胸部プロテクターは、万が一の事故のときに命を守る重要アイテム。とはいえ、ひとことで胸部プロテクターといっても多くの選択肢があり、どれを選べばよいのか非常に悩ましいと思う方も多いのではないでしょうか。本記事では、胸部プロテクターの選び方をわかりやすく解説し、おすすめを11選紹介します。

執筆者:海波爽(ライター)
17歳頃に原動機付自転車の免許を取得し、18~19歳頃に普通自動二輪車の免許を取得。以降バイクの楽しさに目覚め、気の向くままにゆったりと流すように出かけています。チェーンの掃除やプラグ交換など、簡単なメンテナンスは自分でしますが、オイル交換のような後始末に手が掛かるものは少し苦手です。最近は車にも興味を持ち、スポーツカーの情報を追う日々です。

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バイク事故による死亡者のうち、「頭部」と「胸部」の怪我が原因で亡くなった方の割合は、過去5年間の統計データを見ても6割以上を占めていることがわかります。「警視庁 二輪車の死亡事故統計」参照

頭部を保護するヘルメットは、ライダーであれば誰しも着用しているかと思いますが、胸部プロテクターはどうでしょう。

先に挙げた話からわかる通り、万が一のときに胸部を守ってくれるプロテクターは、ライダーの命を守るうえでヘルメットと同じくらい重要なアイテムといえます。ですから、スポーツ走行を楽しむときだけでなく、通勤や通学、ツーリングなど、普段からバイクに乗る時には必ず身につけてほしいものです。

とはいえ、一口に胸部プロテクターといってもその種類は様々。セパレートタイプやフルチェストタイプといった形状による違いや、CE規格レベル、通気性、レディースタイプなどがあり、どれを選べば良いのか迷ってしまうもの。

この記事では、胸部プロテクターの性能や選び方について解説します。あわせて、おすすめの製品をいくつかピックアップしてみましたので、ぜひ最後までご覧ください。

胸部プロテクターとは? その必要性について

胸部プロテクターとは、バイク乗車中に転倒、衝突事故などが発生した場合に胸部を衝撃から保護するための装備です。ライディングウェアの内側に装着することで、外部からの衝撃を吸収し、心臓や肺といった重要な臓器へのダメージを軽減してくれます。

バイクは自動車とは異なり、乗車する人の体が外部に露出した状態で走行します。そのため対向車はもちろん、障害物などへ衝突した場合、体に受ける衝撃は自動車に乗っているときの比ではありません。

胸部プロテクターの有無が生死を分ける装備に直結するケースが多いわけですから、その着用はもはや必須といっても過言ではないでしょう。

選び方1:胸部プロテクターの形状

胸部プロテクターは形状や装着方法、素材など多くの種類があります。そのため、それぞれの特徴をよく理解して自身の用途に合った商品を選ぶのが重要です。

まず、胸部プロテクターには大きく分けてふたつのタイプがあります。

  • セパレートタイプ(分離型)
  • フルチェストタイプ(一体型)

セパレートタイプとは、左右で分離された胸部プロテクターです。ライディングジャケットによっては胸部プロテクター用の収納ポケットが用意されているのでそこへ挿入、あるいはスナップボタンなどで装着します。

ライディングジャケットにあらかじめ装備されているプロテクターも、セパレートタイプのものが多いです。

フルチェストタイプに比べると、通気性が良く、夏場の暑い時期でも使いやすい反面、収納ポケットのサイズが合わない場合は取り付けができなかったり、中央部分に隙間ができてしまうことがあります。

フルチェストタイプとは、大きな1枚板でカバーする胸部プロテクターになります。

スナップボタンやベルクロ(ベルト)で装着するタイプが多く、胸部のカバー範囲が広く高い安全性を確保することができます。持っているライディングジャケットにあわせてプロテクターを購入するのが面倒、という方にもおすすめですが、セパレートタイプのようにライディングジャケットに装着したままにすることは、基本的にはできません。

選び方2:金額

胸部プロテクターの金額は、装着方法や素材、保護性能などによっても異なります。一例にはなりますが、以下のとおりです。

セパレートタイプ(分離型)3000円~8000円
フルチェストタイプ(一体型)4000円~1万円

素材にドライカーボンが使われていたり、保護性能が高かったりするとさらに金額はあがります。とはいえ、胸部プロテクターは万が一の時に自身の命を守るもの。金額だけに目を向けず、自身にあった製品を選びましょう。

選び方3:保護性能や機能性

胸部プロテクターの選ぶ際は、保護性能や機能性にも目を向けると良いでしょう。具体的には以下の3つがチェックポイントになります。

  • CE規格(保護性能)
  • 通気性や硬度タイプ(機能性)
  • フィット感(レディースタイプなど)

CE規格とは、欧州委員会が策定した共通基準(EN規格)を満たしている商品につけられるマークです。バイク用プロテクターはCE規格レベル1とCE規格レベル2があり、CE規格レベル2のほうがより高い保護性能を有しています。

同様に通気性や硬度も重要です。夏場や長時間の運転の場合は、ある程度通気性が確保されているメッシュタイプのものを選ぶと、安全性を考慮しつつ快適に運転することができるでしょう。

硬度はハードタイプとソフトタイプのものに大別されますが、近年では普段はソフトタイプで衝撃が加わったときに硬化してハードタイプのようになるプロテクターもあります。

最後になりますが、身体とのフィット感も大切です。適切にフィットする胸部プロテクターを選ぶことで、ずれを防止してくれます。特にレディースタイプは、女性のバストの膨らみにあわせて形状を立体的に作っている製品もあります。

【セパレートタイプ】おすすめの胸部プロテクター 5選

セパレートタイプのおすすめの胸部プロテクターを5つ紹介します。既に特定のブランドのライディングジャケットを持っている場合は、同じブランドの胸部プロテクターを選ぶとぴったりと収納できることが多いかもしれません。

デイトナ SAS-TEC 胸部プロテクター 26377

デイトナから販売されているセパレートタイプの胸部プロテクターです。CE規格レベル2をクリアしており、なおかつ本製品はJMCA(全国二輪車用品連合会)が推奨しているのも安心なポイントです。

素材は粘弾性のビスコエラスティックです。平時はソフトで、弱い衝撃には柔らかさを活かしてダメージを吸収してくれます。対して、強い衝撃時には硬くなり衝撃を受け止める特性を持ちます。フィット感もよく、通気性も確保されているので夏場でも蒸れにくいです。

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コミネ SK-838 CEレベル2 インナーチェストガードマルチ

コミネから販売されているセパレートタイプの胸部プロテクターです。同ブランドのSK-839をベースに、他社製のライディングジャケットにも装着できるようにしたモデルになります。スナップボタンで胸部プロテクターを装着できるライディングジャケットに対応可能です。

素材はポリエチレンやポリプロピレンなどを使用しています。CE規格レベル2を取得しているのに加えて、裏地を3Dメッシュにすることで快適性を向上させています。

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RSタイチ TRV079 | HELINX セパレート チェスト プロテクター

RSタイチから販売されているセパレートタイプの胸部プロテクターです。CPSというRSタイチ独自のシステムを採用しているライディングジャケットに装着できます。非対応のライディングジャケットの場合でも、別売りの「TRV065 | CPS用 フィッティングベルト」と併用すれば装着可能です。

素材はポリウレタンとTPUの2層式。CE規格レベル2に対応しているので、衝撃をしっかりと吸収してくれます。加えて通気口が多く空いているので、熱がこもりづらくなっています。そのため、夏場でもメッシュジャケットなどとあわせて使用すれば快適です。

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ラフアンドロード RR10074 ハードチェストパッド

ラフアンドロードから販売されているセパレートタイプの胸部プロテクターです。放熱性を向上させるため、エアホールをウレタンパッド内側に設け、外側にプラスチックパッドを重ねています。その結果、高い防護性能を有しています。

ラフアンドロードの胸部プロテクター対応ジャケットで使用可能です。

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デグナー PS-18 【PS-13/PS-14専用】エアスルーチェストプロテクター

デグナーから販売されているセパレートタイプの胸部プロテクターです。ハニカム構造を採用することで、軽さと通気性を両立しています。素材はTPV(熱可塑性加硫エラストマー)を採用し、CE規格レベル2も取得済み。

ただし、インナープロテクターPS-13とPS-14のみ適合するタイプのため、所有、あるいは購入を検討しているライディングジャケットを事前によく確認してください。

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【フルチェストタイプ】おすすめの胸部プロテクター4選

フルチェストタイプのおすすめの胸部プロテクターは、以下の4つご紹介します。セパレートタイプより高い安全性を求めている方におすすめです。

ワイズギア YAD04 チェストプロテクター

Y'S GEARから販売されているフルチェストタイプの胸部プロテクターで、スナップボタンやベルクロで装着します。

素材はポリプロピレンやポリエチレン、ポリエステルなど。3Dメッシュを裏地に採用することで、通気性を向上させ、汗による不快感を軽減してくれます。さらにCE規格レベル2を取得しているので、安全性も十分です。

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RSタイチ NXV018|HELINX レーシング チェストプロテクター

RSタイチから販売されているフルチェストタイプの胸部プロテクターです。レザースーツ(革ツナギ)と胸の間に挟むようにして装着します。

薄型13.5mmの厚さで、なおかつアンチスリップバンドを採用しているため、レザースーツのフィット感にあわせて微調整が可能です。さらにCE規格レベル2の取得に加えて、内側にはヘリンクス構造を採用することで高い通気性を確保しています。また、2021年1月1日からのMFJロードレース(全日本ロードレース選手権)の規則に適合済みです。

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コミネ KK-906 ドライカーボンチェストシールド

コミネから販売されているフルチェストタイプの胸部プロテクターです。ロケットなどに使用される日本製カーボンと加工技術を用いて、厚さ1mm・製品重量約72gを実現しています。

また、乗車用ヘルメットと同じ耐貫通試験をクリア。高い強度と耐貫通性能を実現しています。加えて、スナップタイプやベルクロタイプに取り付け方法に対応するための取り付けベルトも付属しています。

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アルパインスターズ  NUCLEON KR-CELL CiS [ニュークリオン KR-セル CiS] プロテクター

アルパインスターズから販売されているフルチェストタイプの胸部プロテクターです。SとL、2種類のサイズから選ぶことができます。

アルパインスターズのスリムフィットジャケットにスナップボタンで取り付け可能なので、同社の製品を愛用している方にはぴったり。

高性能ポリメリックを用いた2層構造となっており、安全性はもちろん通気性と快適性を両立しています。新開発のCELLテクノロジーは衝撃を分散し、あわせてハニカム構造にすることで蒸れも軽減してくれます。CE規格レベル2を取得しているので、安全性も十分です。

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【レディースタイプ】おすすめの胸部プロテクタータイプ2選

レディースタイプのおすすめ胸部プロテクターを2つご紹介。胸部プロテクターでレディースに対応している商品は少ないので、ぜひ参考にしてくださいね。

コミネ SK-836 CEレベル2 インナーレディースチェストガードマルチ

コミネから販売されているレディースタイプかつセパレートタイプの胸部プロテクターです。

スナップボタンで装着できる手軽さに加えて、CE規格レベル2を取得しており安全性も十分。裏地を3Dメッシュにしているので、夏場でも蒸れづらく快適性を維持できます。

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RSタイチ TRV063 | TECCELL チェストプロテクター(ボタンタイプ)【WOMEN'S】

RSタイチから販売されているレディースタイプの胸部プロテクターです。フルチェストタイプで、CE規格レベル2を取得しています。

水よりも比重が軽いポリプロピレン樹脂を採用し、ハニカムコア構造とすることで、軽量でありながらも高い衝撃吸収性を持っています。

RSタイチのCPSに対応しているライディングジャケットに装着ができるほか、他社製のライディングジャケットでも、ボタンシステムがあれば装着できます。「TRV065 | CPS用 フィッティングベルト」を購入すれば、ライディングジャケットのブランド問わず身に着けることができます。

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まとめ

胸部プロテクターは、バイクに乗るうえで命を守るためにも重要なアイテムです。

胸部プロテクターには多くの種類があり、選び方は多様です。はじめにセパレートタイプとフルチェストタイプがあります。収納ポケットやスナップボタンの有無で選びましょう。

そのほかにも、CE規格や硬度タイプなども重要です。種類は少ないながらも胸部プロテクターにはレディースタイプもあります。より高い安全性を確保するためにも、自身に合った胸部プロテクターを選びましょう。

ここで、警視庁のデータをもとに、胸部を守ることの大切さをおさらいしておきましょう。

2024年度におけるバイク事故の致命傷部位の第1位は胸部で42.1%、第2位が頭部で26.3%。2019年〜2023年までの過去5年間の統計を見ると、第1位は頭部で44.9%、第2位が胸部で26.2%でした。「警視庁 二輪車の死亡事故統計」参照

どちらの場合においても、頭部と胸部が致命傷となった割合は全体の約60%以上を占めていることがわかります。

2024年度の胸部プロテクターの着用率は9.8%です。「警視庁 二輪車利用者に対するヘルメット及び胸部プロテクターの着用状況調査結果」参照

従って、プロテクターの着用率をあげることで、胸部の怪我による死亡率を下げられる余地があります。

自身の大切な命を守るためにも、胸部プロテクターの着用を検討してみてはいかがでしょうか。

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