晴天の鈴鹿サーキットは、オープニングクラスである
ST600の決勝レースが終わりました。
前戦、岡山で負傷した大崎誠之が欠場する中
ランキングトップに立ったのは横江竜司。
横江は、11位でフィニッシュすればチャンピオン確定だったんですが
なんと朝フリー走行で転倒! わわわ、決勝はどーなる!ってなか
痛みを押して、決勝レースは8位でフィニッシュ!
見事、2006年GP250クラス以来の全日本チャンピオンとなりました!
写真・文/ナカムラヒロフミ
今シーズンのST600は、すでにご存じのようにブリヂストンタイヤのワンメーク。
しかも、1レースの予選決勝で1セットしかタイヤを使えないってことで
予選での周回数を控えるライダーがほとんど、なんておかしなクラスだったんだけど
それでもシーズン終盤に向けて、横江、デチャ・クライサー、前田恵助という
ヤマハユーザーがランキング3位までを占める、って現象まで巻き起こしました。
岡山大会では、3年ぶりの優勝を果たしたデチャがランキング2位に浮上し
横江とデチャ、それに前田にチャンピオンの可能性が残されていました。
横江とデチャは16ポイント差。一見、セーフリードのように見えますが
なにが起こるか分からないのがレース。
そしてその言葉の通り、横江が朝のフリー走行で転倒を喫し
「あぁ、こりゃもうダメだな…」ってほどバイクも損傷していたのでした。
「朝フリーで転んだの、バイクは廃車寸前だったんです。
きょうは朝イチのレース順だったので、フリーから決勝まで1時間半くらい
こりゃ間に合わないかな、もうダメかな、って思ったんですが
チームのみんなが全力でバイクを治してくれて
足りないパーツはよそのチームが貸してくれたり
それに、うちの父がバイク屋(仙台のモトテックR4)をやってるんですが
オヤジがいなかったらバイク、治ってなかったかもしれないですね。
ホントに、みんなのおかげで獲れたチャンピオンです。
ほんと、うれしいです」
大喜びするでもなく、訥々と、シミジミと語る横江のコメントに
ちょっとジーンときちゃった、そんなST600の締めくくりでした。
<会見中、ホントに一瞬うるっときました ナカムラ>