あれは約3年前、2018年11月18日のことだった。群馬県日野カントリーオフロードランドで開催された日野ハードエンデューロ(G-NET2018最終戦)の、今ではもう使われていないG-NET最終セクション「Finish Hill」(現在の「ヤブ坂」の隣あたり)の頂上で、高橋博と山本礼人による壮絶なチャンピオン争いがあった。最後の坂を先に登った方がチャンピオンというシーンだ。結局、その戦いは高橋博が制し、2020年怪我により欠場するまで、高橋の黄金時代は続いた。

原田、大塚、自己最高位。新時代到来か!?

画像1: 原田、大塚、自己最高位。新時代到来か!?

2位の原田は「最初マシン止まっちゃって、ほぼ最後尾スタートだったんです。ハードクラスの渋滞にも巻き込まれたんですけど、BOCヒルあたりでトップ集団の後ろの方に追いつけて。エムスリーでうまく抜けることができて、2位に入ることができました。

初めて表彰台に乗れてテンション上がっちゃってるんですけど、2018年に一緒に海外に行ったアヤト(山本)と一緒に表彰台に乗って、しかもアヤトはチャンピオンということで、最高です。僕は23歳からバイクを始めていて、今年からはIRC様でタイヤのサポートをいただくことができて、ちゃんと成績が残せています。こんな競技ってなかなかないと思うので、皆さんも一緒に頑張っていきましょう」と語った。

山本も「コータくん(原田)が2位はほんと嬉しいですね! 僕が26歳でコータくんが29歳で、その2人がケンジさんとロッシさんを抑えてワンツーなんですよ。これはいよいよ若手の時代が来ましたね!」と喜びを分かち合った。

画像2: 原田、大塚、自己最高位。新時代到来か!?

トライアルIA出身の大塚は現在50歳。仕事が忙しくなって競技を引退してから、ハードエンデューロに出始めたのはここ1年半ほどの話だ。

「もう20年くらい前ですかね。ロッシとほとんど同期なんです。仕事が忙しくなっちゃって、トライアルはIAに上がってから3年くらいしか出てないんですよ。それからは年に2〜3回トラ車に乗るくらいだったのですが、ようやく仕事も少し落ち着いてきて、ちょっと刺激のあるバイクに乗りたいなと思ってハードエンデューロを始めたんです。

最近は走り方がだいぶわかってきまして、とにかく渋滞に捕まらず、先頭で走れれば前で走れますね。今日はワイヤーマウンテンの手前では7番手くらいにいたんですけど、あそこでトップに立てたので、だいぶ楽でした。1回目ダメだったので下からラインをもう一回見直して、2回目のアタックでしたね。次は先頭で走った亀山が、ラインが全くなくて難しかったです。エムスリーでは体力の限界でした。やっと表彰台に乗ることができて、本当に嬉しいです」

画像3: 原田、大塚、自己最高位。新時代到来か!?

「ほとんど運みたいなもので、(エムスリーでは)みんなに引っ張り上げてもらって。ああいうのは終わり方が難しいですね。チャンピオンのタイスケくん(水上)が『行ってくれ』と男前なことを言ってくれたので『じゃ!』ということで。4位以降は、性格の悪い順に並んでいます」と真面目な顔で面白いことを言うのが佐々木のキャラだ。

画像4: 原田、大塚、自己最高位。新時代到来か!?

「僕はエムスリーに着いたときは9番手くらいだったらしいのですが、あそこでなんとか上まで上がれたので、前でゴールできました。エムスリーで順位が決まった感じなんですけど、全体的にすごく面白いコースでした。引き上げてもらったみなさんに感謝しています」と三輪。

三輪は現在31歳。「広島が終わった時点でG-NETランキングは9位なので、今回の5位でもう少し上になるはず、来年は黒ゼッケンじゃないですか」という話をしていたら周りから「じゃあウェア買ってやらなきゃ」「俺は外装くらい買ってやるか」と仲間から嬉しそうな声が飛んできた。

画像5: 原田、大塚、自己最高位。新時代到来か!?

「惨敗です。すごくいいコースで大変でした。次も頑張ります」と鈴木。「一番楽しかったのはどこですか?」という質問に対しては「いや、全部楽しかったですよ? あそこだけがちょっとね。あそこだけなければおそらく俺が勝ってたと思うんですけどね。まぁ結果は結果なんで、修行してきます」と笑いをとった。また、新型のYZ125については「(新しいYZ125)登るでしょ? 軽いし、全然登りますよ。これを証明できてよかったです。時間なくて何もできなかったんですけど、リアサスで3cmだけローダウンして、スプロケットはフロントを13から12へ、リアを49から50へかえてきました。これが来年か再来年にYZ125Xとして出せるなら、面白く乗ってもらえると思いますよ」とのこと。

画像6: 原田、大塚、自己最高位。新時代到来か!?

「最初のワイヤーマウンテンの下の方で引っかかって、日差しが眩しくて、そこに1時間くらい滞在してしまいました。最後のエムスリーでは、僕が普段参加しているロードレースとは全く違っていて、ライダー同士が助け合っていて、上がっていった順で誰も文句も言わないで平和で、だけど競技性もあって、すごく面白い競技だな、と再認識しました。今後もトレーニングの一環としてロードレースからオフロードにライダーを連れてきたいと思っていますので、一緒にモータースポーツを盛り上げていきましょう」と濱原。

MCの鈴木里美さんが「トレーニングの一環になりましたか?」と質問すると「そうですね。8耐とかで鈴鹿の裏ストレートでガス欠になったら押さないといけないので」と笑いもとった。

G-NETは次戦、12月5日に四国で最終戦となる特別選抜戦が開催される。こちらはランキング上位20名だけを招待して行われる特殊なレースだが、日本人唯一のエルズベルグフィニッシャー・田中太一もマーシャルとして出走予定の注目の一戦だ。

This article is a sponsored article by
''.