「慣らし」はエンジン回転だけにあらず!
慣らしというとエンジン回転数の上限にこだわりがちだけど、「慣らし編1」に書いたように神経質にならず、雨や未舗装路などの滑りやすい路面をイメージして丁寧に操作するだけでいい。具体的には低いギアでの急な加減速を避けることと、逆に無理に回転を抑えるために高いギアで粘らせて、ドライブチェーンがガシャガシャ踊るような扱い方を控えること。
![画像: 峠道ではシフトチェンジを繰り返すし、市街地にはギャップが多い。サスペンションとミッションの慣らしには好都合だ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2016/03/12/9d1d9f7e9b8eb74e574f4ba2c49175473b4cd733.jpg)
峠道ではシフトチェンジを繰り返すし、市街地にはギャップが多い。サスペンションとミッションの慣らしには好都合だ。
オートバイを「慣らす」というより、ブレーキのフィーリングやハンドリング、振動や音を頭と体で覚えてオートバイに「慣れる」期間だと思えばいい。異性との付き合いはじめと同じかもね。で、今回は前後サスペンションとミッションの慣らしについてレポートします。
サスペンションの慣らしは2000kmがめやす
個人的にエンジン回転数よりも重視しているのはサスペンションとミッションの慣らし。仕事で新車に試乗する機会も多いけど、新車に近い車両と3000km以上走った車両を乗り比べると前後サスの動きとミッションの入りがかなり違う。当然、走りの印象も変わってしまうから、雑誌のインプレ取りでは走行距離をチェックして、明らかに慣らし不足で動きが渋いときには、不公平にならないよう、そのあたりに触れないようにしている。
経験上、サスやミッションがスムーズに動くようになるのは2000km程度走ってから。といっても、新東名のように路面のキレイな道路をトップギアで延々と走っても効率が悪い。前後サスペンションを動かすには加減速Gやある程度のギャップがあったほうがいいし、ミッションはシフトアップ/ダウン操作が多いほうがいい。その点では市街地や峠道のほうが慣らしに向いているということ。
サスペンションは特に意識していなくても走行距離が伸びるとともにスムーズに動くようになる。
小さなギャップの衝撃吸収性が高まって乗り心地が良くなるし、ブレーキングや加速で突っ張る感じも消えていく。沈み込み量も少し増えるので、足着き性の向上も実感できるはずだよ。
![画像: 僕のニンジャはタイヤ特集の撮影で伊豆・箱根方面の峠を走り回っているうちに、走行1000km程度から前後サスの動きが良くなった。あとはフォークのインナーチューブとリアサスのロッドのオイルシール付近をチェックして、オイル滲みがなければOK。オイル滲みを見つけたら購入したショップに持ち込むべし。保証期間内なら無償で直せるし、保証切れでも修理しておかないと悪化する一方だよ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2016/03/12/906784fdb313de5a3845218ee7c7b47831bca2b6.jpg)
僕のニンジャはタイヤ特集の撮影で伊豆・箱根方面の峠を走り回っているうちに、走行1000km程度から前後サスの動きが良くなった。あとはフォークのインナーチューブとリアサスのロッドのオイルシール付近をチェックして、オイル滲みがなければOK。オイル滲みを見つけたら購入したショップに持ち込むべし。保証期間内なら無償で直せるし、保証切れでも修理しておかないと悪化する一方だよ。
確実なシフト操作でミッションの慣らしを!
扱い方で差が付くのがミッション。新車時はクラッチを切っても僅かな引きずり感が残っていることが多いから、しっかりクラッチを握ってアクセルを戻し、1速づつペダルストロークの奥まで使ってシフトする。丁寧さを意識するあまりシフト操作に時間をかけるとクランクシャフトとドライブシャフトの回転数に差が出て変速ショックが大きくなるので「素早く確実に」が基本です。僕のニンジャは市街地で1~3速、高速道路で3~6速の慣らしを意識的に行った。2回目のオイル交換が済む頃には慣らし完了だね。オイル添加剤を入れる人は、この2回目オイル交換のタイミングがベストだな。
![画像: 取材続きでなかなかドクターSUDAに行けず、1500km走行で初回点検。担当の稲村メカニックにエンジンの状態やサスペンション、ブレーキの動きなどを細かくチェックしてもらった。最初のオイル交換が済んだ時点でミッションのタッチはグッと良くなったぞ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2016/03/12/fde73a6ecaba609df336f855170a9abd5bf9d726.jpg)
取材続きでなかなかドクターSUDAに行けず、1500km走行で初回点検。担当の稲村メカニックにエンジンの状態やサスペンション、ブレーキの動きなどを細かくチェックしてもらった。最初のオイル交換が済んだ時点でミッションのタッチはグッと良くなったぞ。
次回はカスタム紹介! かな?
ということで、購入編、納車整備編、慣らし編という、一連の新車関連レポートは終わり。次回以降は少しづつ進めているカスタム関連の話題を。このニンジャの場合は速さ云々じゃなく、街乗りとツーリングでの快適度を高めるSST(スーパー・スポーツ・ツーリング)がテーマ。ハードパーツやアクセサリーを中心にレポートする予定です。ただし予定は未定。忘れたころのUPになるかもね。(笑)
![画像: 前回の「慣らし運転編1」のニンジャとVTRの写真を見ていて、ふと思い出して引っ張り出したのがこの写真。82年ごろに、当時大人気だったCBX400FとVF400Fを同時所有していた時期があったんだ。どちらのオートバイも月刊オートバイ誌で「愛車日記」を一年間連載していたから、古い読者なら覚えているかも。 あれからもう30年か……。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2016/03/12/9d20f54b23310259b0a939b6f6d8e09478a0d029.jpg)
前回の「慣らし運転編1」のニンジャとVTRの写真を見ていて、ふと思い出して引っ張り出したのがこの写真。82年ごろに、当時大人気だったCBX400FとVF400Fを同時所有していた時期があったんだ。どちらのオートバイも月刊オートバイ誌で「愛車日記」を一年間連載していたから、古い読者なら覚えているかも。 あれからもう30年か……。
(写真/南孝幸)