JP250チャンピオン争いは!

全日本ロードレースは、この週末にとうとう最終戦を迎えます。
前戦・岡山大会で自身12度目のチャンピオンを決めた中須賀克行(ヤマハファクトリーレーシング)のJSB1000クラスのほかは、ST1000もST600も、J-GP3もこの最終戦で2023年のチャンピオンが決まります。

とはいえ、やっぱりWebオートバイはJP250クラスに肩入れしちゃいます。最終戦は「MFJグランプリ」と銘打ったレースで、ここまでのレースでポイントを獲得していないと出場できないんですが、そのワク外のJP250クラスはその縛りがなく、総出場台数40台! おそらく今までで一番賑やかなJP250のレースになりそうです。

ここまでの5戦を終わってのランキングは以下の通りです。ご存じの通り、JP250は国際ライセンス/国内ライセンスクラスの混走でクラス別表彰なので、シリーズチャンピオンが2人誕生します。

画像: 金曜フリー走行の走りだし 千田がいいですね、中沢も速い! 国際ライセンスのチャンピオン争いに注目!

金曜フリー走行の走りだし 千田がいいですね、中沢も速い! 国際ライセンスのチャンピオン争いに注目!

JP250クラスシリーズランキング(5戦終了時)
国際ライセンスクラス
①横江竜司 70P ②千田俊樹 66P ③中沢寿寛 61P 
④田中啓介 58P ⑤桐石世奈 52P ⑥小室 旭 49P
国内ライセンスクラス
①荻原羚大 100P ②高橋 匠 87P ③野村唯人 69P 
④飯高新悟 67P ⑤久川鉄平 52P ⑥池田雄介 51P

画像: フリー走行、いい位置につけている千田 逆転チャンピオン狙います!

フリー走行、いい位置につけている千田 逆転チャンピオン狙います!

画像: ベテラン中沢も好発進 千田の位置がターゲット

ベテラン中沢も好発進 千田の位置がターゲット

このうち、両クラスともランキングトップのライダーが、この最終戦に出場していないため、ちょっとチャンピオン争いが混とんとしています。
ちなみに国際ライセンスの横江は、最初から鈴鹿出場の予定がなく、国内ライセンスの荻原は、同じ日にインドネシアで行なわれているMotoGPインドネシアGPと併催されているIDEMITSUアジアタレントカップに出場しているため、出場ができません。

もちろん、横江/荻原のチャンピオンの可能性も大アリですが、両クラスともランキング2位以下のチャンピオン争い、となりそうな展開です。

画像: 練習用の黒カウルで走行した高橋匠 4位以上でチャンピオン確定の可能性、大きいです

練習用の黒カウルで走行した高橋匠 4位以上でチャンピオン確定の可能性、大きいです

国際ライセンスは、ランキング5位の桐石までがチャンピオンの可能性アリで、国内ライセンスは高橋が荻原を逆転できるか、という流れ。ちなみに「MFJグランプリボーナス」である、通常の獲得ポイント(1位:25P/2位:20P/3位:16p/4位:13P……)に+3ポイントのボーナスはJP250に加算されませんから、通常の獲得ポイントで争われます。

国際ライセンスはもう、優勝したひとがチャンピオン! とはいえ計算上では、桐石が優勝して千田以下が6位以下ならば桐石がチャンピオンで、千田は優勝すれば文句なし、中沢は優勝しても千田が2位に入ると86Pと同ポイントながら、優勝回数が多い千田がチャンピオン――という複雑な計算。千田は2位以上ならば、チャンピオン確定です。

国内ライセンスは、高橋が4位以上で荻原を逆転してのチャンピオン獲得。野村以下は優勝しても荻原のポイントに届きませんので、ランキング2位争いを目指すことになりますね。

突然の刺客!AP250初代王者、山本剛大!

画像: TEC2からエントリーの山本剛大 ついこの間まで西浦モータースパークでトリックスターレーシングのZX4Rマフラーのテストしてましたね

TEC2からエントリーの山本剛大 ついこの間まで西浦モータースパークでトリックスターレーシングのZX4Rマフラーのテストしてましたね

さて、横江と荻原の欠場でチャンピオン争いが混とんとしてきたJP250クラスですが、最終戦にびっくりする大物、参戦です。これまでも、スポット参戦で強豪を送り込んできたチャンピオンチーム・TEC2が、なんと山本剛大(たけひろ)を起用してきたのです。

山本は、このJP250の「本家」といえるアジア選手権AP250(アジア・プロダクション250)の初代チャンピオン! 日本でJP250がスタートしたばかりのころにも、スポット参戦で優勝をかっさらっていったこともあります。

「全日本に出場するのは、15年にアジア選手権AP250のチャンピオンになって、翌年にJP250がスタートした以来です。2016年にはスポットで2戦走って、その後18年に鈴鹿のアジア選手権にスポットで出て、2021年に、篠崎佐助くんとJP4耐に出て優勝しましたから、それ以来ですね。今はレースを少し離れて、鈴鹿のスクールで若手の指導をしています、TEC2のCBR250RRは、そのJP4耐で乗っているので初めてではないんですが、今回はきのうの走り始めからリアサスが決まらなくていい流れじゃなかったんです」とは30歳になった山本剛大。全日本のGP125にデビューしたのは15歳のころだったのにねー!(笑)

画像: 国際ライセンスクラス、チャンピオン狙いの千田俊輝!

国際ライセンスクラス、チャンピオン狙いの千田俊輝!

その山本、木曜午前/午後のスポーツ走行からトップタイムをマークし、きょう金曜の午前/午後でもトップタイムと、公式予選前の走行をスイープ! これが久しぶりにレースするライダーの走りか!って結果を出して見せました!

「ここのところも、JP250の様子はだいたい見てました。Webオートバイも見てましたよ(ありがとー!)。鈴鹿で若いライダーの指導をしているから、荻原くんとか注目して見ていました。若手のレースは見るようにしていましたしね。ひとまずスポット参戦なので、今日までに準備はちゃんとできた感じがします。ひっかきまわしますよー」(山本)

画像: 国内ライセンスクラス、チャンピオン候補の高橋匠 bLUcLU-ヤマハR3カップ日本代表の座も目前!

国内ライセンスクラス、チャンピオン候補の高橋匠 bLUcLU-ヤマハR3カップ日本代表の座も目前!

その山本を追うのは、野村唯人(SHINライディングサービス)、高橋 匠(bLUcLU Norick&NEXT PROJECT)、飯高新悟(キジマKISSレーシング)、久川鉄平(bLUcLU Webike team NORICK)らの国内ライセンスライダーと、千田俊樹(SDG N-PLAN Racing)、中沢寿寛(iファクトリー&M GARAGE)ら国際ライセンス勢。

レースはあす土曜日の午前に公式予選を行ない、午後に決勝レース。お天気は…夕方までは何とか持つんじゃないかな、って予報です。最終戦だもの、スカッとドライで走らせてあげたいです!

写真・文責/中村浩史

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