3列目9番手。決勝日朝フリーは5番手と、うん悪くない。決勝レースでも、ズバッとスタートを決めて、3列目からイッキに2番手までジャンプアップ! 1周目のゴタゴタを終えて、レース序盤は3番手をキープ! よーし、タカ、行けるぅぅぅ、とテンションが上がっていた人も少なくないでしょう。
しかし! TVの国際映像で、何度もスタートシーンをリプレイし始めます。あ、ザルコもリンスもロウズもシグナルオフ寸前にビクッと動いてる! こりゃジャンプスタートでライドスルーが何人かいるな、タカは動いてなさそうだった、と思いながら、次々とライドスルーペナルティにピットロードにライダーが入ってきます。ザルコ、リンス、ロウズがペナルティで、フォルガーは転倒! ますますタカ、表彰台のチャーンス!と思った瞬間、#30のペナルティ提示が! なんとタカもジャプスタートを取られてしまったのです。あちゃぁ……好事、魔多しかぁ。
結局タカは、ほぼ最後尾から14位まで追い上げてフィニッシュ。貴重な2ポイントを獲得したのでした。
「かなり口惜しいし、納得いかない部分もありますが、この2ポイントが貴重なポイントだと信じ、次戦に気持ちを切り替えます」とタカ。もし、この開幕戦のジャンプスタート騒動がなかったら、タカは十分トップグループを走れるスピードがあるってことも証明したレースでした。ジャンプスタート…動いてないように見えたんだけどなぁ…。