早速ですが、私はレースを全く知りません。今年に入ってYouTubeで全日本ロードレースを見るようになったばかり、今まで観たレースは「テイスト・オブ・ツクバ」のみ。
そんな私が6月4、5日に宮城県のスポーツランドSUGOで行なわれた全日本ロードレースにお邪魔しました。
今回はあくまで超初心者目線でレースの紹介をしようと思います。1人でもレースに興味が出る人がいますように!
「全日本ロードレース」って何?
そもそもまず全日本ロードレースが何か知りませんでした・・・(失礼)
クラスも沢山あるし、何がなんなのか!? 私なりに勉強も兼ねて簡単にまとめてみます。
クラスが沢山あるけど、何が違うの?
【JSB1000】
国内外のリッタースポーツバイクをベースに、レース向けにカスタムされた車両、国内最高峰のクラス。
【ST1000】
JSB1000同様に国内外のリッタースポーツバイク、JSBと違うのはカスタムの制限があり、より市販車に近い状態なので車両が重かったりライダーの腕が試されるそう。
【ST600】
国内メーカーで4気筒は401cc~600cc、2気筒は600cc~750ccの排気量で改造範囲が狭くタイヤも溝付きでブリジストンのスポーツタイヤを使っている事から、より市販車に一番近いクラスと言われている。
【J-GP3】
4ストローク250cc単気筒レーサーでレース専用車、コーナーリング時のスピードなど小排気量ならではのテクニックが要求されるクラス。
レースを見ているだけだと、そのクラスに何の制限があるのか全く知りませんでしたが、クラスによって色々な決まりがあるのに驚きました。
ポイントってなんだろう?
YouTubeなどを見ているとポイント表が出てきてなんだろう?と思っていましたが、「全日本選手権ポイント」という制度があり順位によってポイント加算が変わり、よりポイント数を獲得して年間チャンピオンを目指しているそうです。
人によってマシンのゼッケンカラーが違う?
同クラス内でもゼッケンカラーが違うんです!これは私のような初心者でも「速い人」を見分けられるように前年10位以内のトップランカーにはクラス問わず赤いゼッケンが。私のように知識が全く無くても「あ! あの人は速い人なんだ! すごい!!」と見て分かるのは嬉しいです。
レースの裏側は色んな空気感
レースというとやはりライダーに目が行きます!というかライダーしか見てませんでした。ライダーはもちろん凄いです。カッコいいです! 人間離れしているなと思います(褒め言葉)
そのライダーの力を100%発揮できるように、マシンの性能を発揮できるように色々な事が行なわれているのがレースチーム! 今回は伊藤真一監督率いるAstemo Honda Dream SI Racingさんにお邪魔させて頂き、色々なお話を聞かせて貰いました!
Astemo Honda Dream SI Racingさんのチームスタッフは約20名。走行後にチームの方がライダーにバイクの状態を聞き、サスペンション・ブレーキ・エンジン等のそれぞれ担当のメカニックさんがセッティングされているそうです。
初めてピットの中に入り、目の前でレース車両をマジマジと見てみると色んな驚きが。
JSB1000、ST1000のマシンのタイヤはツルツルで驚き、タンクの上には見たことのない形の給油口、ハンドルまわりには沢山のボタン。これがレース用マシンなのかと気になる所を質問して教えて頂きました。
SUGOのコースは坂が凄い!
宮城県にあるスポーツランドSUGOは緑に囲まれたとても景色が綺麗なサーキットです。こちらも初めて行ったサーキットでしたが、何より驚いたのはコースのアップダウンが激しい! 私はアップダウンがあるサーキットは苦手なので、ここを走るの怖いな・・・
特に最終コーナー後のメインストレートにかけては先が見えない程の坂、Astemo Honda Dream SI Racing作本選手、渡辺一馬選手にここの坂は何か特別な走行をしているのですか?と質問させて頂きましたが、リアブレーキを使ったりマシンのウイリーコントロールをうまく調節しながら走行しているそうです。あの一瞬で色んな操作をしているのかと思うと凄いですよね。
そしてAstemo Honda Dream SI Racingさんにとって、SUGOは地元開催! 伊藤監督にとっても特別な思いがあったそうです。ムクラダ選手はワクワクしているとの事でした。
2日間で全く違う空気感に。
レースは土日で開催されていますが、大体の流れは公式予選→決勝という流れでした。予選では決勝でのグリット(スタートする位置)を決める為にタイムを競い合います。
レース1(土曜日)
土曜日のST1000予選では渡辺一馬選手がグングンとタイムを更新! 圧倒的な速さで予選1位ポールポジション獲得!(ポールポジションは一番前のポジション)
その後、一馬選手に予選ではここだ!と決めた所で狙いに行くのか質問させて頂きましたが、前後の車両のない所だったり、自分が気持ちよく走れるタイミングで狙いにいくそうです。確かに予選中ずっと集中しているのも大変な事ですもんね・・・
ポールポジションでのプレッシャーはないそうです。ポールポジションをとっても決勝で1位にならなければ意味がないとの事・・・かっけえ。
JSB1000の作本選手はレース1の決勝で3位入賞! チームとしても今シーズン初の表彰台! ピットの中は一気に歓喜な雰囲気に。みんなで喜んでいる姿を見て、私も自然と笑顔になってしまいます。
表彰台では1位のYAMAHA FACTORY RACING TEAMの中須賀選手、2位岡本選手と並びシャンパンファイトをされている姿を見ていましたが、作本選手は終始クールな表情でした。後々お話を聞いた時は、嬉しい気持ちより悔しい気持ちの方が大きかったそうです。その後ピットに戻られた後は笑顔でチームの方とお話されていました。
ST600のムクラダ選手はレース1でグングンと順位を上げて最終的に5位! ムクラダ選手は走り出す前にお祈りをされている姿が印象的でした。お祈りはムクラダ選手のルーティンで、安全第一をお祈りしているそうです! 走行されている姿もカッコよかったですが、お祈り姿もカッコよかったです。。。
レース2(日曜日)
日曜日は色々な事が起きました。
ST1000では1コーナーで多重クラッシュが起き赤旗中断、ちょうど見える位置で観戦していたので思わず「あああああ!!」と声が出てしまいました。
ST600ではムクラダ選手を応援すべく、特別にグリッドまで行かせて頂きました! グリッドから見える景色は格別で選手の後ろ姿がとてもカッコよかったです。開始前にはタイ語で「頑張って!」の意味の「すー!すー!」と声をかけてピットに戻り観戦。しかしその後複数台転倒があり赤旗中断、しばらく状況が分からず、続々とピットに戻ってくるライダーがいるなかでムクラダ選手が帰ってこず、ピットの雰囲気は急変。傷ついた車両のみ帰って来ましたが、転倒で怪我をされてしまったそうです。怪我がとても心配です。
土日で全く違う雰囲気となり、これが何が起きるか分からないレースなのかと改めて実感しました。
レース以外の見どころ
出店ブース
国内メーカーブースでは車両の展示や、Hondaブースではカフェのようなスペースや選手の写真、トークショーなどイベントも開催されておりました! 推しの選手がいたら一緒に写真撮れるので嬉しいですよね♪ 日本郵便さんではレースマシンに跨って写真OKだったり、ファミリーでも楽しめそうな内容! またパーツブースでは頑丈なスタンドの展示だったり、アパレルブースでは訳あり商品がお得に販売されていたりしました。
ピットウォーク&ギャルオンステージ
やっぱりレースというとレースクイーン! 華やかな女性が沢山いると、自然と写真を撮ってしまいますよね・・・お昼頃の時間ではピットビューイングと言われるピットレーンを歩きながら各チーム前を見ることができます! そこではレースクイーンの方が立たれているので、写真を沢山撮る事が出来ました♪ そしていつも映像などでみた事のあるピット内の様子が肉眼で見れるのも凄く感動しました。
ギャルオンステージではレースクイーンの方がチームの紹介をするコーナーがあります!
普段あまり聞けない声まで聞けたり、フォトセッションコーナーもあるので楽しいです^^
選手が見れるかも!?
チケットによりますが、パドックパスがあればピットの近くまで歩いていく事が出来ます。チームの裏側が少し見えたり、選手のツナギが吊るされていたり、もしかしたら選手が歩いている姿が見られるかもしれません! 応援している選手が見れたら凄く嬉しいですよね^^
YOSHIMURA SUZUKI RIDEWIN 渡辺一樹選手のパドックにお邪魔した際に、「マシン跨って写真撮りましょ〜」と、神の一声を頂き記念撮影させて頂きました・・・。震えました。
初のレース観戦を終えて
私はレースに興味を持ったのが今年の初めです。それまではバイクは好きだけど自分が走る事にしか興味がなく「レース」の「レ」の字も頭にありませんでした。(ごめんなさい)
だからこそレース場にわざわざ行って、高いお金を払って見なくてもYouTubeで無料で見られるから良いや〜としか思ってなかったんです。正直そういう方、多いと思います。だって暑い、寒いって思いをしなくても快適な部屋で見られるし、YouTubeの方がトップ争いずっと見れますから!
でもね。
目の前を走り抜ける選手たち、駆け抜けた後のガソリンの匂い、心臓に刺さるエンジン音、観客の一体感・・・これはYouTubeでは楽しめないポイントでした。むしろそれだけで良い。
その日の接戦を目の前で見られる喜び、良くも悪くも会場で起きたトラブルを目の前で見る・・・会場の緊張感を味わえるのも、その場に行ったからこそですよね。
また近くで開催される時にプライベートでも観にいきたいです! 観に行くときは日焼け対策・防寒対策・椅子が必要なのも良く分かりました!w
最後に、この日撮影・取材にご協力いただいたAstemo Honda Dream SI Racingの皆さん、貴重な経験をさせて頂き本当に有難うございました!!