バイクに乗る際、転倒時に手の次に接地しやすい部位が「肘」です。ライディングジャケットの標準装備だけでは不安な方や、普段着で安全に走りたい方向けに、最適な肘プロテクターの選び方とおすすめ製品を厳選してご紹介します。

素材のタイプで選ぶ肘プロテクター

肘プロテクターの素材は、保護力重視のハードタイプまたは動きやすさ重視のソフトタイプの2つが存在します。

画像: 素材のタイプで選ぶ肘プロテクター

素材のタイプで選ぶ肘プロテクター

素材:ハードタイプ

ハードタイプは外側が樹脂などの硬質素材で覆われており、路面との摩擦や突起物からの直接的な衝撃に対して非常に高い保護性能を発揮します。転倒時の滑走によるダメージを最小限に抑えたい場合や、高速道路を頻繁に利用するライダーに適しています。一方で、やや嵩張りやすく、腕の曲げ伸ばし時に突っ張り感を生じることがあります。

【監修者の一言】
ハードタイプの真価は、転倒して滑走した際に路面を「滑ってくれる」ことにあります。表面が引っかからずに滑ることで、腕が路面に取られてねじれたり関節に無理な力がかかったりするのを防いでくれるのです。突っ張り感が気になる場合は、肘の曲げに合わせて分割されたセパレート構造のモデルを選ぶと、保護力と動きやすさを両立しやすくなります。

素材:ソフトタイプ

ソフトタイプは、特殊な衝撃吸収ウレタンや、衝撃を受けると瞬時に硬化する特殊ポリマー素材などが使用されています。普段は柔らかく身体のラインに沿ってしなやかにフィットするため、ライディング中の操作性を損なわず、長時間の装着でも疲れにくいのが最大の特徴です。ジャケットの中に装着してもシルエットが崩れにくいため、見た目を重視する街乗りライダーにも最適です。

保護力と運動性のどちらを優先するかで選ぶべき素材が決まります。

【監修者の一言】
衝撃硬化型の素材としてはD3O(ディースリーオー)やSAS-TEC(サステック)などが代表的で、これらを採用したモデルなら柔らかさと保護性能を高いレベルで両立できます。選ぶ際はハード・ソフト問わず、欧州の安全規格「CE規格(EN1621-1)」の適合表記を確認するのが客観的な目安になります(レベル2のほうが高い衝撃吸収性能)。なおウレタン系素材は経年劣化するため、何年も使ったものは見た目が無事でも性能が落ちている場合があり、5年程度を目安に買い替えを検討してください。

固定方式とサイズで選ぶ肘プロテクター

肘プロテクターは、転倒した瞬間に正しい位置に留まっていなければ十分な効果を発揮できません。そのため、固定方式とサイズ選びは非常に重要です。

購入時には、自分の腕周りのサイズを測定し、ライディングポジションをとった際に肘の関節に無理なくフィットするかどうかを確認しましょう。

画像: 肘プロテクターの固定方式とサイズ選び

肘プロテクターの固定方式とサイズ選び

固定方式:サポータータイプ

バンドで腕に直接巻き留めるサポータータイプ。脱着が容易でサイズ調整の自由度が高い反面、バンドの締め付け強度の調整に慣れが必要です。

固定方式:袖通しタイプ

伸縮性のある生地にプロテクターが内蔵された袖通しタイプ。腕全体を包み込むためフィット感に優れ、走行中にズレにくい利点がありますが、腕の太さに合っていないと圧迫感が強すぎたり、逆に緩すぎて位置がズレたりします。

保護規格で選ぶ肘プロテクター

プロテクターの安全性を判断する客観的な基準として、欧州の安全規格である「CE規格」が存在します。バイク用プロテクターの分野では、このCE規格をクリアしているかどうかが品質を担保する重要な指標となります。規格にはレベル1とレベル2が存在し、レベル2のほうがより高い衝撃吸収性能を備えていることを示します。

サーキット走行や高速ツーリングなど、より高い安全性を求める場合はレベル2を取得している製品を選ぶと安心感が増します。街乗りや低速走行が中心で、軽快さや通気性を重視する場合はレベル1でも十分な保護力を得られます。製品選びの際は、単に厚みや硬さを見るだけでなく、こうした第三者機関による安全規格の表示を必ず確認するようにしましょう。

【監修者の一言】
CE規格のラベルには衝撃吸収のレベルだけでなく、部位を示す記号(肘は「E」)や、保護範囲の広さを示す「タイプA(小さめ)/タイプB(標準)」の区分も記載されているので、あわせて確認すると製品の性格がより正確にわかります。注意したいのは、格安の海外製品の中には根拠の不明な「CE」表記を掲げるものが紛れている点です。信頼できるバイク用品メーカーの正規品を選ぶか、規格番号(EN1621-1)まで明記された製品を選ぶことをおすすめします。

デイトナ SAS-TEC® 肩・ひじ・ひざ用プロテクター トリプルフレックスエアーシート 32504

デイトナ(DAYTONA)の肩・肘・膝に使用可能なプロテクターです。3つ角の衝撃吸収素材がフレキシブルに稼働し、関節などの可動部をしなやかに包み込んで体のラインにフィットします。

素材には衝撃時に瞬間硬化する特殊な発泡ウレタンを採用し、CE規格レベル1を取得した高い安全性と目立たないスリムさを両立。軽量な植物性ウレタンベースで水分吸収率が1%以下のため、手洗いで清潔に保つことができます

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RSタイチ TRV081 ステルスCE エルボーガード

RS TAICHI(RSタイチ)の肘プロテクターです。インナータイプでありながら、ヨーロッパの厳格な安全基準であるCE規格レベル2の認証を受けたプロテクターを内蔵しています。

ジャケットの下にスマートに装着でき、優れた衝撃吸収性能を発揮。左右セット構造で両腕の安全性をしっかり確保し、普段着スタイルでも安全性を妥協したくないライダーに安心感を提供するアイテムです。

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HYOD D3O® AIzR エルボープロテクター STV016D

ヒョウドウ(HYOD)の肘プロテクターです。新形状のメッシュタイプ構造により優れた通気性を誇り、ソフトで高い衝撃吸収性を発揮するCE規格適合の「D3O® LP1 ELBOW」プロテクターを肘に内蔵しています。裏地にはプロテクターのズレを防ぐノンスリップ生地を採用。

肌あたりの良いフラットシーム縫製を施すことで、転倒時の肘へのダメージを防ぎつつ、ライディングジャケット脱着時の裏地との引っかかりや摩耗ストレスを軽減します。

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アルパインスターズ BIONIC PLUS エルボープロテクター 6506119

アルパインスターズ(alpinestars)の肘プロテクターです。人間工学に基づいた左右非対称デザインとスリムな設計を採用し、肘の形状に自然にフィットします。堅牢なプロテクション構造と衝撃吸収パッドを融合させたCE規格レベル1の保護システムを搭載。通気性に優れる屈曲構造とデュアルストラップ留めにより、高い動きやすさと確実なホールド感を両立しています。

単独装着モデルのため、モトクロスやオフロードからオンロードまで幅広いライディングシーンで活躍します。

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FOX タイタンレース エルボーガード C6064

フォックス(FOX)の肘プロテクターです。肘から前腕部全体を覆うプラスチック製プロテクターと、通気性に優れたパンチング加工シェルを採用し、高い保護性能と快適性を兼ね備えた左右1セットモデルです。

肌に触れる部分には心地よいソフトインナーフォームを配置し、さらにライディング中のズレを防ぐシリコンプリントを施しています。伸縮性のあるストラップにより簡単に着脱できる利便性の高さも魅力です。

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ラフ&ロード CE-LEVEL1 エアスルーパッド ラージ RR10131

ラフ&ロード(ROUGH&ROAD)の肘プロテクターです。CE規格レベル1をクリアした高い衝撃吸収性を誇りながら、優れた軽量性と通気性を兼ね備えた肘・膝兼用のパッドです。

素材には柔軟性と衝撃吸収性に優れたTPEを採用し、左右合計202gという軽さを実現。独自のエアスルー構造により蒸れを軽減し、長時間のライディングでも快適な装着感を提供します。

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ラフ&ロード スーパーフィットエルボーガード RR10089

ラフ&ロード(ROUGH&ROAD)の肘プロテクターです。CE規格レベル1の安全なプロテクターと、高機能素材「icemooth」を採用したアームカバー構造を融合させたモデルです。

優れた吸汗速乾性、UVカット、接触冷感、抗菌防臭機能を兼ね揃え、夏の過酷なライディング環境を快適に緩和します。高い伸縮性と縫い目がゴロつかないフラットシーマー縫製により、肘の動きに優しくフィットします。

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コミネ SK-818 CEレベル2プロエルボーガード

コミネ(KOMINE)の肘プロテクターです。ロングセラーとして高く評価されてきたSK-610をベースに開発され、CE規格レベル2の認証を取得したモデルとなります。

2本のベルトによる装着感やシンプルな使い勝手の良さはそのまま継承しつつ、ハードシェル構造により優れた衝撃吸収性能を発揮します。ウエアを選ばず装着できるため、安全性を重視するライダーの安心感を一段と高めてくれるプロテクションアイテムです。

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コミネ SK-824 CEレベル2 サポートエルボーガード

コミネ(KOMINE)の肘プロテクターです。CE規格レベル2を認証取得したソフトプロテクター(SK-810)を内蔵しています。

サポーター本体には伸縮性に優れる生地を採用しており、ライディング中の腕の動きを妨げずスムーズな屈曲をサポート。高い保護性能と動きやすさ、快適なフィット感を兼ねそろえています。

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EVS Sports エピックエルボーガード EPE-20K-LX

イーブイエススポーツ(EVS Sports)の肘用プロテクター(エルボーガード)です。軽量かつ通気性に優れた構造で、肘と前腕を確実に保護します。

さらにアクティブコンプレッションスリーブを搭載することでアームポンプを軽減し、シリコン製グリップカフが激しいライディング時のズレを防ぎます。

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バイク用肘プロテクターを安全に使うためのTIPS

画像: バイク用肘プロテクターを安全に使うためのTIPS

バイク用肘プロテクターを安全に使うためのTIPS

ポイント①:装着後のフィット感と動作範囲の最終確認

プロテクターを装着したら、走行を始める前に必ず実際のライディングポジションをとって確認を行いましょう。直立した状態では快適に感じられても、バイクに跨がりハンドルを握る姿勢をとると、肘の角度が変わってプロテクターが上や下にズレてしまうことがあります。

両腕を伸ばしたり深く曲げたりした際に、保護したい肘の関節全体がしっかりと覆われているかを確認してください。また、ジャケットの袖口とプロテクターが干渉して手首付近に無理な圧迫が生じていないかも重要なチェックポイントです。違和感がある場合はバンドの調整を行い、ベストな位置に固定してから出発する習慣をつけましょう。

【監修者の一言】
上下のズレに加えて必ず確認したいのが「回転方向のズレ」です。装着した状態でプロテクターを手でひねってみて、簡単に肘の外側から内側へ回ってしまうようなら、転倒の衝撃では確実にズレると考えてください。また転倒時は腕を伸ばして前腕側から接地するケースが多いため、肘頭だけでなく前腕の上部まで保護範囲がかかる位置にセットするのが理想です。

ポイント②:長持ちさせるための正しいお手入れと保管方法

肘プロテクターは肌に近い位置で装着することが多いため、汗や皮脂による汚れが付着しやすいアイテムです。清潔な状態を保ち、素材の劣化を防ぐためには定期的にお手入れを行う必要があります。

洗濯を行う際は、インナーの生地から衝撃吸収材を取り外せるタイプであれば、プロテクター本体を取り外してサポーター生地のみをぬるま湯で手洗いするのが基本です。一体型のタイプや取り外しができない製品の場合は、固く絞った濡れタオルで表面の汗や汚れを優しく拭き取り、風通しの良い日陰で十分に乾燥させてください。直射日光に長時間晒すと、ウレタン材やプラスチックが劣化して保護性能が低下する恐れがあるため注意が必要です。

【監修者の一言】
手洗いの際は中性洗剤を使い、漂白剤や柔軟剤は素材を傷めるため避けてください。面ファスナー(ベルクロ)付きのモデルは、閉じた状態で洗うと生地への引っかかり傷を防げます。乾燥時にドライヤーや乾燥機などの熱を使うのは、本文にある直射日光と同様にウレタン材の変形・劣化を招くため厳禁です。

ポイント③:経年劣化による交換時期の見極め

見た目に傷や破損がなくても、プロテクターに使用されている素材は時間の経過とともに徐々に劣化していきます。特に樹脂素材や衝撃吸収フォームは、紫外線や汗、温度変化の影響を受けて柔軟性を失い、本来の衝撃吸収能力を発揮できなくなることがあります。

一般的には、購入から数年経過した場合や、一度でも大きな衝撃を受けたものは交換を検討すべきです。外観にクラックやひび割れが生じている場合や、生地のゴムが伸びて固定力が落ちている場合は、万が一の際にプロテクターがズレてしまい危険です。定期的に素材の状態を点検し、安全性を維持するために適切なタイミングで新しい製品へ更新することが重要です。

【監修者の一言】
交換の考え方はヘルメットと同じで、「一度大きな衝撃を受けたら、外観が無事でも内部の吸収材は仕事を終えている」と捉えてください。点検の際は、フォームを指で押して以前より硬くなっていないか、表面が粉を吹いたようになっていないかが劣化のわかりやすいサインです。ジャケット内蔵型の場合は、多くのメーカーがプロテクター単体を補修部品として販売しているので、ジャケットごと買い替えずにプロテクターだけ最新のCEレベル2品へ更新するという手もあります。

まとめ:肘プロテクターで安全なバイクライフを

バイク用の肘プロテクターは、転倒時のリスクを軽減し、安心してライディングを楽しむために欠かせない装備です。保護力を重視したハードタイプと、運動性や隠しやすさに優れたソフトタイプが存在するため、自分のライディングスタイルや所有しているウェアに合わせて選ぶことが大切です。

CE規格などの安全基準を確認し、腕のサイズにしっかりと合った製品を正しく装着することで、万が一の事態でも身体を守ることができます。定期的にお手入れを行い、適切な状態でプロテクターを活用しながら、快適で安全なバイクライフを送りましょう。

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