北米ヤマハが2027年モデルのYZ250Fを「オールニュー」と銘打ち発表しました。エンジン、フレーム、クラッチ、リアブレーキシステム、サイドカバーまで広範囲を刷新した実質フルモデルチェンジ。タグラインは「COMPETITION DOMINATION」、開発コンセプトは「the all-new YZ250F changes the game ... again」と、250 4ストMXクラスの主導権を改めて取りに来たことを明確に打ち出しています
画像1: ヤマハ、MY27 YZ250Fでフルモデルチェンジ。新エンジンで衝撃の+700rpm

エンジン全新設計、レッドゾーンは700rpm引き上げ

新型YZ250Fの中核は、完全新設計の250cc 4ストロークDOHC 4バルブエンジンです。ボア×ストロークは77.0×53.6mm、圧縮比14.1:1という超ハイコンプ仕様(旧モデル13.8:1)。電子制御燃料噴射は44mm径のMikuni FIを継続採用しています。

画像1: エンジン全新設計、レッドゾーンは700rpm引き上げ
画像2: エンジン全新設計、レッドゾーンは700rpm引き上げ

最大のトピックは、YZシリーズで初採用となるダブルスプリング吸気バルブと、ヤマハの市販スーパースポーツ「YZF-R1」由来のロッカーアーム+フィンガーフォロワー動弁系。これに新形状の吸気ポートと圧縮比アップを組み合わせ、レッドゾーンを従来比700rpm引き上げることに成功しています。高回転域のパワーピーク域を伸ばしつつ、全回転域でのパワーアップを狙う、典型的な「現代化された4スト250モトクロッサー」のセオリーを徹底した内容。旧モデルでレブリミットは14000rpm前後ではないかとされていたので、15000rpmに迫る超高回転域に突入することに。潤滑はドライサンプ方式、エンジンマウントブラケットも新設計。FIM/AMAの最新騒音規制への適合も同時に達成しています。

画像3: エンジン全新設計、レッドゾーンは700rpm引き上げ

クラッチも刷新されました。新型YZ250Fは、YZ450Fで定評を得てきた油圧クラッチを250Fにも投入。専用設計のホースを組み合わせ、軽い操作力とダイレクトなフィーリングを引き出しています。

シャーシはYZ450F由来のコンパクト新フレーム

画像: シャーシはYZ450F由来のコンパクト新フレーム

シャーシも一新されています。YZ450F由来のコンパクトな新設計フレームを採用し、コーナリング性能の向上が狙いに。

サスペンションは前後ともKYBで、フロントは12.2インチ(約310mm)トラベル、リアショックは新設計のベースバルブ+ピストン構成、さらに工具不要で操作できる新しいロースピード・コンプレッション・アジャスターを備えます。荒れたコンディションの中でも、ピットで素早くセッティングを追い込める仕掛けです。

リアブレーキシステムを刷新、ペダルもボルト式に

画像: リアブレーキシステムを刷新、ペダルもボルト式に

足回りで地味ながら重要なアップデートが、リアブレーキシステムの全面刷新です。

新しいリアブレーキは小型軽量化を達成しつつ、リニアな制動フィーリングに振った設計。ブレーキディスクのマウント方式も新規。さらに転倒時のダメージリカバリーやセットアップの自由度が上がっています。コンパクトなマスターシリンダー+新キャリパー+新リアフェンダーまでセットでリアまわりが軽量化された格好で、マス集中化にも効くアップデートになっています。

2ピースサイドカバーで整備性とスタイリングを両立

外装の見どころは、2ピース構造のサイドカバー。エアフィルター周りのメンテナンスアクセス性を向上させつつ、新しい2トーンのYZスタイリングを表現するためのデザイン上のキーパーツでもあります。

画像: 2ピースサイドカバーで整備性とスタイリングを両立

実用と見た目の両方で意味のあるアップデートで、新世代YZの「顔」を決める要素のひとつになっています。

Power Tuner Appはローンチコントロール+3段階トラコン+盗難防止ロックまで対応

電子制御まわりも引き続き「Power Tuner App」によるスマートフォン連携が用意されます。エンジンマップのカスタマイズに加え、ローンチコントロール、3段階のトラクションコントロール、そしてECU Anti-Theft Lock(盗難防止のためのECUロック機能)まで備える構成です。

画像: Power Tuner Appはローンチコントロール+3段階トラコン+盗難防止ロックまで対応

スタート時のホールショット獲得、トラクションコントロールの介入度合いの設定、車両盗難への備えまで、現代モトクロッサーに求められる電子制御を一通りスマホから扱える環境が整っています。

主要スペック

モデルイヤー2027(オールニュー)
エンジン250cc 液冷4ストローク単気筒DOHC 4バルブ
ボア×ストローク77.0 × 53.6mm
圧縮比14.1:1
動弁系YZF-R1由来ロッカーアーム+フィンガーフォロワー/ダブルスプリング吸気バルブ
燃料供給Mikuni FI(44mm)
潤滑ドライサンプ
トランスミッション常時噛合式5速
クラッチ油圧式(YZ450F由来)
フレームYZ450F由来の新コンパクト・アルミビーム
フロントサスKYB SSS倒立フォーク/トラベル12.2インチ(約310mm)
リアサスKYBリアショック(新ベースバルブ/新ピストン/工具不要ロースピード・コンプアジャスター)/トラベル12.3インチ
ブレーキフロント270mm/リア220mm(リア小型軽量・新設計)
ホイールフロント21インチ/リア19インチ
タイヤDunlop MX33F(80/100)/MX33(110/90)
燃料タンク容量1.6 ガロン(約6.1L)
シート高38.2インチ(970mm)
ホイールベース58.3インチ
湿重量236ポンド(約107kg)
スマホ連携Power Tuner App(ローンチコントロール/3段階トラコン/Anti-Theft Lock)
米国希望小売価格Team Yamaha Blue $9,099 / Monster Energy Yamaha Racing Edition $9,299(別途デスティネーションチャージ$675)

新型YZ250Fは、エンジンを一新(700rpm引き上げ、ダブルスプリング吸気バルブ、R1由来動弁系)、フレームをYZ450Fベースに刷新、クラッチを油圧化、リアブレーキを軽量新設計、サイドカバーを2ピース化、と主要パーツのほぼ全領域でアップデートが入った世代刷新モデルです。

カワサキKX250F(2027MYで燃焼室改良+クラッチ容量アップ+エキパイ延長+サス刷新+290g軽量化)と並べてみると、4スト250MXクラスは2027年式で「世代がそろって切り替わる」ターニングポイントになっていることがよく見えてきます。日本市場への導入タイミングは続報を待つことになりますが、レースシーンの動向を含めて、2027年シーズンの250 4ストMXクラスからは目が離せそうにありません。

Yamaha
YZ250F

画像: 主要スペック

USD 9,099(Team Yamaha Blue/米国希望小売価格・別途デスティネーションチャージ$675)
USD 9,299(Monster Energy Yamaha Racing Edition/米国希望小売価格・別途デスティネーションチャージ$675)

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