2023年のシーズンインを前に全日本モトクロス選手権のレース規則が変更されました。競技規則ってページ数も多いし、変更箇所がわかりづらくて確認するのも大変……なのですが、MFJから変更点がとてもわかりやすくまとめられたPDFがリリースされています! その中から特に大きな影響がありそうなところをピックアップしてみました。

画像: レディースクラスにシード権も。全日本モトクロス競技規則に改定アリ

黄旗(イエローフラッグ)の規則変更

レース中に転倒などによる危険な状況が発生した場合、コースマーシャルは黄旗を掲示(静止)、そして黄旗を振る(振動)することでライダーに状況を伝えています。転倒現場の少し手前に黄旗静止があり、直前に黄旗振動があります。これまではその黄旗静止から3つの制限「速度を大幅に減速し停止準備」「追い越し禁止」「大幅に減速してジャンプを通過(実質、ジャンプ禁止)」が適用されていたのですが、2023年ではこの適用区間が「黄旗振動〜現場を完全に通過するまで」に変更されます。つまり、「黄旗静止〜黄旗振動」までは適応範囲外となるということ。

ただし、黄旗静止を見逃してしまい、そのままの速度で制限区間に入ってしまうとペナルティはもちろん、二重事故の危険が出てきてしまいますので、十分な注意が必要ですね。

フィニッシュラインの解釈の変更

ゴールの瞬間を決めるフィニッシュラインについても変更がありました。これまでは人馬一体でフロントタイヤの先端がフィニッシュラインを通過となっていた文言がライダーの身体(装備を含む)がマシンに接触した状態で、フロントタイヤの先端がフィニッシュラインに到達と変更。つまり極端な話、バイクから落ちかけているような体勢であっても身体の一部がマシンに触れてさえいればゴールが認められる、ということ。

さらに自動計測による順位と実際の順位について差異がある場合は実際の順位が優先される。実際の順位とは、競技役員の目視及び競技運営団により撮影された映像により判定された順位を指すという追記。トランスポンダーより人の判断、ということですね。

レディースクラスにもシード権付与

さらにこれまではIA1クラス、IA2クラスのみに与えられていたシード権(予選で何かしらのトラブルがあって決勝進出順位に入れなかった場合でも決勝レースに出場できる権利)がレディースクラスにも適用されることになりました。対象はIA1、IA2と同じく第1戦は前年のランキング1〜5位のライダー、そして第2戦以降は前戦までの最新暫定ランキング1〜5位のライダーです。

また、これまでレディースクラスの予選通過の条件にはベストラップが同一予選組のトップタイムの150%以内であることでしたが、この数値が140%以内に変更。さらに2024年には125%以内になることも予告されています。予選通過は厳しくなりますが、安全なレース運営のための判断でしょう。さらに嘆願書による救済措置も明記されていますね。

他にもスタート方法やゼッケンプレートのサイズなどにおいて、細かい変更点がありますので、確認してみてくださいね。

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