海波爽(WEBライター)
17歳頃に原動機付自転車の免許を取得し、18~19歳頃に普通自動二輪車の免許を取得。以降バイクの楽しさに目覚め、気の向くままにゆったりと流すように出かけています。チェーンの掃除やプラグ交換など、簡単なメンテナンスは自分でしますが、オイル交換のような後始末に手が掛かるものは少し苦手です。最近は車にも興味を持ち、スポーツカーの情報を追う日々です。
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メンテナンススタンドとは?
バイクのメンテナンスは、愛車を長く快適に保つために欠かせません。とくにチェーンの清掃やホイールのメンテナンスといった足まわりの作業は、バイクの性能維持のためにも重要です。そのとき、メンテナンススタンドがあると作業が格段に効率化できます。

しかし、メンテナンススタンドの種類は数多くあり、どれを選べば良いか悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか? 本記事ではメンテナンススタンドのタイプや受けの種類、金額の目安、ほかにも高さ調整機能や耐荷重など、選び方のポイントについて解説しています。
メンテナンススタンドの使い方についても解説しています!
メンテナンススタンドがなぜ必要なのか?
メンテナンススタンドとは、バイクの車体やタイヤを持ち上げてチェーンの清掃やホイールの洗浄などをするための用品になります。おもにバイク用メンテナンススタンドを使用するメリットは以下の3つです。
- メンテナンス作業の効率化
- 冬場などの長期保管時の負担軽減
- 運搬車へ積載時の安定性向上
近年のバイクにはセンタースタンドがついていないことも多く、サイドスタンドだけの車種が増えてきています。そのため、チェーン周りなどのメンテナンスをする場合、都度バイクを動かす必要があり非常に手間がかかります。
しかし、メンテナンススタンドを使用すればタイヤを浮かせられるため、効率的にメンテナンスが可能です。加えてバイクが直立するため、オイルレベルの確認もしやすくなります。

冬場などバイクを長期保管するときの負担軽減も可能です。サイドスタンドでバイクを長期保管すると、タイヤの一部分にのみ負担がかかり、変形や空気圧低下のリスクがあります。しかし、メンテナンススタンドを使えばタイヤが浮くので、変形や空気圧低下のリスクは最小限です。
さらに、運搬車(トランスポーター)へ積載時の安定性が向上します。ただ単に車へ積んだだけでは、カーブのときや路面のデコボコでバイクが転倒してしまうことがあり、危険です。しかし、メンテナンススタンドを使用すれば転倒リスクを抑えられます。
メンテナンススタンドの選び方1:タイプで選ぶ
バイクのメンテナンススタンドのタイプは、以下の4つです。
- リアスタンド
- フロントスタンド
- ジャッキアップスタンド(リフトスタンド)
- リア&フロント兼用スタンド
リアスタンド
リアスタンドはもっとも一般的で、文字通りリアタイヤを浮かせるメンテナンススタンドで、ショートタイプとロングタイプの2種類があります。ショートタイプはコンパクトで場所を取らず、ロングタイプはテコの原理で比較的軽い力でタイヤを浮かせることが可能です。
さらに基本的には、L受けとV受けの2種類があります。L受けはスイングアーム下部を直接支えるタイプで、多くの車種に対応しています。
対して、V受けはスイングアームに装着されたスプール(フックボルト)にはめ込むタイプです。そのためV受けはより安定していますが、別途フックボルトが必要になることがあります。加えて、耐荷重200kgまでの商品が多いので注意が必要です(たとえば普通自動二輪車教習でよく使われるホンダのCB400スーパーフォアが通常200kg前後です)。
フロントスタンド
フロントスタンドは、フロントタイヤを浮かせるメンテナンススタンドになります。リアスタンドと併用するもので、単体では使用できません。フロントブレーキやフロントフォークのメンテナンス、タイヤの交換などに使用します。フォーク下部受けとステムアップの2種類があります。
ステムアップのほうがフロントフォークのメンテナンスなど、より幅広い範囲のメンテナンスに使用でき、なおかつ安定性が高いです。
ジャッキアップスタンド
ジャッキアップスタンドは、エンジンやフレーム下部にセットしてバイクを浮かせるメンテナンススタンドです。汎用性が高く、特殊なスイングアームの形状をしているバイクにも対応できます。加えて耐荷重も高く、大型バイクのメンテナンスにも使えます。
ただし本体自体が重く取り回しづらく、単体で使用すると不安定になる場合があるので、ほかのメンテナンススタンドとの併用が推奨です。
リア&フロント兼用スタンド

リア&フロント兼用タイプのメンテナンススタンド
リア&フロント兼用は、一台でリアタイヤとフロントタイヤ、どちらでも使用できるメンテナンススタンドです。フレームを組み立ててリアタイヤとフロントタイヤを使い分ける商品や、ローラー式の商品があります。
メンテナンススタンドの選び方2 :価格で選ぶ
バイクのメンテナンススタンドの価格は、スタンドのタイプや使用している素材、製造メーカーなどによって異なります。以下がざっくりの目安です。ジャッキアップスタンドはそれなりに高額なりやすいですね。一方、リア&フロント兼用スタンドには手に取りやすい価格のものが多くあります。
目的や懐具合と相談しながら、最適なものを選ぶといいでしょう。
リアスタンド | 5,000円~1万5,000円以上 |
フロントスタンド | 7,000円~1万7,000円以上 |
ジャッキアップスタンド | 1万円~2万円 |
リア&フロント兼用スタンド | 3,000円~6,000円 |
メンテナンススタンドの選び方3:高さ調整機能や耐荷重など
メンテナンススタンドの選び方として、ほかにも大きく以下の3つがあります。
- スイングアーム幅(有効幅)
- 高さ調整機能(アジャスター機能)
- 耐荷重
バイクのスイングアーム幅は、車種によって違います。小型バイクは狭く、大型バイクは広いです。ご自身のバイクのスイングアーム幅に対応しているメンテナンススタンドを選びましょう。また、メンテナンススタンドによっては、ピンやボルトを使って高さ調整ができる商品もあります。その場合、オイル交換のときは高め、タイヤ交換のときは低めなど調節することが可能です。加えて、車高の違うバイクを複数所有している方にもおすすめです(耐荷重に注意しましょう)。
リアスタンドの多くは、耐荷重200kg程度の商品が多いです。自身のバイクの重量がそれ以上ならば、より耐荷重の高いメンテナンススタンドを選ぶか、フロントスタンドと合わせて使用してください。ほかにもアタッチメントの有無やスプールの対応径、折りたたみできるかどうかといった違いもメンテナンスごとに異なりますよ。
おすすめのメンテナンススタンド【リアスタンド4選】
リアスタンドタイプのメンテナンススタンドのおすすめは以下の4つになります。初めてメンテナンススタンドを購入する方や、チェーン清掃だけできれば良いという方はリアスタンドがおすすめです。
ジェイトリップ(J-TRIP) ショートローラースタンド(Vウケ) ホワイト JT-127VWT メンテナンススタンド
ジェイトリップから販売されているショートタイプのリアスタンドです。有効幅は210mm~390mmです。車種によっても違いますが、リフトアップ時にタイヤの後端と同じぐらいになるように調整されています。そのため狭いスペースでもバイクを前後移動させることなく、メンテナンススタンドをかけられます。
さらに、コンパクトなため運搬車へ積載時や収納時に邪魔になりません。加えて足でメンテナンススタンドをかけるタイプのため、両手でバイクを支えていられるので安心です。

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デイトナ(Daytona) バイク用 メンテナンススタンド リア用
デイトナから販売されているリアスタンドです。対応スプール径はΦ14-18mmで、耐荷重は200kgです。L型とU型の2種類のアタッチメントに対応しているだけでなく、9段階の高さ調整ができます。有効幅は無段階で調整でき、L型は260mm~390mm、U型は260mm~410mmまで対応可能です。
加えて、新形状フレームと鋳造アームを採用することで剛性感があります。さらにリフトアップ時にはローラーが浮き、フレームが地面へつくことで作業時の安定感が向上しています。

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ダートフリーク(Dirtfreak) UNIT UNIT B2236 リヤスタンド
ダートフリークから販売されているリアスタンドです。耐荷重は200kgで、L型とU型の2種類のアタッチメントが標準装備されています。有効幅は無段階で調整でき、L型は270mm~390mmでオフセット時は220mm~345mmまで対応可能です。
対してU型は295mm~400mmで、オフセット時は255mm~360mmまでになります。高さは19mm間隔で、265mm~335mmまで5段階調整が可能です。そのため小型から大型バイクまで、幅広く対応できます。

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デイトナ(Daytona) バイク用 メンテナンススタンド リア用
こちらもデイトナから販売されているリアスタンドです。サイドスタンドと併用してリアタイヤを浮かせて、チェーンの清掃などを簡単におこなえます。
ほかにも、強風や地震などによる転倒防止にも使えます。ドライバーなどの工具が不要で、ハンドルを回すだけで高さが無段階で275mm~340mmまで調整可能です。加えて接地部分の可動範囲が広いため、多くの車種で高い安心感があります。
さらにストレートタイプのスイングアームのほか、スプール部分を利用したリフトアップにも対応しています。場所を取らないコンパクトさに加えて、ラウンド型やスパナで高さ調整ができるモデルもあるため、選択肢が豊富にあるのも魅力です。

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おすすめのメンテナンススタンド【ジャッキスタンド3選】
ジャッキスタンドタイプのメンテナンススタンドのおすすめは以下の3つになります。オフロード車や最低地上高が低いアメリカン、重量が重いバイクにおすすめです。
ディーアールシー(DRC) HC2リフトスタンド
DRCから販売されているオフロード車用ジャッキスタンドです。耐荷重は150kgと低めですが、無段階で高さ調整が可能な油圧ダンバーを使用しているメンテナンススタンドになります。高さは最低地上高250mm~350mmまで対応しており、幅広いオフロード車に対応可能です。
キックアームを2本にすることでリフトアップ時の揺れを抑えるだけでなく、天板にノンスリップ耐油性ラバーを採用することで、高い安定感を誇っています。さらに落下を未然に防ぐセーフティホールドフックの付属、天板の回転を防止するロックなど、多くの安全機構が取り入れられています。

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アストロプロダクツ モーターサイクルジャッキ MZJ01
アストロプロダクツから販売されているジャッキスタンドです。耐荷重は500kgまでで、ビッグスクーターやアメリカンにも対応しています。ホンダのGold Wingが車両重量391kg、HARLEY-DAVISONの2024 Ultra Limitedが416kgなので、ほとんどのバイクに使用できます。
アタッチメントなしで100mm~355mmまで高さ調整ができ、アタッチメントありならば180mm~460mmまで対応可能です。加えてハンドルやソケットを使って、ジャッキアップできるだけでなくラチェットなどを使用して早回しもできます。

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プロツールス(ProTOOLs) バイク モーターサイクルジャッキ ブラックシリーズ
プロツールスから販売されているジャッキスタンドで、耐荷重は499kgです。高さは最低が90mmで、アダプターなしならば400mmまで上げられます。標準アダプターありならば500mm、ロングアダプターありならば580mmです。
加えて、ジャッキが自然に下がったりすることを防止するための安全ストッパーが付いています。さらに取り外し可能なハンドルがついており、回転させるだけでジャッキアップできます。アタッチメントは高さと間隔が調整でき、カウルとマフラーなどを避けて使用できます。

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おすすめのメンテナンススタンド【リア&フロント兼用スタンド等3選】
リア&フロント兼用のメンテナンススタンドのおすすめは以下の2つです。チェーンの清掃など用途を限定すれば、これらの商品でも十分対応できます。さらに、最後にはフレームタイプのメンテナンススタンドも紹介しています。
デイトナ(Daytona) バイク用 メンテナンススタンド リア/フロント兼用
デイトナから販売されているリア&フロント兼用のメンテナンススタンドです。大型のメンテナンススタンドを使用しなくても、後輪を浮かせられるコンパクトタイプです。縦幅215mm☓横幅345mm☓高さ42mmなので収納場所に困りません。
耐荷重が200kgで、タイヤ幅はローラーの位置調整で10インチ~19インチまでの3段階で変更できます。加えてローターが回転することで、チェーンの清掃がスムーズにおこなえます。スタンド裏面とスロープに滑り止めのゴムが付いているので、バイクの乗り上げもズレることなく安心です。

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プロツールス(ProTOOLs) バイク用 ローラー式メンテナンススタンド
プロツールスから販売されているリア&フロント兼用のメンテナンススタンドです。チェーンの清掃に限らず洗車やパンク修理時にも使えます。ローラーが回転するので、都度バイクを動かす必要がありません。アルミニウム製で軽量なのに加えて、縦幅230mm☓横幅304mm☓高さ40mmのコンパクトなサイズです。

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ユニット C1010 フレームスタンド
ユニットから販売されているフレームタイプのメンテナンススタンドです。バイクの車体を吊り下げてメンテナンスをおこないます。ステアリング周りやフロントフォーク、リアサスペンションなどの整備におすすめです。耐荷重は180kgで、縦幅50cm☓横幅108cm☓高さ200cmが最大です。高さは170cm、180cm、190cmの3段階に調整できます。
こちらの商品は、単体使用は推奨されていません。必ずフロントスタンドやリアスタンド、センタースタンドなどと併用してください。

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メンテナンススタンドの使い方
メンテナンススタンドを使用する場合、怪我や事故などを防ぐためいくつかの注意点があります。作業にあたっては、以下の4つを事前に確認・あるいは行ってください。
- 作業を行うのが舗装されている平坦な地面か確認
- サイドスタンドがしっかりと出ているか確認
- ハンドルを目一杯左に切っておく
- フロントブレーキロックやタイラップなどを使用して、フロントブレーキをロック
ここまで済んだら、以下の手順ですすめましょう。
- 1 リアスタンドの受け具を適切な位置に合わせる
- 2 バイクの左側に立ち、左手でタンデムバーなどを持ち、車体を垂直に起こす
- 3 受け具がズレていないのを確認しながら、右手あるいは右足でメンテナンススタンドを押し込む
商品によっては先に垂直に起こしたあと、リアスタンドの受けを合わせる場合もあります。フロントスタンドも使う場合は転倒のリスクが高いので、慣れるまでは二人で作業するほうが安全です。外す場合はサイドスタンドが出ているのを確認したあと、メンテナンススタンドが動かないように足をストッパーにしながら、バイクをゆっくり前進させてください。
メンテナンススタンドの選び方とまとめ
メンテナンススタンドは、センタースタンドが付いていない近年のバイクを効率的に整備するには必需品といってもよいでしょう。チェーンの清掃は1ヶ月に1回程度行うことが推奨されていますが、その際にメンテナンススタンドがあるかないかで作業の楽さが段違いです。
メンテナンススタンドを選ぶ場合は、ショートタイプやロングタイプ、受けの形状に高さ調整機能など見るポイントが多くあります。適切なメンテナンススタンドを選ぶことが、作業効率の向上や安全性、ひいてはバイクの性能維持にもつながります。