バイクに乗っている・乗っていないに関わらず、もはや日本の夏は「いかに熱中症にならないように対策するか」が重要な時代になってきました。そこで今回はライダーができる熱中症対策について考えてみましょう。

社会の「熱中症対策」が罰則付きで義務化!真夏のライダーはどう対処すべき?

いきなりですが、皆さんは今年の令和7年6月1日より労働安全衛生法が一部改定され、職場や社会における「熱中症対策の強化」が義務付けられたのをご存知ですか?

これは職場や社会においても「熱中症を生ずるおそれのある業務を行う際に、自覚症状がある、もしくは熱中症の可能性がある人を見かけた時に、その旨を報告する体制を定めること」と、環境省より全事業主に通達のあった熱中症対策の強化を促す、新しい労働安全衛生規則です。

画像1: 社会の「熱中症対策」が罰則付きで義務化!真夏のライダーはどう対処すべき?

気温31度以上の環境下で屋外で1時間継続して業務もしくは1日4時間以上業務を行うことがある事業所に適用され、これらを怠った場合は事業元に“罰則”も設けられているなど、国を挙げての熱中症対策の強化が義務化されたわけです。

確かに近頃の日本の夏の暑さは、35℃を超える猛暑日が連日のように続き、“異常”が“異常ではなくなった”ほど、ひと昔前とは比べ物にならない暑さになってきていますよね。

日本の夏の暑さレベルが変化してきているということは、これまでと同じようには過ごせなくなってきているとも言えます。

画像2: 社会の「熱中症対策」が罰則付きで義務化!真夏のライダーはどう対処すべき?

開放的になる夏のバイクツーリングは、走っていれば走行風を浴びているので気がつきにくいですが、クルマと違ってエアコンもなく、炎天下の中を直射日光を浴びながら走行していることに違いはありません。

真夏のライダーが特に注意したいは、ツーリング中に自分が熱中症になっているかもしれないことに気がつきにくいところなんです。

改めて知って起きたい熱中症の“初期症状”とは?

画像: 改めて知って起きたい熱中症の“初期症状”とは?

やはり熱中症で注意したいのは、ある程度進行するまで自覚症状がないことです。

しかし、熱中症とはそもそも身体にどんな症状が現れるのでしょうか?熱中症の症状を段階別に分けると下記のような症状が現れると言われています。

【軽度の熱中症状】

●発汗 ●めまい ●立ちくらみ ●筋肉痛 など

軽度の症状に分類されるものでも、めまいや立ちくらみ、筋肉痛に似た症状などが現れます。
ですが、過酷な環境下で走るライダーにおいては、できればこれらの症状を感じる前に『そうならないよう』に対処していきたいというのが『ライダーの熱中症対策』とも言えます。

【中度の熱中症状】

●集中力&判断力の低下 ●頭痛 ●吐き気 ●倦怠感 ●虚脱感 など

中度の症状になると、集中力の低下や判断力の低下、頭痛や倦怠感などが現れると言われています。
このような症状を感じた場合は、すみやかに一度停まって、症状が治まるまでバイクに乗らないようにしましょう。

【重度の熱中症状】

●体温の急上昇 ●歩行困難 ●言動不明 ●意識の喪失や痙攣 など

体温が上ったまま一向に下がらず、歩行が困難になるほど症状が進んだ場合は、重度の熱中症と言えます。最悪の場合、意識の喪失や痙攣などが起こってしまう場合もあります。

万が一、このような重度の症状が現れた場合は、非常に危険な状態と言えます。到底バイクを運転できる状態ではありません。場合によっては、直ちにツーリングを終了する決断をしましょう。

バイクツーリングが熱中症の初期症状に気がつきにくい理由とは?

画像1: バイクツーリングが熱中症の初期症状に気がつきにくい理由とは?

ライダーはヘルメットやプロテクターの装備された長袖のライディングギアを着ていますので、一般的な夏のレジャーよりも暑さによる身体の疲労をより意識してツーリングを楽しむ必要があります。

また、バイクはエンジンの熱や路面の照り返しなど「外気温以外の暑さ」も加わるので、真夏のツーリングは実はかなり過酷な環境下だと言えます。

画像2: バイクツーリングが熱中症の初期症状に気がつきにくい理由とは?

特に高速道路を使って長距離を走るようなバイクツーリングは、次のSA・PAまではすぐに停まれませんし、郊外の一般道では日差しを遮れる屋根があるような休憩ポイントがあるとも限りません。

「バイクは走行風を浴びているから、走っている時は涼しいんじゃないの⁉︎」と思われるかもしれませんが、熱風に近い走行風を浴びていてもライダーの身体にこもった熱はあまり外部へ排出されていないことが多く、汗をかき続けていることに気がつきにくいのです。

これらの要因で大量に汗をかき続けていると、そんなに具合が悪くなかったとしても熱中症の初期症状とも言える「隠れ脱水症」になっている場合があります。

「自分自身で守る」熱中症を防ぐためにライダーができる3つのこと

画像: 「自分自身で守る」熱中症を防ぐためにライダーができる3つのこと

バイクは、暑かったら車内に駆け込めるクルマなどに比べると、絶えず直射日光を浴び続けることになる乗り物です。

そして、ライディングウエアに身を包んではいるものの、炎天下の中を生身の身体で走っていることに変わりはありません。

ですから、ライダーにとっての熱中症対策は、症状が出る前の段階から注意をはらうこと、あるいは初期症状のサインを見逃さないこと。そして、ライダーが「自分の身を自分で守る」ためにできる下記3つのことを予め備えておくことです。

【真夏専用のライディングギア】

バイクで走行中は直射日光や紫外線を受け続けることになるので、ライダーが自分の身体を守れるのは夏用のライディングウエアしかありません。

直射日光や紫外線を防ぎながら、走行風を効果的に取り入れられる「メッシュジャケット」に、冷却効果と吸湿速乾のある「高性能インナー」を組み合わせたレイヤードのスタイルはライダーの夏装備として、もはや必須と言えます。

また、バイクを降りて休憩している間はジャケットを脱ぐなどして体温をコントロールするよう心掛けてください。

【適度な休憩】

夏のツーリングで他の季節よりも増やしたほうが良いのが「休憩の回数」です。

特に真夏は走っている時間に関係なく、特に疲れを感じていなくても、休憩の回数を多めにとりましょう。

走行風を受けて走っているのにも関わらず、汗がまったく乾かないレベルでの発汗を続けてしまう場合は、もうその時点で休憩のタイミングが少し遅いと言えます。

直射日光を避けられる日陰などに退避して、15〜20分程度でもいいので、上着のライディングジャケットも脱いでクールダウンしてください。

【水分・塩分補給】

画像1: 【水分・塩分補給】

そして真夏の炎天下の中をバイクで長時間走るライダーは、熱中症はもちろんのこと、隠れ脱水症になる前に定期的な休憩&水分補給が肝心です。

休憩の際には適度な水分補給を忘れずに取るようにしましょう。

(下に続きます)

水分補給にはスポーツドリンクやミネラルウォーター、お茶などで問題ありませんが、暑さによって身体に何らかの不調を感じた時は「経口補水液」もおすすめです。

経口補水液とは、体液とほぼ同じ浸透圧になっている水分で、吸収率や吸収速度が非常に高く“飲む点滴”とも呼ばれています。

夏ツーリングの「休憩」と「水分補給」は少し多めなくらいがちょうどいいと思っておきましょう。

画像2: 【水分・塩分補給】

夏の熱中症は、もはや人ごとではありません。「自分は大丈夫でしょ⁉︎」と思わずに、いつ誰の身に起きてもおかしくないものであるということを認識しておきたいですね。

これからやってくる真夏のツーリングでは、寒い時期よりも多めの休憩と、適度な水分補給が何より重要! 暑さ対策を万全にして快適なバイクライフを楽しんでくださいね!

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