執筆者:海波爽(ライター)
17歳頃に原動機付自転車の免許を取得し、18~19歳頃に普通自動二輪車の免許を取得。以降バイクの楽しさに目覚め、気の向くままにゆったりと流すように出かけています。チェーンの掃除やプラグ交換など、簡単なメンテナンスは自分でしますが、オイル交換のような後始末に手が掛かるものは少し苦手です。最近は車にも興味を持ち、スポーツカーの情報を追う日々です。
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バイクの運転は楽しいですが、万が一の事故に対する備えは必要不可欠です。頭部や胸部の損傷も致命傷になるリスクが高いですが、脊椎の損傷も重篤な後遺症につながる可能性があります。そのため、脊椎を守るバイク用バックプロテクターは万が一に備えるうえでの重要装備。またバイク用バックプロテクターは、脊椎だけでなく内臓保護の役にも立ちます。
そんなバイク用バックプロテクターには、多くの種類があります。まずはジャケット挿入タイプや単体着用タイプといった、取り付け方法による違いです。ほかにもCE規格レベルや硬度タイプ、フィット感も商品によって異なります。
バックプロテクターの選び方1 :バックプロテクターの取り付け方法
バイク用バックプロテクターを選ぶ際にまず考えるべきポイントは「取り付け方法」です。取り付け方法には、大きく分けて以下の2種類があります。それぞれに特徴があるので、自身の好みや用途に合わせて選んでください。
- ジャケット挿入タイプ(ポケット式)
- 単体着用タイプ(ベルト式)
ジャケット挿入タイプは最も一般的な取り付け方法です。文字通りバイク用ジャケットの背中部分にある専用ポケットに、バックプロテクターを挿入して使用します。特徴としては、既にバックプロテクターを挿入済みであれば、バイク用ジャケットを着るだけで済む手軽さです。

単体着用タイプのバックプロテクター
このタイプはバックプロテクターがバイク用ジャケット内部に収まっているので、シルエットがすっきりします。さらに同じメーカーのバイク用ジャケットとバックプロテクターならば、サイズが合うように設計されていることがほとんどなので、互換性が良いです。
単体着用タイプは、肩や腰のベルトで体に固定します。特徴としては、ジャケット挿入タイプと比べてカバーできる範囲が広いことです。さらに商品によっては、ベルトでフィット感の調整ができるバックプロテクターもあります。また、バイク用ジャケットを所有していない場合や別のジャケットを使用したい場合に使える汎用性も魅力です。
バックプロテクターの選び方2 :金額
バイク用バックプロテクターの金額は、取り付け方法や後述しているCE規格、タイプなどによっても異なります。取り付けタイプ別での価格の大まかな目安は以下のとおりです。
ジャケット挿入タイプ(ポケット式) | 1,500円~9,000円 |
単体着用タイプ(ベルト式) | 3,000円~3万円 |
単体着用タイプのほうが広い範囲カバーできるからか、より金額が高い傾向にあります。予算に合わせて、最適なものを選びましょう。
バックプロテクターの選び方3 :CE規格や硬度タイプ
バイク用バックプロテクターの選び方には上記した取り付け方法以外にも、CE規格や硬度タイプなどがあります。具体的には以下の3つです。
- CE規格
- 硬度タイプ(ソフトパッドやハードパッド)
- フィット感
CE規格とは、EUが定めた安全基準などを満たしていることを示すマークです。日本でいえばJISマークのようなものになります。CE規格は、レベル1とレベル2があります。CE規格レベル2のほうがより安全性が高く、レベル1と比べて衝撃の透過力が半分以下です。そのため、高速道路を頻繁に使用するかたやサーキット走行などするかたは、CE規格レベル2のバックプロテクターがおすすめです。
硬度タイプもソフトパッドやハードパッドがあります。ソフトパッドは柔軟性の高いウレタンフォームなどでできており、軽量で体に馴染みやすいのが特徴です。またバイク用ジャケットに初めから取り付けられているバックプロテクターは、多くがソフトパッドになります。
ハードパッドはプラスチックとウレタンフォームなどを組み合わせた構造や、衝撃時に硬化するSAS-TEC素材などで作られています。転倒や衝突時の保護性能はソフトパッドより優秀です。
フィット感も重要です。あまりにも緩いと転倒時にズレてしまい、本来の保護性能を発揮できません。反対にきつすぎると体の動きを妨げてしまいます。ほかにも夏場でもバイクに乗る場合は、通気性にも気をつけてメッシュ素材などを選ぶと良いでしょう。
【単体着用タイプ】おすすめのバックプロテクター
単体着用タイプのおすすめのバイク用バックプロテクターは、以下の5つです。まだバイク用ジャケットを持っていないかたや、より広範囲を保護したいかたにおすすめになります。また、レディースタイプや適応身長が記載されている商品もあるので確認してください。
RSタイチ NXV019 ステルス CE バックプロテクター
RSタイチから販売されているバイク用バックプロテクターです。CE規格はレベル1ですが、MFJロードレース規則に適合しているので、必要十分の保護性能を有しています。通気性は、多数の通気孔と3Dメッシュを採用しているので良好です。また、カバーは取り外して洗濯できるので衛生的です。加えて、長さ調節と位置調整が可能なウエストベルトだけでなく、長さ調整可能なショルダーベルトが付属しています。
素材はカバーにポリエステル、トッププレイヤーにポリエチレン、内部に硬質なEVAフォームです。色は黒がメインで、縦に黄色のラインが入っています。サイズはMとLに加えて、women'sの3種類があります。women'sは、140cm〜155cmまで対応しているので小柄な女性ライダーでも安心して使用可能です。

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コミネ SK-822 CEレベル2 マルチバックプロテクター
コミネから販売されているバイク用バックプロテクターです。CE規格レベル2を取得しているので、保護性能が非常に優れています。加えてプラスチックシェルには通気性の確保だけでなく、体に馴染む形状の新型を採用しています。
さらにウエストベルトは、ベルクロで縦方向への位置調整が可能です。また、同じコミネのSK-809やSK-697、SK-695と接続してボディプロテクターとしても使用できます。
素材はポリプロピレン、ポリエステル、ポリエチレンになります。また色は黒で、サイズはM、L、XL、2XLの4種類です。

コミネ SK-478 ショルダーバックプロテクター
コミネから販売されているバイク用バックプロテクターです。素材は合成プラスチックで、色はブラックです。サイズはM、L、XL、2XLの4種類になります。幅広のウエストベルトを採用しているので、ライディング時に体を動かしてもズレにくくなっています。

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コミネ SK-605 バックブレイス
同じくコミネから販売されているバイク用バックプロテクターです。ただし本製品は、腰椎から尾骨までを保護するバックプロテクターになります。素材はTRPラバーで、色はブラック&レッドで、フリーサイズです。
薄型のラバーガードを搭載しており、サポートスプリングが腰椎を支えてくれます。またサブベルトにより、締付具合を細かく調節可能です。腰痛持ちの方などにも良いでしょう。

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アルパインスターズ ニュークリオン KR-1 セル プロテクター
アルパインスターズから販売されているバイク用バックプロテクターです。色はレッド&ブラックで、サイズはS、M、Lの3種類になります。素材は高機能ポリマーブレンドを使用しており、ハニカムシェル構造で高い安全性と通気性を両立しています。
またCE規格レベル2を満たしているので、サーキット走行などのスポーツライディング時にも安心です。加えて、高さ調節可能なウエストベルトを採用しています。

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【ジャケット挿入タイプ】おすすめのバックプロテクター
ジャケット挿入タイプのおすすめバイク用バックプロテクターは以下の4つです。既にバイク用ジャケットを所有している場合や別で着用するのが面倒な場合は、こちらを検討するのも良いでしょう。また最後に紹介しているRSタイチの商品には、レディースタイプもあるので女性の方は確認してみてください。
デイトナ トリプルフレックス フルバック CEレベル1
デイトナから販売されているバイク用バックプロテクターです。SAS-TEC製のトリプルフレックス設計により、3つ角の衝撃吸収素材が柔軟に動き、体にしっかりとフィットします。さらに、通気性も良好で蒸れづらいのも特徴です。それでいて、万が一の衝撃時には瞬間的に硬化して、CE規格レベル2の保護性能で体を守ります。また手洗い可能で衛生的なことに加えて、形状が合えば様々なウェアに使用できます。
素材は発泡ウレタンを使用しています。サイズは縦430mm☓横270mm☓厚さ17mmで、適応身長は155cm〜180cmです。

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デグナー CEレベル2 エアスルーバックプロテクター[PS-17]
デグナーから販売されているバイク用バックプロテクターになります。素材はTPVで、サイズはSとMの2種類です。ハニカム構造を採用しており、軽量でライディング時の疲労を軽減してくれます。さらに通気性も良く、蒸れによる不快感も抑えてくれます。
※本製品は同じデグナーから販売されているエアスルーインナープロテクターベスト・PS-13とエアスルーインナープロテクター・PS-14にのみ適合となっているので、ご注意ください。
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パワーエイジ PA-524 インナープロテクター PORON 脊椎用
パワーエイジから販売されているバイク用バックプロテクターになります。素材はPORON XRDを使用しており、衝撃吸収力に優れて軽量です。加えて非常に柔らかいので、スーパースポーツバイクのような前傾姿勢でも、しなやかに背中にフィットしてくれます。
また汎用性も高く、パワーエイジのジャケットに適していますが、ほかのジャケットにも使えます。さらにプレスホールが空いているので、通気性が良く蒸れづらいです。フリーサイズで、サイズは縦395mm☓横296mm☓厚さ6.5mmです。

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ラフアンドロード RR10080 エアスルー脊椎パッド
ラフアンドロードから販売されているバイク用バックプロテクターです。素材はウレタン製で、フリーサイズです。ウレタンをワッフルメッシュ加工にすることで、軽量ながら強度を維持したまま外気の導入を促します。そのため放熱性に優れており、熱が籠もりづらくなっています。

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RSタイチ TRV044 タイチCE(レベル2) バックプロテクター
RSタイチから販売されているバイク用バックプロテクターになります。わずか13mmの薄さながら2層構造を採用して、衝撃への対応力を上げてCE規格レベル2を満たしています。また柔軟性に優れているだけでなく、ベンチレーションホールを設けているので通気性も良好です。
素材はトップレイヤーとダウンレイヤー共に、ラバー60%、PVC35%、その他5%です。サイズは38(WS、WM、WL、WXL)、40(S、M、L)、43(XL、XXL)、48(3XL、4XL)と大きく4種類になります。

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致命傷部位の統計から見るプロテクターの重要性
警視庁が発表しているデータによると、2024年のバイク乗車中の死亡事故における致命傷部位は以下になります。
第1位・頭部 26.3%(10人)
第2位・胸部 42.1%(16人)
第3位・腹部 5.3%(2人)
第4位・その他 26.3%(10人)
脊椎は致命傷部位の第1位~第3位に入っておらず、そのことだけで考えれば、脊椎の損傷そのものが直接致命傷になることは少ないといえるかもしれません。しかし、脊椎は脳から全身へ神経信号を伝達する脊髄を保護していたり、内臓を守ったりしている大事な部位です。
バイク事故の衝撃は自動車事故の比ではありません。仮に致命傷は避けられたとしても、脊椎を損傷した場合、重篤な後遺症につながる可能性も十分あります。頭部のヘルメットは当然として、胸部のプロテクターと合わせてバックプロテクターの着用もしておきたいものです。
引用:警視庁 二輪車の死亡事故統計
バックプロテクターの選び方まとめ
バックプロテクターは、胸部プロテクターと比べて見落とされがちな装備です。しかし、大切な脊椎を保護する事を考えるとバックプロテクターは非常に重要なアイテムだと言えます。
選び方は色々ありますが、まずは自身が既に持っているバイク用ジャケットを見て判断してください。既に持っていて、バックプロテクター用のポケットがある場合はジャケット挿入タイプ、まだ持っていない場合やライディングジャケットに収納スペースがない場合は単体着用タイプを選ぶと良いでしょう。種類は少ないですが、レディースタイプもあるので、女性の場合はそちらを検討してみても良いでしょう。
事故は起きない・起こさないに越したことはありません。しかし、万が一事故が起きてしまった場合に後遺症を負うリスクを少しでも下げるため、自分自身に合ったバイク用バックプロテクターを選びましょう。