こうして、あっという間に日曜日を迎えることになりました。8月7日(日)のスケジュールです↓

画像1: こうして、あっという間に日曜日を迎えることになりました。8月7日(日)のスケジュールです↓

いよいよ鈴鹿8耐の決勝日。

全日本ロードとは異なり、8耐のスタートはル・マン式です。マシンをグランドスタンド側に向けてコースに沿って予選順位順に一列に並べ、ライダーはコースの反対側からマシンに駆け寄ってスタートします。

AstemoHonda Dream SIRacingのスタートライダーは作本選手。私はだいぶ早くからスタートの姿勢を取っていた作本選手を見て、「気合い充分!」と感じていました。走り出した時に少しよろけてしまったのですが、後で伺ったらこの時「死ぬかと思った!!」そうです。やはり慣れないスタート方式は、選手にとっても大変なんですね。

それでも作本選手は1周目を5位で戻ってきたのですが…2周目に入ったところで転倒、前を走っていたSDG Honda Racingのライダーを巻き込んでしまいました。

この転倒の後すぐに、伊藤監督はSDG HondaRacingのピットに出向き謝罪されていました。そして「すみませんでした」と頭を下げながらピットに帰って来た作本選手に、いちばん最初に駆け寄ったのは一馬選手でした。まず第一声で「大丈夫か?」と声をかけ、肩を組んだ一馬選手。その声には、作本選手の身体を何より1番に心配する気持ちがこもっていたように思います。

後から小原さんに伺ったのですが、この時のバイクの損傷具合は「8時間耐久レースでなければ直さない」ほどだったそうです。

それでもバイクが帰ってきた途端に、ピットクルーの皆さんが一斉に集結。規定により決勝を走ったバイクのフレームは交換できないため、フレームの損傷具合が走行できる程度なのかを確認し、スペアバイクからパーツを移植、修復する作業が始まりました。

画像2: こうして、あっという間に日曜日を迎えることになりました。8月7日(日)のスケジュールです↓
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普段のレースでは、マシン1台を2人のメカニックさんが担当されていますが、この時はメカニックの方が全員総出で作業を進めていました。その中には、ECU担当エンジニアの初鹿野さんの姿も。いつもモニターの前で真剣に作業されている初鹿野さんが、メカニックのお仕事もできると知らなかったので、とても驚きました。

レース後にお話を伺ったところ、初鹿野さんは最初はライダーとしてレース活動を始め、その後二輪自動車整備士専門学校を経てメカニックとなり、海外レースへの帯同などの経験を積んだ上で、エンジニアに転職されたそうです。メカニックのお仕事は15年ぶりくらいだったそうですが、マシンが直ると信じて待つライダーに応えるためにも、必死だったとおっしゃっていました。作本選手に「直りますか?」と聞かれて「直すから大丈夫!」と返したそうですが、とてもかっこいいですよね。
それに初鹿野さんには、「絶対にここで終われない! 走らせたい!」という強い気持ちがあったそうです。というのも、今回の鈴鹿8耐に向けたマシンを作ることは日立Astemo社内でも特別なプロジェクトで、上司の方々に何度もプレゼンテーションを行い、やっとの想いで実現できたのだとか。開発に関わってくれた日立Astemo従業員の皆様の気持ちも背負って鈴鹿8耐に挑んでいる気持ちだったと教えてくれました。

画像: ECU担当エンジニアの初鹿野さん(真ん中)と、伊藤さん(右)。

ECU担当エンジニアの初鹿野さん(真ん中)と、伊藤さん(右)。

そして2時間後、チームの皆さんの力でついにマシンを修復することができ、一馬選手が再スタートを切りました! 暑さの中、必死の作業を続けていた皆さんはもう“漢の汗”をたくさんかかれていましたが、私にはその汗がキラキラして見えるくらい感動しました。再スタート後のライダーの皆さんもとても速く、スタートから8時間後の19時30分に、37位で無事チェッカーを受けることがでました。

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ゴールと同時に花火が上がり、ピットロードではライダーとハイタッチができて、本当に嬉しくてはしゃいでしまいました。 夜間走行になると観客の皆様のペンライトで光るグランドスタンド席は、ピットから見ると観覧車のライトと相まってとっても綺麗で…あの光景は、私の最高の夏休みの想い出です。この瞬間の喜びを、Astemo Honda Dream SI Racingの皆さんと一緒に分かち合えて本当に幸せでした!

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レース終了後、ライダーの3選手にもお話を伺うことができました。
一馬選手には、転倒後の作本選手にかけた言葉についてをまず伺いました。一馬選手は「あんな速度で転倒した場合、たとえ歩けたとしてもどこか痛めていることがあるので、まず身体を心配した」そうです。転倒の時点でまだまだ7時間以上レースがあったため、この後2人で走るか、3人で走るかも考慮しなければならず、どうやって走り切るか、どうチームの士気を上げていくかを考えていた、とも。そして何より「ライダーとして、チームの皆さんやファンの皆様にチェッカーを受ける姿を見せなければならない。そういう想いで走っていました」とおっしゃっていました。
転倒については「抜かそうとして転倒してしまったのは仕方ないこと。ライダーとして気持ちは理解できるし、8耐では何が起こるか分からない」と一馬選手。転倒した後はチームの皆さんが完璧にバイクを修復してくれたので、思いっきり楽しく走ることができたそうです!

画像: 渡辺一馬選手と。

渡辺一馬選手と。

そしていつも楽しそうで、ピットウォークの時も優しくお話してくださった羽田太河選手。走り出す時は堂々とした姿でピットから出ていき、走り終わって帰ってくる時も、いつも笑顔でとても明るい選手です。大河選手はレースも終盤に入った17時30分頃に、今回の鈴鹿8耐での最高時速331.47キロを出し、チームの皆さんも「速すぎる!」と目を丸くしながら拍手で喜んでいました。

それに、レース後のエンジニアさんへのコメントに思わず笑ってしまったのは、大河選手が初めてでした(笑)。1スティントを走り終えてピットに帰ってきて、「予選落ちかけて、最高速度出して…この8耐は人生で初めてのことばかりですっっ!!」と、白い歯を見せながら笑顔で皆さんに話している姿に、私まで嬉しくなり、笑顔になってしまいました。ちなみに、チェッカーを受けた一馬選手の飲み物とタオルを1番に持っていったのは、大河選手だったんですよ。

画像: 羽田太河選手です。

羽田太河選手です。

最後に作本選手は、レース中とても悔しい想いと申し訳ない気持ちでいっぱいだったそうです。しかし大きな転倒をしたのにも関わらず、最後まで走り切り、チームを信頼してる作本選手はさすがだなぁと私は思いました。8耐終了後、伊藤監督は作本選手のことをあらためて「世界で活躍できる選手である」とおっしゃっていましたし、作本選手も全日本ロードレース後半戦に向けて、気合ばっちりに気持ちを切り替えていたように思います。

画像: 真ん中が作本選手です。

真ん中が作本選手です。

本当に長いレポートになってしまいましたが、最後までご覧いただきありがとうございます。
初めての鈴鹿8耐では、ライダーの方達は関わってくださった皆様全員の想いを乗せて走っていること、そしてチームがチェッカーを受けることの大切さを痛感しました。そして丸3日間も、おもしろくて優しいチームの皆さんと一緒に過ごすことができて、とても幸せでした(^^)

また、金曜日からたくさんの方がピットウォークに来てくださり、Astemo Honda Dream SI Racingのピットに立ち寄り、お写真を撮ってくださり本当にありがとうございました。皆様の笑顔を拝見して、私も自然と笑顔が溢れてしまいました。

そしてレース取材とイベントへの出演でお忙しい中、ピットに励ましに来てくださったwebオートバイ女子部の梅本まどかさんとRurikoさんもありがとうございます。全日本ロードレース第4戦で “るりるりコンビ”を結成してくださったRurikoさんは、ピットウォークでも会いに来てくださって、とっても嬉しかったです。

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webオートバイを通じて、全日本ロードレース初戦から未熟な私のレポートを見守ってくださる皆様にも、いつかサーキットやピットウォークでお会いできたら、とても嬉しく思います。
Astemo Honda Dream SI Racingは「チームワークが良くて、レースへの熱い想いを持ち、最後まで諦めずに走り続ける」最高のチームです。
ぜひ、これからもAstemo Honda Dream SI Racingの応援を宜しくお願い致します。

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