“タイタン”の異名を持つ『T500』ってどんなバイクだった?

先日、当サイト「スズキのバイク!」でもお知らせしましたが、スズキのブランニューモデルとなる「GSX-8T」および「GSX-8TT」の発売日や価格が決まり、大きな話題になりました。
スズキの“GSX-8”シリーズではネイキッドスポーツの「GSX-8S」とフルカウルスポーツの「GSX-8R」が発売されていますが、ここに来て「T」シリーズが2台も追加されるというのはファンとして嬉しい限り!

SX-8TT | Official Promotional Video| Suzuki
www.youtube.com公開されている写真や映像を眺めていると、ちょっと気になる車両があることに気がつきました。
公開されたイメージ画像やプロモーションビデオには、GSX-8T/8TTの隣にスズキのレジェンドバイクが置かれていることにお気づきになったかたも多いでしょう。
GSX-8T/8TTのオマージュの元となっていると思われる、このバイクは一体…⁉︎
世界耐久レースで上位を独占した市販レーサー「TR500タイタン」

ロードレーサー「TR500タイタン」
GSX-8"T"の語源にもなっているスズキの「T」は”タイタン”の異名を持つ市販レーサー「TR500タイタン」まで遡ります。
当時、2ストロークエンジンを得意としていたスズキは、エンジン冷却や振動対策などが難しいと言われた大排気量500ccの2ストローク2気筒エンジンを開発。
その2スト500ccエンジンを搭載した市販レーサー「TR500タイタン」は、アメリカ・カリフォルニア州で開催された12時間耐久レースで1-2-3フィニッシュを為し遂げるほど当時のレースシーンで大活躍しました。
そのエンジンをベースマシンとなっていた市販車モデルが「T500(1968年)」です。
T500(1968年)

T500(1968年)
1967年に“ファイブ”という名称の500cc試作バイクを東京モーターショーに出品し「2ストで500cc」という、当時として画期的なエンジンのバイクが誕生。
翌年1968年に、その量産モデルとして登場したのが「T500」です。
500ccの空冷2ストローク2気筒エンジンで、最高出力47PS/6.500rpm、最大トルク5.5kgm/6,000rpmという高スペックの市販車の発売を実現。
量産車としては世界初となった「500cc 2ストローク2気筒エンジン」を搭載したT500は、2サイクルファンのみならず、世界中のバイクファンから高い評価を得て「2ストロークのスズキ」の名を確固たるものとします。
T500(1969年)

T500(1969年)
世界に衝撃を与えたT500は、翌年の1969年には早くも大幅モデルチェンジが施され、高速時の走行安定性を増すため、キャスター角やフロントフォークのオフセット化、トレール量を増やすなど、ハイウェイ走行に最適化した2型を発売。
タンク形状やシート形状、メーターなどのデザインを刷新し、水平ラインを基調とすることでスピード感を演出するとともに、大排気量車の迫力ある重量感も強調。いま見てもスタイリッシュなスポーツバイクに仕上がっています。
当時、世界最大の2スト500ccエンジンを搭載していた「T500」は、その時の市販車で最高時速となる181km/hを突破した最速マシンでもありました。
公開されたプロモーションビデオや画像に出てくるGSX-8Tの傍らに置かれているのはこちらのT500です。
GT500(1971年)

GT500(1971年)
その後、スズキの「Tシリーズ」は、よりマシン性能を高めた「GTシリーズ」へと進化していきます。
T500発表のわずか2年後となる1971年には、後にレジェントモデルとなる「GT500」を発表。500cc 2サイクル空冷2気筒エンジンをリファインし、14.5Lの大容量フューエルタンク、クロームメッキフェンダーなど二輪車デザインのポイントを押さえたスタイリングでフルリニューアルされました。
ちなみに、今では当たり前に備わっているトリップメーターですが、スズキ車で最初にトリップメーターが備わったのはこのGT500からだと言われています。
GT550(1972年)

スズキの“GTシリーズ”と言えば、“2スト3気筒エンジン”のイメージを持たれている方も多いかもしれませんが、実は3気筒エンジンになったのは1972年に登場したこちらの「GT550」からです。
走行風のラム圧を利用して冷却するラムエアーシステムを採用した新時代のGTマシンとして、550cc 2サイクル空冷3気筒エンジンにリニューアルして登場。飛行機からヒントを得て独自に開発したラムエアーシステムは特に高速走行での信頼性が高められていました。
また、3気筒に対して4本マフラーを装着することで、排気音質を低周波音に変えるとともに、低速での出力増大にも貢献。最高出力は50ps/6500rpmまで引き上げられ、制動効率の高い油圧式ディスクブレーキを前輪に採用するなど、安全性や快適性も高められています。
その後、スズキのGTシリーズは当時の国内最大排気量を誇る「GT750」へ進化して行くことになります。

今回登場したネオクラシカルなスポーツバイク「GSX-8T/8TT」のインスパイアの元となっているのは、かつて“タイタン”の異名を誇った「T500」シリーズだったんです。
まもなく国内を走り出す「GSX-8T/8TT」に今からワクワクが止まりません。
どんなバイクに仕上がっているのか……新型8Tシリーズが気になって仕方ない!?






