ホンダのモトクロッサーCRF450/250Rが2025モデルでモデルチェンジ。AMAシリーズを席巻したローレンス兄弟と下田丈ら、ホンダファクトリーライダーのフィードバックが反映されているという

450も250も! 同時に新開発マシンが発表

オフロードレーサーの開発には、一定の法則がある。最初に450ccのモトクロッサーが発表され、2年目に250ccのモトクロッサー&450ccのクロスカントリーバイク(あるいはエンデューロバイク)、3年目に250ccのXC&EDがリリースされる、といったものだ。ほとんどのメーカーが、このサイクルを4年周期で回し、途中2年でマイナーチェンジを挟んだりすることもある。

ところが2025年のホンダの本気は、このモトクロッサーのリリースに顕れているようだ。このたび北米でモデルチェンジが発表されたのはCRF450RとCRF250R、そしてCRF450RXとCRF250RX。つまり、実質すべてのCRFシリーズが一斉に変更されたということになる。欧州のリリースには「メジャーアップデート」と書かれており、エンジンには大きな変更が無さそうだがフルモデルチェンジと表現して差し支えなさそうだ。

画像: 450も250も! 同時に新開発マシンが発表

USホンダの発表資料には広報担当アシスタントマネージャー、コリン・ミラー氏のコメントが書かれている。

「過去1年半にわたり、チームホンダHRCはAMAスーパークロスとAMAプロモトクロスで優位に立ってきました。その分野での進歩は、当社の量産CRFパフォーマンスモトクロッサーの開発に恩恵と貢献をもたらしてきました。2025年モデルでは、CRF450R、CRF450RWE、CRF250R、新型CRF250RWEがこれまで以上に高性能になり、これらの進歩はCRF450RXとCRF250RXクロスカントリーマシンにも引き継がれています。ジェット・ローレンスのAMAスーパークロスの王座獲得を祝い、AMAプロモトクロスのタイトル防衛前夜に、ファンやお客様とともに2025年モデルのダートバイクラインナップを発表できることを嬉しく思います。これらのモデルのアップデートとレースチームの重要な貢献により、ホンダのオフロードでの成功は今後も続くことでしょう」

細かい部分にまで手が入ったシャシー、エンジン

フラッグシップモデルのCRF450Rを見ると、モデルチェンジの内容が概観できる。リフレッシュされた外装は、どこか最近の流行であるレトロ路線にも見え、最新のCRFデザインスキームである縦配置のロゴが目立つもの。すでにこれまでのCRFシリーズで完成の域に達していた車体、エンジンは大きく変わった部分を探すのは困難だが、先述の通りローレンス兄弟のフィードバックを受けてシャシーの細部にまで手が入っているとのことだ。2024モデルを継承するのはわずか30%で、70%が新設計とのこと。再設計されたフロント ダウンチューブとスパーは、新しいピボット プレートと上部ショック マウントと組み合わされ、ねじり剛性が 8%、横剛性が 5% 向上。コーナリング特性がアップデートされている。合わせてSHOWAの49mmサスペンションもフルモデルチェンジされており、こちらにも期待がかかるところ。

新エンジンはピーク回転数を超えたレブ域までの出力や、中高回転でのトルク・加速力向上を目指したとのことだ。再設計されたクランクシャフトは、クランクピン周辺の剛性​​が向上し、慣性モーメントを改善することで高回転での耐久性を高めている。また、吸気はファンネルから直接的な経路でエンジンに引き込まれることで空気抵抗を削減、スロットル制御はよりリニアに、加速性能も向上。排気はヘッダーパイプと、よりまっすぐで滑らかな排気経路によって中域から高域の出力と加速力の両立を図っており、全体的に実戦向けのハイパワーマシンに仕上がっている様子。このエンジンについての発表は、450/250の言及が無く原則両方のエンジンに施されたアップデート内容であると読めるものだった。

これまでアメリカではCRF450/250RWEというファクトリーレプリカモデルも併売されてきたが、今年もこちらが同時発表。さらに欧州でも初めて導入されることがアナウンスされている。このRWEについては、エキゾーストパイプなどのスペシャルパーツ装着だけでなく、吸気・排気ポートは手仕上げで加工されており、マッピングもRWE専用のものを採用。まさに特別なファクトリーレプリカと言えそうだ。

アメリカではAMAモトクロスの開幕を明日に迎えており、この2025モデルの実車が開幕の地、FOXレースウェイでお披露目されるとのこと。

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