高速道路でクルージング性能チェック!
3日目は休日。1000円高速が使えるので気兼ねなく足を延ばせる。(初日に担当の福助が囁いた『潤沢な取材費もお預けします』の真実は、『食パン一斤で一日持ちます。お飲み物はお家で作った麦茶を水筒に。高速道路は休日か深夜が走りやすうございます』という悪魔も落涙する内容)
しゃーない。しがないフリーの身だ。でもどうせツーリングに出るなら峠も走っておきたい。100円ショップで買った関東地図を広げてルーティング。旅はこの時間が楽しいね。
一気に600km以上走ってやろうと、東北道を使って日光から尾瀬を抜けて奥只見を回り、関越道で戻ってくる大ざっぱな計画を立て、小学生の子供たちと一緒に9時過ぎに就寝。
「ソロツーリングなんて何年ぶりだろう」とワクワクしながら早朝に起きたら……豪雨。ふて腐れて二度寝し、10時頃に起きると、ドンヨリ曇ってはいるものの路面は乾いている。 よっしゃ、出かけよう!
レインウエアが入らない! 梅雨なのに……。
低中回転域での力強さは驚異的
日帰りのソロツーリングなので、サイドケースは必要なし。タンクバッグにカメラと地図、トップケースにレインウエアとインナージャケットとタオルを入れて出発。まずは東北道を北上し、左端車線をノンビリ走ってクルージング性能の確認を。
100km/hだとトップギア(バンディットは6速)で3150回転。80km/hなら2500回転ほど。ファイナルギアレシオはライバル車と比べてもかなりロング(高速向き)な設定だ。
回転が抑えられるので静かだし、スピード感がないので精神的にも疲れない。もちろん燃費にも貢献するはず。
最近はクルマの燃費がどんどん良くなっているから、バイクも負けずにエコ性能をアピールしないとね。で、このロングなレシオ設定は、中低回転域で粘り強いエンジン特性あってのこと。実際、アイドリング回転のまま発進できるし、2速スタートだって可能だし、そのまま6速までシフトアップして40km/hで走ることもできる。そこからアクセルを開けても、まったくギクシャクせずにスピードを上げていくとのだからツーリングユースには文句なしの性格。
さらにトルクの厚みを感じさせるのは3000回転を超えてから。よほどの上り坂でもない限り、追い越し時のシフトダウンは不要。そのままアクセルを開けるだけで済んじゃう。大排気量なりの豪快なパワーが出てくるのは6000回転あたりから。テストコースでは全開加速も試したけど、何事もなく1万回転オーバーまで伸び、3速で200km/hを超えたあたりで速度リミッターが作動する。
まあ、このジャンルのバイクは高回転でのパワーを云々したところで意味はない。それよりも常用速度域ではひたすらスムーズで力強く、レスポンスも素直という性格がポイント。
クルージング燃費は21km/Lをオーバー!!
バンディット1250シリーズは3車種とも乗ったけど、どんなアクセルワークでも、どの回転からでも一定の力強さで加速するフィーリングは共通。これといった特徴はないけど、ライダーを疲れさせないことが魅力。量を食べるなら薄味のほうがいいでしょ。
唯一気になったのはハンドルやステップに出る微振動。ハンドルバーエンドとステップ裏側に重めのウエイトを付けて高周波成分を消してあるから手の痺れや足の裏のくすぐったさはないけれど、回転が上がるにつれて振動量も増える。振動の質がもう少し柔らかければ上質感が増しそう。これがバンディットの個性と言われればそれまでだけど……。
と、ここまでが東北道→北関東道→東水戸道の終点までで感じたこと。残りは『4日目』で。(本日の走行 約400km・太田安治)