スポット参戦の山本、完全優勝!

全日本ロードレース最終戦「MFJグランプリ」は、初日が終わりました。予報では夕方すぎに雨かも、なんて言われていたんですが、土曜日の決勝レースは、JSB100のレース1、JP250ともぎりぎり降り出す前のドライコンディションで行なわれまました。

サテ本誌が一方的に肩入れしているJP250クラスですが、昨日の公式予選まで、そしてチャンピオン争いの模様はコチラ<https://www.autoby.jp/_ct/17661200>にアゲてあります!

画像: 初日のスポーツ走行1回目から決勝レースまですべてトップの完全優勝を遂げた山本剛大

初日のスポーツ走行1回目から決勝レースまですべてトップの完全優勝を遂げた山本剛大

そしてきょう土曜日の公式予選では、やはりTEC2からの刺客・山本剛大(TEAM TEC2&YSS)がポールポジションを獲得。そのタイムも2分27秒654とコースレコードを更新するもので、2番手に国際ライセンスクラスの逆転チャンピオンを狙う千田俊輝(SDG N-PLANレーシング)、3番手には国内ライセンスクラスの野村唯人(SHINライディングサービス)が、これも国内クラスのコースレコードを更新してフロントローにつけました。
以下、国内ライセンスクラスチャンピオンを狙う高橋匠(bLU cLU Norick&NEXT PROJECT)、飯高新悟(キジマKISSレーシング)、久川鉄平(bLU cLU Webike team Norick)が2列目。3列目に中川 涼(TEAMパワークラフト+AK1TECH)、中沢寿寛(iファクトリー&Mガレージ)、桐石世奈(チャレンジFOXレーシング)がつけました。

画像: フル参戦の千田俊輝 2戦ノーポイントがありながら、最後はきちんとキメました!

フル参戦の千田俊輝 2戦ノーポイントがありながら、最後はきちんとキメました!

決勝レースは、土曜のラストレース。その前に行なわれたJSB1000クラスのレース1で、スタートごろにポツポツと降り始めた雨も、JP250クラスのスタート時刻になっても路面を濡らすまでにはいたらず、なんとかドライコンディションのままレースがスタートしました。

スタートで飛び出したのは千田。千田は予選を終わって、山本の上手さ速さを認めつつ「何とか山本さんについて行きたい、ついて行けます!」と語っていましたので、まずは先手必勝! しかし、すぐに山本も2コーナーをクリアしてS字入り口で千田のインをスパッと刺して先行! この「思ってもみないところで抜いてくる」のも速いライダーの条件です。
しかし、いいですねぇ、千田も負けていません。次の周の同じ場所、また先行していた千田が、今度はインをビシッと閉めて山本の先行を許しません。それも、きちんとクリーンにトップの座を死守。その後方に野村、高橋、久川がつけて5台のトップ集団が出来上がります。

画像: スタート直後のS字イッパツめ #95千田のインを#21山本が刺して先行!

スタート直後のS字イッパツめ #95千田のインを#21山本が刺して先行!

画像: 2周目の同じ地点では#95千田が#21山本をシャットアウト!

2周目の同じ地点では#95千田が#21山本をシャットアウト!

画像: トップ2台と3番手争いの距離感、3周目にはもうこんなかんじでした

トップ2台と3番手争いの距離感、3周目にはもうこんなかんじでした

この5台から、やはりタイムを持っている千田と山本が抜け出してきます。千田のマシンは旧型CBR250RRで、新型の山本に対して「ノーマルのギアレシオの違いで、特に2速、3速、4速あたりが山本さんのが速い。その分、5→6速がちょっと離れているので、6速に入れた瞬間から僕のマシンの方が伸びますね」と千田。山本の背後にベタベタにつけつつ、こんなことも考えて走っていたんですね。冷静だなー!

画像: 3番手争いは#26久川と#8野村の争い 久川が制して国内クラス初優勝!

3番手争いは#26久川と#8野村の争い 久川が制して国内クラス初優勝!

トップ争いは山本が前、千田がその背後のポジションで2台の争いとなり、3番手争いからは高橋が転倒で脱落! この瞬間、国内ライセンスクラスのシリーズチャンピオンは、この最終戦を欠場してIDEMITSUアジアタレントカップに出場している荻原羚大に決まりました! 荻原は欠場した2レースを除く4戦全勝でのチャンピオンですね。高橋、国内クラスの4位以内でフィニッシュすればOKだったのに、惜しいっ!

画像: 5番手争いはこの集団!それでも上位4台からは大きく離されてしまいます

5番手争いはこの集団!それでも上位4台からは大きく離されてしまいます

山本と千田のトップ争いが国際ライセンス同士、久川の野村の3番手争いが国内ライセンス同士の戦いとなり、この後方は間隔をあけての5番手争い。ここは田中啓介(bLU cLU GBSレーシング)、飯高、中沢、岩田凌吾(PLUS MOTO ITALTRANS)、中川、藤田武蔵(モトシークレーシングwith YAMATOkigata)、アクス・タイヨー(bLU cLU TEAM JPドッグファイトレーシング)ら7台くらいの大集団で、この辺がJP250の魅力ですね。世界選手権Moto3みたいなバチバチの戦いで、周回ごと、いいやコーナーごとに順位を入れ替えて走っていました。

8周と短い決勝レースは、このトップ争い2台、3位争い2台のフォーメーションで周回が進み、最終ラップのAstemoシケインで、千田が山本のインを刺したものの止まり切れずオーバーラン。千田もコースアウトは免れて、山本→千田の順でフィニッシュ! レースのベストラップは千田が獲りましたね。

画像: 最終ラップのシケイン、#21山本のインを刺した#95千田でしたが……止まり切れないぃぃ

最終ラップのシケイン、#21山本のインを刺した#95千田でしたが……止まり切れないぃぃ

3番手争いは、最終ラップのバックストレートで野村をかわした久川が先行し、久川→野村の順でフィニッシュ、ここが国内クラスの優勝→2位となりました。
国際クラスの3位=総合5位には大集団を制した田中、そこに続いた飯高が国内クラス3位表彰台を獲得したレースとなりました。

画像: 国際ライセンスクラス 左から2位の千田、優勝の山本、3位の田中

国際ライセンスクラス 左から2位の千田、優勝の山本、3位の田中

画像: 国内ライセンスクラス 左から2位の野村、優勝の久川、3位の飯高

国内ライセンスクラス 左から2位の野村、優勝の久川、3位の飯高

これでチャンピオン争いは、国内クラスが上に書いたように荻原、国際クラスはこのレースで2位に入った千田となりました。
初代アジア選手権AP250クラスチャンピオンの山本の前に、全力を出し切った千田が完敗、それでも最後までフェアでクリーンないいレースでした!

画像: 普通にやれば国内クラスチャンピオン獲れたのに…それでもスカラシップ獲得の高橋匠

普通にやれば国内クラスチャンピオン獲れたのに…それでもスカラシップ獲得の高橋匠

なお、今シーズンのエントラントで、ヤマハYZF-R3を使用するライダーの最高ランキングに贈られる「2024 bLU cLUヨーロッパR3カップ」スカラシップは、国内ライセンスのランキング3位を獲得した高橋 匠に決定しました。

画像1: スポット参戦の山本、完全優勝!

千田俊輝 2023 JP250国際ライセンスクラスチャンピオン
「山本さん、強かったです、上手かったです。持ちタイムで、やっぱり山本さんが前に行くだろうな、なんとかついて行くぞ、ってレースができたんですが、ずっと後ろについて、最終ラップのシケインで勝負を仕掛けようと思っていたんですが、最後の最後、それまでの周より奥まで突っ込んでいった山本さんを抜いた時にはもう止まれませんでした。あれ、その前の周までもう10mくらい早くブレーキングしてたの、最後の最後まで取っておいたんでしょうね。悔しいなぁ、してやられました! 今年は筑波とオートポリスのノーポイントがあったんですが、なんとか国際ライセンスクラスのチャンピオンになれました。悔しいけどうれしい、うれしいけど悔しい最終戦です!」

画像2: スポット参戦の山本、完全優勝!

久川鉄平 国内ライセンスクラス優勝
「予選までの走りで山本さんと千田さんが前を走るのはわかっていたので、僕は国内ライセンスクラス優勝を目指して走ったレースでした。序盤からうまくトップグループにつけて、最初は(高橋)匠くんが前にいたんですが、追いついて抜きかけたところで彼が転んでしまって、あとは野村さんと一騎打ちでした。しばらくポジション争いをしていて、僕の方がペースが遅かったので、野村さんを前に行かせて、ふたりでトップ2台に追いつこうとしていたんですが、そこまで迫れなかった。それで、コース後半では僕のペースもよかったので、最後に前に出る戦略にして、最終ラップのバックストレートで前に出て、国内ライセンスクラスで初優勝できました。今シーズン、ヤマハの育成チームでbLU cLUヨーロッパR3カップの日本代表を目指していたんですが、ノーポイントが2レースもあったらだめですね。来年も引き続き世界を目指して戦っていきます!」

画像3: スポット参戦の山本、完全優勝!

撮影/小縣清志 中村浩史 文責/中村浩史

This article is a sponsored article by
''.