2024年ダカールラリーの山場であるステージ6は、初の試み「48Hクロノステージ」。マラソンステージをさらに過酷に、2日にまたがるスペシャルステージが始まった
燃料マネジメントとトップスピード、ライダー達を悩ませるジレンマ
ダカール初開催の「48時間クロノステージ」となるステージ6は、2日間にまたがって行われる。626kmものスペシャルステージで、スタートは朝8時、終了は夕方16時に設定されている。ビバーク用キャンプ地であるBPが8箇所設定されていて、16時を超えたらその時点で最も近いBPでストップし、2日目の朝にそこから再スタートする。BPにはテントと寝袋、サバイバルレベルの夕食と朝食、水が用意されているが、もちろんシャワーやトイレなどはない。あくまでスペシャルステージの途中で強制的に仮眠をとらせる、というスタイルだ。
さらにその舞台になっているのは、アラビア半島の1/3を占め、いまだ未開の地とも言われる砂漠地帯エンプティ・クォーターである。巨大な砂丘群を延々ナビゲーションしながら走り続けるという、ダカールらしい過酷なステージと言えるだろう。さらに開ければ開けるほど燃料の消費量が多くなる砂漠のステージでは、タイムを狙おうと飛ばすほどに残燃料が危うくなる。
この過酷さに苦しめられたのは、ホンダ勢であった。まずストップしたのはスカイラー・ハウズ。わずか39km地点でメカニカルトラブルでマシンを止めることに。ステージ5の勝者であるパブロ・キンタニラもステージ6を暫定3番手で通過し好調だったが、184km地点でメカトラブルを起こしストップ。キンタニラはガソリン補給地10km前でもガス欠を起こしており、1時間以上のタイムロスを喫してトップ争いから脱落してしまった。
トップ陣は513km地点のBP「F」までコマを進めてビバーク。2日目に残した距離はわずか109kmで、現在ステージトップ3はエイドリアン・ファンビバレン、リッキー・ブラベック、トビー・プライスの順。ボーナスポイントを狙って総合順位トップを再び狙うと思われたホセ・コルネホは、4分26秒のボーナスを得つつステージ9位。トップスタートのホアン・バレダは8分8秒のボーナスを得てステージ10位。トータルで勘案すると、おおよそ狙い通りの勝負になりつつあるといったところか。
池町佳生はBP Cまで到達、ステージ66位まで上昇
順調にダカールラリーを走っている池町佳生は3つめのBPであるBP Cまで到達することに成功。キャンプ地に入り、翌日のスタート順も発表されている。アフリカ時代のダカールで結果を残している経験値からか、エンプティ・クォーターに惑わされることなくステージ66番手までペースをアップした。
