圧倒的な快適性と乗りやすさがCB1300シリーズの魅力。今回はカウル付きのスーパーボルドールを試乗テスト。スーパーボルドールと言えば、ハーフカウルに装備された、2カ所の小物入れが、抜群に使いやすくて防風効果以上に嬉しいポイントだったりするんですよね。
決して軽くはないけれど、決してコンパクトでもないけれどビッグバイクらしい存在感と乗っているときの安定感は抜群なんですよ。
それでは、試乗ダイジェストをどうぞ!
[車種解説]
CB1300スーパーフォアをベースにハーフカウルを装着し、1980年代以降のCB系のスペシャルバー ジョンに与えられて来た「ボルドール」の名称を冠したモデル。ハーフカウルには角型マルチリフレクターヘッドライトやスモークスクリーン が組み合わされ、カウル内側左右にはそれぞれ約1
リッター容量の収納スペースを確保。左側はキーロック付きとなっている。昨年12月にリ リースされた2010年モデルはスーパーフォアと同様のマイナーチェンジを実施。グリップ位置が手前に14mm、上方に23mm移動する 新型ハンドルと従来よりシート高が10mm下がる新型シートによってライディングポジションをアレンジ。サイドカバーも張り出しを抑えた新形状となり、サスセッティングにも見直しを加えてさらなる足着き性の向上が図られた。新形状のシートカウルやグラブバー、内部構造を変更したLEDテー ルランプ、新デザインのスイッチボックスも共通だ。
[インプレッション]
このクラスの優等生といえばCBをおいて他にはない。速度域も路面状況もCBの素直で落ち着いたハンドリングには関係なし。ビギナーのぎこちない操作にも優しく反応し、思った方向へ進んでくれる。高速クルージングの快適性と安定性は言うまでもないが、秀逸なのはワインディングでの
運動性能。初期旋回からフルバンクまでの手応えが一定で、意図的な荷重コントロールやハンドル操作を行なわなくてもキレイなラインを描いて旋回する。ライダーに頑張っている気がなくても、いつのまにか結構なペースで走っているのだ。エンジンは高回転でのパワーを低中回転域に振り分けた特性。一般道で常用する2000~5000回転では、アクセルを急開閉しても何事もないようにスムーズにレスポンスし、車体姿勢も乱れない。圧倒的な快適性と乗りやすさ、そして「秘めた」ではなく、乗りやすさの延長線上にあるスポーツ性がCBの魅力。高い人気を保っているのも当然だ。(太田安治)
(写真/南孝幸、玉井充)
■HONDA CB1300 SUPER BOL D'OR 諸元
全長×全幅×全高:2220×795×1205mm
ホイールベース:1510mm
シート高 780mm
装備重量:266(272)kg ※ ()はABS
エンジン形式:水冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:1284cc
ボア×ストローク:78.0×67.2mm
圧縮比:9.6
最高出力:101PS/7000rpm
最大トルク:11.6kg-m/5500rpm
燃料供給方式:FI【PGM-FI】
燃料タンク容量:21L
キャスター角/トレール:25度00′/99.0mm
変速機形式:5速リターン
ブレーキ形式 前・後:φ310mmダブルディスク・φ256mmディスク
タイヤサイズ 前・後:120/70ZR17・180/55ZR17
カラー:パールサンビームホワイト×キャンディーアルカディアンレッド
(受注生産)、パールサンビームホワイト×キャンディーアルカディアンレッド
×サイクロンブルーメタリック、グラファイトブラック
■価格:122万円6400円/132万900円(ABS)