加賀:いや、ターンナップはウィップの入りに似ていますね。ウィップは身体を下に落とし込むんですが、ターンナップの場合はフロントタイヤを上げて、身体は進行方向に、つまり着地側に飛んでいくようなイメージですね。言葉にすると難しいですねぇ…

画像: 元々はレーシングライダーのキレが見所だったベストウィップ

稲垣:スタイルと、角度、そして大きさを競う感じですかね。

加賀:ネット投票まであった時代もありましたね。ジャッジの基準は正確にはわかんないですけど、やっぱり角度と滞空時間と、インパクトは大事ですね。インパクトが大きいひねりの場合は、戻すタイミングをギリギリまで引っ張っているんですね。ピークの時間が長いわけです。ちなみに、2ストより4ストのほうが、加速ゆっくりでキッカーから爆発的なパワーで出てくるので、滞空時間が長くとれる気がしますね。微妙な差ですけど、4ストは高さが出ますからね。

稲垣:高さが出た方が良いんですよね? レースみたいに低いスクラブってのもカッコイイ気がしますけど。

加賀:そうですね。高さが出ないと、難しいです。スクラブは…いないですね笑 ナイトロサーカスで、特別なキッカーをつかう映像がありますよね。ジェラルド・マックニールっていうライダーが、バックフリップみたいなウィップしている映像とかあるんですけど、そういうのは上にあがる特殊なキッカーで、ものすごく長い滞空時間をつくれるからできるんですよね。

画像: 今週末も来日、ベストウィップに登場するタイラー・ベアマン。身体が完全にバイクの真下。やっぱり説明されても物理的に理解不可能 Chris Tedesco / Red Bull Content Pool

今週末も来日、ベストウィップに登場するタイラー・ベアマン。身体が完全にバイクの真下。やっぱり説明されても物理的に理解不可能 Chris Tedesco / Red Bull Content Pool

稲垣:そこまでいって、どうやってひねり戻すんですか? そもそも物理的に、ウィップってどうやってもどってるのかわからないんですけど…

加賀;キッカーを飛び出して重力に逆らって飛んでいきますよね、で、頂上のポイントから重力で落ちるか落ちないか、その絶妙なタイミングって、バイクを空中で自由に動かせるんですよ。フリーになってるんです。モトクロスのジャンプだと、その時間はすごく短いから、ほぼ動かせないっていう理屈です。

画像: 渡辺元樹、2021年のXGAMESより Photo by Phil Ellsworth / ESPN Images

渡辺元樹、2021年のXGAMESより Photo by Phil Ellsworth / ESPN Images

稲垣:つまりライダーたちは、戻せるギリギリのところを狙って、タメの時間を作っていると。戻さなかったらどうなるんですか? こけちゃう?

加賀:それはコークスクリューになっちゃうんで、ウィップじゃないですよ!笑 戻すことがウィップのポイントです。真下以上にまわっちゃうと、たぶん戻せません笑

画像: 東野貴行、渡辺元樹、そして昨年IBチャンピオンの鈴木龍星がベストウィップに出場!

東野貴行、渡辺元樹、そして昨年IBチャンピオンの鈴木龍星がベストウィップに出場!

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