鈴鹿にザッと雨が…雪が…

全日本ロードレス開幕戦「NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4」は、きょう土曜日に公式予選、あす日曜に決勝レースを迎える……予定でしたが、朝から寒いながら晴れていた鈴鹿サーキットに、お昼ごろにひと雨きまして、それがタイミング的には雪まじり、という状況になってしまいました。

画像1: 鈴鹿にザッと雨が…雪が…

午後イチに行なわれた「フォーミュラ・リージョナル」の開幕戦レース1。スタート時刻になったころにひと雨が来てスタートディレイ。スタート時刻を遅らせて始まった決勝レースでは、2台、3台、4台とスピンが起こって、レースは大混乱。
このあと、雨や雪は上がって日差しも出てきたんですが、ライダー意見、主催者である鈴鹿サーキットの判断で、14時10分からスタートする予定だったJSB1000クラス開幕戦の公式予選が中止と決まってしまったのです。この時、ピットロード付近の路面温度は、日陰で5°を下回っていました。

画像: JSB1000クラスのデビューレースでポールポジション発信を決めた長島哲太

JSB1000クラスのデビューレースでポールポジション発信を決めた長島哲太

これにより、JSB1000クラスのスターティンググリッドは、昨日の4本の事前走行の結果がそのまま結果タイムとなり、このレースがJSB1000クラスのデビューレースだった長島哲太(DUNLOPレーシングチーム with YAHAGI)がポールポジションを獲得。予選2番手は水野涼(DUCATI Team KAGAYAMA)、3番手に岡本裕生(ヤマハファクトリーレーシングチーム)というフロントローの顔ぶれとなりました。

画像: 「低温が危険というなら、酷暑の真夏の8耐だって危険じゃないですか」と長島 きちんと準備をしてきたのに、という悔しさをにじませていました

「低温が危険というなら、酷暑の真夏の8耐だって危険じゃないですか」と長島 きちんと準備をしてきたのに、という悔しさをにじませていました

「予選が中止になったのは残念です。せっかくお客さんが来てくれて、公式予選が始まるのを待っててくれた人もいるのに中止なんて。この時期に開幕戦をやる、って決めた段階で、こういう風に気象条件が悪く、路面温度が低くなるのはわかっていたことなのに、それで中止なんて……。自分としては、ここまで全日本ロードレースで劣勢だったダンロップタイヤの開発をしてきて、この時期の路面温度にも対応できる準備をしてきたつもりなので、フリー走行の結果よりも、スッキリ予選をやってポールポジションを獲りたかったです」とは長島哲太。

中止になった経緯は「気象条件が悪く、ライダーが危険なために中止する」が主催者発表です。そこに、どう危険なんですか、だれがイヤだって言ってるんですか、という食い下がりは意味を持ちませんし、ライダーを危険にさらさない、という主催者判断は正しかったのだと思います。

画像: 新天地での初戦は2番手発進、の水野涼 昨日の走行を見ている限りでは、まだ全力ではない……気がします

新天地での初戦は2番手発進、の水野涼 昨日の走行を見ている限りでは、まだ全力ではない……気がします

ただ、この時期に開幕する、と決めたのも主催者。おそらく昨年の秋ごろには、この時期の開催が決まっていたでしょうし、いちばんキーになるタイヤメーカーも、このコンディションに備えて低温レンジのタイヤを用意していたはずなので、やはり中止という決定が残念なのです。
ダンロップもブリヂストンも参加している世界耐久選手権では、たとえば春先のル・マン24時間耐久の夜間走行なんて、もっと条件が悪くなるケースもあるんですから、もちろんタイヤメーカーはそれに対応するタイヤを用意していたようです。

画像: 4本目のフリー走行ではタイムアタックできないままだったという岡本裕生 優勝候補のひとり!

4本目のフリー走行ではタイムアタックできないままだったという岡本裕生 優勝候補のひとり!

それを、たとえば「EWCタイヤ」とすると、通常のJSB用に用意していた「JSBタイヤ」と、どちらを使うか、というのはチームとライダー判断。JSBタイヤのソフト側のタイヤの方がタイムは出る、けれどEWCタイヤの方が安全--その葛藤のなかで、どうする、どうすると迷いの時間帯で、主催者側がライダーの安全を考えて、という中止の判断をした、ということです。

正直言って、中止が決まったあの時間帯は、やればできる状況だったと思います。ライダー&チーム側も、そう判断するひとは少なくなかった。けれど、主催者の判断は尊重します。
「見てみろ、この状態ならできたじゃないか!」という声と
「ホラ、やっぱり転倒者が出てケガしちゃったじゃないか!」という声が半々ならば、中止の判断の方が正しい、と思いましょう。
中の人がレースを見始めた1980年代中盤、全日本ロードレースが年間15戦もあった時代には、3月開幕なんて、わりと普通のことでした。それでも、今は時代が違いますし、今のタイヤは当時よりもずっと温度依存が高く、根性論だけでは済ませられません。開幕戦・鈴鹿大会が寒い中で開催されて、第2戦・筑波大会が雪で中止になった、なんてこともありませんでしたっけね。

ただし長島が言うように「楽しみに来てくれたお客さんに申し訳ない」という意見もプロフェッショナルらしい発言だと思います。主催者の判断もプロの判断ですから、これはもう、決勝でいいレースを見せるしかないよね。

画像: 注目のひとり、ヨシムラの渥美心 24時間耐久を何度も経験しているヨシムラは低路面温度は想定済みですから、決勝がたのしみです

注目のひとり、ヨシムラの渥美心 24時間耐久を何度も経験しているヨシムラは低路面温度は想定済みですから、決勝がたのしみです 

公式予選が中止になったから、というわけではありませんが、急きょグランドスタンド前でライダートークショーが行なわれました。せめてものお楽しみに、というわけではないでしょうが、そこでもライダーたちは悔しさをにじませつつ、明日のレースを見ていて下さい、というしかありませんでした。

画像2: 鈴鹿にザッと雨が…雪が…

誰も幸せにはなりませんでしたが、だれも転びませんでした、だれもケガしませんでした。それがきょう土曜日の内容。ただ、主催者にお願いしたいのは、もう2度と3月初旬開催なんてバカなスケジュールは組まないでいただきたい、ということです。
あす日曜は、JSBのフリー走行が8時半スタート。きょう土曜の公式予選時刻と同じようなコンディションだったら、主催者はやっぱり中止の判断をするんでしょうか。

写真・文/中村浩史

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