これまで巡った神社の数は1万5000社を超える神社ソムリエの佐々木優太が、バイク好きのゲストにぴったりの神社へご案内するこの連載。今回は月刊『オートバイ』で連載し、単行本も人気を博す『カスタム虎の穴』の作者・アオキシンさんと神奈川県の神社へ向かいました。
まとめ:斎藤ハルコ/写真:高柳 健
※神社境内での撮影は、特別な許可を得ています。
※この記事は、月刊『オートバイ』2025年5月号に掲載したものを一部編集して公開しています。

今回のゲストは『カスタム虎の穴』作者のアオキシンさん

画像: 今回のゲスト アオキシンさん 愛車:KTM 690 DUKE

今回のゲスト

アオキシンさん
愛車:KTM 690 DUKE

690DUKEに乗る理由は「2 / 4スト、単 / 2 / 4気筒と色々乗ってきましたが、元々若い頃からビッグシングルが好きで、購入当時には純ロードスポーツのビッグシングルはこれくらいしかなかったんですよ。正直、意匠はそんなに好きではないけど、乗っていて面白い。単気筒の可能性を感じます。かなり攻めた設計と、作りが良いところも気に入っています。きちんと整備をしていれば、意外と壊れませんよ。オドは5万km弱ですが、エンジンは腰上/腰下ともに一度も開けていませんし」とのこと。

690 DUKEは、地味カスタム!?

画像: 外から見えるネジはほぼ64チタンネジに変更済み。理由はもちろん「カス虎」でネジの解説をするために、実際に自分のバイクでいろいろ試していたから。

外から見えるネジはほぼ64チタンネジに変更済み。理由はもちろん「カス虎」でネジの解説をするために、実際に自分のバイクでいろいろ試していたから。

画像: シートはノグチシート、ツーリングバッグはエンデュリスタンを愛用中。

シートはノグチシート、ツーリングバッグはエンデュリスタンを愛用中。

画像: 僕(佐々木)が格好いいと思った独特な形状のスイングアームは、アオキさんいわく「掃除が面倒な形」だとか(笑)。

僕(佐々木)が格好いいと思った独特な形状のスイングアームは、アオキさんいわく「掃除が面倒な形」だとか(笑)。

画像: 僕のハーレーにも興味津々のアオキさん。またがってもらうと、ライポジを確認しながら「なるほどねぇ」と(何かを)納得してました(笑)。

僕のハーレーにも興味津々のアオキさん。またがってもらうと、ライポジを確認しながら「なるほどねぇ」と(何かを)納得してました(笑)。

神社ソムリエ 佐々木優太

画像1: 『カスタム虎の穴』作者アオキシンさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

参拝した神社は1万5000社以上、受けた御朱印は4400を超える。ラジオパーソナリティーやテレビMCとして活躍し、神社にまつわる執筆や講演もしています。ゲッターズ飯田さんとの共著『幸せ舞い込む! あなたの開運神社』が好評発売中。愛車はハーレーダビッドソン・XL1200NS。

YouTubeチャンネル:神社ソムリエのあやかりチャンネル

スタート前から整備うんちくが始まる!?

画像2: 『カスタム虎の穴』作者アオキシンさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

バイクは乗る専門の僕は、出発前にエアーチェック中のアオキさんに「自分でエアーを入れたことがないんです」と告白。怒られるかと思いきや、ていねいにエアーの入れ方を教えてくださいました。作品に出てくるスパルタキャラ“虎オヤジ”と違い、実際のアオキさんは優しかったです(笑)。

画像3: 『カスタム虎の穴』作者アオキシンさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

CUSTORA II-5 カスタム虎の穴II

ていねい整備編 vol.5

税込価格:1430円
各書店&ネットストアで発売中

シリーズ10冊目の単行本が発売されたばかりの著者登場!

僕、佐々木優太が、全国の神社を参拝して得た知識や経験を活かした“神社ソムリエ”として、ゲストのお人柄から、その方の願い、目標に合う神社へご案内しているこの連載。今回のゲストは、オートバイ誌で長期連載中の『カスタム虎の穴II*ていねい整備編*』、通称「カス虎」の作者であるアオキシンさんが登場してくれました!

2025年3月3日に、カス虎シリーズ10冊目の単行本が発売されたばかり。カス虎の著者名欄には、アオキさんの名前と並べて「青木式絵画技研」と書かれているため、複数人で制作していると思われることもあるそうですが、実際はすべての文章や絵、デザインまでをアオキさんが一人で手がけています。

ですが、アオキさん個人ではSNSなどでの発信を一切していないため、「一体どんな人が描いてるの?」と思っていた読者の方も多いのではないでしょうか。

僕もオートバイ編集部からアオキさんはシャイな性格と伺っていたので、てっきり顔出しNGと思ってましたが、ちょっとなら……とのこと。せっかくなら単行本が発売されたタイミングに合わせ、告知も兼ねて開運ツーリングのゲストにご登場いただくことになりました(とはいえ、やはり恥ずかしいそうで、メイン写真以外は微妙に顔が出てるような、出てないような写真が多くなってます 笑)。

画像4: 『カスタム虎の穴』作者アオキシンさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

アオキシンさんの目標・願い

目標:できるだけ面白い作品を1日でも長く描きたい。
そのためにもっと勉強しないと……

願い:丈夫な身体&鋼のメンタルが欲しいです

ツーリングの目的地は神奈川県の曾屋神社

清水が湧き出る近代水道発祥の神社

約1200年前の天長年間から続く神社で、古くから境内に清水が湧き出ていたことから「水を司る神様」をお祀りしたことが始まりとされます。湧き水「井之明神水(イノミョウジンスイ)」の恩恵に預かってきた地域住民の篤い信仰を集めると共に、井戸を掘っても水が求めづらかった地域の発展に大きく寄与してきました。明治23年には井之明神水と隣接する乳牛地区の湧き水を水源とする「曾屋区水道」が整備され、横浜、函館に続く全国で3番目の近代水道発祥の地となりました。

画像5: 『カスタム虎の穴』作者アオキシンさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

\ アオキシンさんだから /
おすすめの3つの理由

1.横浜、函館に続く近代水道発祥の地の神社
→遠くに水を運ぶ水道にちなみ仕事が長く続く

2.境内には命を養う「水」が湧き出ている
→御神水の力にあやかって心も身体も丈夫に

3.御祭神は水の女神など、水に縁の深い神社
→切っても切れない水=柔軟で最強の精神に!

途切れず流れる水にあやかり長く続くお仕事と心身の健康を

今回、アオキシンさんをご案内したのは、神奈川県秦野市の曾屋神社です。いきなり余談になりますが、神社に到着して、参拝に上がろうとすると、アオキさんはまず「鳥居の材質はなんですか?」と言いながら、一の鳥居をご自身の手で触って材質を確かめ始めました。

これまで神社ソムリエとして、神社にご案内した方は数しれず。ですが、いちばん最初に鳥居の材質に食いついたのはアオキさんが初めてです(笑)。この探究心と好奇心から、濃すぎるバイクの基礎知識が詰まったカス虎が生まれるのですね。

そんなアオキさんの目標は「できるだけ面白い作品を1日でも長く描きたい」というもの。さらに「丈夫な身体と鋼の精神が欲しい」という願いも事前アンケートには書かれていました。

ご案内した曾屋神社は、境内に御神水が湧き出ていて、水の神様である水波能売命(ミズハノメノミコト)をお祀りしている「水」と縁が深い神社です。そして横浜、函館に続く、全国で3番目の近代水道発祥の地でもあります。

水道は技術を用いて水をつなぎ、運んでいくもの。そして切れることなく流れる水は、万物の生命の源です。そんな水にあやかって、バイクの仕組みや技術を深く解説するカス虎をはじめ、お仕事が長く続いていくこと、そして健康でしなやかな心身につながればと考えたのが、ご案内の理由でした。


★参拝ではココに注目!

1.御神水の「井之明神水」

曾屋神社の湧き水は、生活様式が上水道に頼るようになったことに加え、境内地の湿地化などの理由もあって、一時期は埋められていたとか。ですが2004年に旧湧出口を発見、御神水復活となり、曾屋神社の旧称「井之明神社(いのみょうじんじゃ)」にちなんで「井之明神水」と命名されました。2023年には、御神水の水路に環境レッドリストの準絶滅危惧種の「タンスイベニマダラ」の生息していることが判明。希少な藻類が育つ環境としても守られています。

準絶滅危惧のタンスイベニマダラ


2.ライダーにやさしいツーリングオアシス

バイクもOKの駐車場を完備する曾屋神社。「御刻印」のために参拝に上がった方は、参道から境内にバイクを乗り入れ、社殿の前での記念撮影が可能です。御刻印のスペースにバイクのハンドルが置かれていたり、訪れたライダーが自由にステッカーを貼れるボードが設置されていたりと、ライダーを歓迎してくれてるムードが嬉しいですね。

神職もバイク好き!

画像: 禰宜の守山さんもバイク好き。御刻印スペースのハンドルは、守山さんが以前乗っていたハーレーのものだそうです。現在の守山さんの愛車はヤマハ・セロー。神社の公式Xでは神社の情報に混じり、参拝された皆さんの愛車の写真がたくさん掲載されています。

禰宜の守山さんもバイク好き。御刻印スペースのハンドルは、守山さんが以前乗っていたハーレーのものだそうです。現在の守山さんの愛車はヤマハ・セロー。神社の公式Xでは神社の情報に混じり、参拝された皆さんの愛車の写真がたくさん掲載されています。


3.御刻印参加神社です

画像: ツーリングの目的地は神奈川県の曾屋神社

専用の革製お守りに、神社や寺院に参拝した証として打つことができる「御刻印」。新たなツーリングの目的&楽しみとして人気となっていますが、2024年7月から曾屋神社も参加神社となりました。曾屋神社の印は秦野市の名産である落花生、そして神社のすぐ横を通る「R246」の文字がデザインされています。

曾屋神社の御朱印

画像14: 『カスタム虎の穴』作者アオキシンさんとゆくバイク旅【神社ソムリエ・佐々木優太の開運ツーリング】

曽屋神社の御朱印には、水の神様をお祀りする神社らしく水との関わりが深い龍があしらわれています。その他にも境内社の護国神社、兼務社の健速神社の御朱印を頒布。御神水の井之明神水に生息しているタンスイベニマダラに着想を得たという、境内の様子が華やかにデザインされた切り絵御朱印も頒布しています。

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