例年にない早い開幕戦です

この週末は三重県・鈴鹿サーキットで全日本ロードレース開幕戦「NGKスパークプラグ 鈴鹿2&4」が行われます。
レース名でもわかる通り、2輪の全日本ロードレース・JSB1000クラスと、4輪のスーパーフォーミュラの同時開催。3月第1週という、例年にない早い開幕は、4輪のF1・日本グランプリが4月頭に開催される事もあって、その影響での前倒しにようです。
F1が春先に鈴鹿にやってくるのは、どうやら2024年がオリンピックイヤー、しかもパリオリンピックがあることで、その時期にヨーロッパで大規模スポーツイベントをやらない→東南アジアやオセアニアのスケジュールに日本開催を寄せよう、といった配慮なのか、それで2輪4輪とも日本選手権も前倒しになったようです。

画像: 日本最強スーパーバイク、ヤマハYZF-R1 速いライダーが強いマシンで唯一のワークスチームから参戦です

日本最強スーパーバイク、ヤマハYZF-R1 速いライダーが強いマシンで唯一のワークスチームから参戦です

3月初旬という、まだまだ寒くて路面温度も上がらない時期での開幕は、2輪にとっては厳しい条件です。ただでさえ表面カチカチで、たっぷり熱を入れてからでないとグリップしないJSBと
もなると、タイムが出ないというより、危ないことでもあります。
事実、2月下旬に行なわれた事前テストでは、柳川 明(KRP三洋工業&RS-ITO)、清成龍一(TOHOレーシング)といったメンバーが転倒して負傷、この開幕戦を欠場することが発表されています。そのほかにもたくさんの転倒者があったし、レースウィークの3/7(木曜)の走行でも関口太郎(SANMEIチームTAROプラスワン)らが転倒。まずはけがなく開幕を迎えてほしいところです。

さて、その全日本JSBですが、2024年はかなり役者がそろって、楽しみな戦いが展開されそうなシーズンです。V12チャンピオン、絶対王者こと中須賀克行は、23年ランキング2位の岡本裕生とのコンビでヤマハファクトリーレーシングから継続参戦。このふたり、マシン的な上積みは少ないものの、唯一のワークスチームにして、日本最強のペア。今年もこのふたりがチャンピオン争いの軸になっていくことは疑いようがありません。

画像: 今年はゼッケン4をつける名越 ホンダのエースのひとりとしてチャンピオンを狙います

今年はゼッケン4をつける名越 ホンダのエースのひとりとしてチャンピオンを狙います

対するホンダ勢といえば、トップチームであるSDGホンダレーシングから名越哲平がエントリー。さらにTOHOレーシングからは、今回は残念ながら欠場となる清成龍一に、開幕戦には渡辺一樹が初めてCBR1000RR-Rを走らせます。渡辺は、24年シーズンに世界耐久へのエントリーが予定されていて、純日本チームであるチームエトワールから、BMW M1000RRでエントリー。鈴鹿8耐はエトワールからは参戦しない、というので、国内のレースではTOHOレーシングからCBR、という形になるのかもしれませんね。
さらに日本郵便ホンダドリームTPから、JSBクラスに高橋巧が帰ってきます。そしてAstemoホンダドリームSIRから、野佐根航汰がエントリー。ご存じのように、野佐根はずっとヤマハ育ちで、21-22年はワールドスーバイク、23年には世界選手権Moto2クラスに参戦していましたが、日本復帰にあたってヤマハからホンダへのスイッチを果たしました。

画像: カラーリング一新、オートレース宇部の津田拓也車

カラーリング一新、オートレース宇部の津田拓也車

2022年いっぱいですべてのオフィシャルなレース活動から撤退したスズキ勢といえば、津田拓也が、引き続きオートレース宇部レーシングチームから参戦。スズキ本社からのサポートは望めない状況ではありますが、孤軍奮闘。鈴鹿8耐での活躍は素晴らしかった!
さらにこの開幕戦には、ヨシムラSERT MOTULから渥美心もエントリー。ヨシムラは24年、世界耐久が主戦場となるのですが、24年からヨシムラ入りを果たした渥美を走らせての、日本でのテストの意味での開幕戦参戦です。コンディションは違いすぎますが、もちろん鈴鹿8耐を見据えての参戦です。

画像: Astemoホンダからは野佐根(右)がフル参戦、ST1000のV3チャンピオン渡辺一馬が開幕戦にスポット参戦

Astemoホンダからは野佐根(右)がフル参戦、ST1000のV3チャンピオン渡辺一馬が開幕戦にスポット参戦

カワサキ勢は、開幕戦を欠場する柳川はフル参戦ではなく、開幕戦、鈴鹿8耐、最終戦MFJグランプリといった数レースにスポット参戦の予定で、フル参戦は同チームから佐野優人がひとりだけ。フル参戦のエントリーリストに、スズキとカワサキが1台ずつという、かなりさみしい状況ではありますね……。

画像: ついに日本デビュー!ドゥカティ パニガーレV4R ワークススペックです

ついに日本デビュー!ドゥカティ パニガーレV4R ワークススペックです

そして、今シーズンの注目といえば、ルーキーの2人!ひとりは水野 涼、もうひとりは長島哲太で、このふたりのどこがルーキーだ、と訝しがる向きもありましょうが、水野はホンダからドゥカティにマシンをスイッチして、長島は全日本JSBクラスに初参戦ということで、ルーキーとしたわけです。

長島は、言うまでもなく22-23年の鈴鹿8耐を連覇したライダー。23年までは本職はHRCのテストライダーでしたが、実戦を走るチャンスを、と新チームを結成して全日本JSBクラスにフル参戦します。新チームは「DUNLOPレーシングチームwithYAHAGI」で、チーム運営はJ-GP3のトップチームである7Cと、ST1000クラスに村瀬健琉を走らせるチームTKRが担当するようです。
注目は、チーム名にもなっている「DUNLOP」、つまりダンロップタイヤを履いての参戦ということ。言うまでもなく昨年までテストし、鈴鹿8耐に出場していたHRCはブリヂストンタイヤユーザーでしたが、その意味でも意外なチョイスですね。おそらくダンロップタイヤの開発をしながら、HRCでもテストを担当する--という形になるようです。8耐どーすんだろうね。

画像: 昨年までST1000を走っていた高橋巧がJSB復帰! 新たに参戦することでゼッケンは33です

昨年までST1000を走っていた高橋巧がJSB復帰! 新たに参戦することでゼッケンは33です

そして最大の注目が「黒船襲来」をキーワードに全日本JSBクラスに、ドゥカティ・パニガーレV4Rを投入するのがDUCATIチームカガヤマの水野涼。このパニガーレ、なんとドゥカティのワークススーパーバイクで、チームオーナーの加賀山就臣によると「23年チャンピオン、アルバロ・バウティスタのマシン」なのだそう。全日本JSB仕様へのモディファイもドゥカティ本社が担当、レースごとにテレメトリエンジニアも派遣されるようです。
世界でも類を見ない、ドゥカティワークスチーム以外へのワークスマシン貸与のいきさつについてはコチラ「https://www.autoby.jp/_ct/17684450」をご覧ください^^

画像: TONE Syncedge4413BMWからは21星野知也がフル参戦、開幕戦には37吉田愛乃助、38ジェデゲ・ゼカライヤ・クワミがスポット参戦です

TONE Syncedge4413BMWからは21星野知也がフル参戦、開幕戦には37吉田愛乃助、38ジェデゲ・ゼカライヤ・クワミがスポット参戦です

きょう3/8(金曜)も事前走行(4本)を消化して、あす3/9(土曜)に公式予選、3/10(日曜)に決勝レースが行なわれる開幕戦。チケット1枚で2輪も4輪もレースが見られるので、シーズンオープンにぜひ、鈴鹿へどーぞ! スーパーフォーミュラでは、史上最年少、しかも女性ドライバーのJujuちゃんのデビュー戦もありますよ!

写真・文/中村浩史

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