日本人初のスーパークロス2位達成という偉業を成し遂げた下田丈は、淡々と言う。「今回は、結構よかったと思います。ちゃんとしたポディウムがとれたので」。だが、特別な思いはなかったという。日本のファンが思っている以上に、この2位は下田丈にとっての“通過点”なのかもしれない。

画像1: PHOTO/FELD Entertainment

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6戦をかけてあがってきたペース

開幕当初、下田のラップタイムはクリスチャン・クレイグら優勝するメンバーと2秒弱のラップタイムでの差があったが、この2戦ほど1秒以内におさまるようになってきた。たとえば「チームが撮影したビデオを繰り返しみて、ラインを研究したり、他の人のパッシングを研究したり」しているという。このRd.6では「フィニッシュ前のリズムセクションを2-2-2なのか、2-3-1なのか。あと、フープス後のコーナーでアウト側か、イン側か…そんなところを見ていました」と下田。ヒートレースで見せた幻のごぼう抜き、ファイナルラップでオルデンバーグとジェットをパスし、その後転倒してしまったところは、入念に仕立てられた作戦だったのだ。「あのアウト側は、速かったとおもいますよ」と。

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実戦で蓄えられていく経験値は、ケガ無く安定しているから100%貯まっていき、着実に一歩ずつシーズン中に成長していく。前述したとおり、ペースも上がっている。下田の強い所以は、ここにあるのだろう。もしかすると、この太いレース生活が、タイトルにつながっていくのかもしれない。

ともかく、RJ・ハンプシャー、オースティン・フォークナーらトップ陣が脱落していくサバイバル戦のなかで、下田は生き残ってきた。「あと3戦で、24ポイント。チャンピオンシップの目も出てくる可能性がある」と下田は言う。クレイグ、ニコルズのどちらかに何かがあれば、当然意識せざるを得ないだろう。あまりに、早い展開だ。

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