「3位に一度入れれば、自分でもできるっていうのがわかると思うんですよ」と下田丈は言う。ここ3戦、ヒューストンで4-5-4位。決してその結果は悲観すべきものではないけれど、“ポディウム登壇”という越えるべき壁がすぐ近くにあることを、下田本人はわかっていた。
荒れたRd.3を振り返る…、スタートは上々だった
開幕戦から、2戦までアガリ調子で乗れてきていると自己評価する下田は、このRd.3も内容自体は悪くないと言う。「だいたい、開幕の自信が70%くらいとすれば、いまは90%くらい。課題はあるけど、一番乗れてはいたと思います」と下田。懸念であるスタートについても「きちんと出れたけど、直後のリズムセクションで飛べなかったマックス・ボーランドに接触してしまい、振られてしまったんです」とのこと。
写真を見なおしてみても、たしかに3番手あたりでの立ち上がりを狙える位置で、1コーナーを曲がっている。元気のいいボーランドのミスに巻き込まれたのは、不運といえる。宿敵であり、隣のグリッドでスタートしたジェット・ローレンスとも1馬身ほど離れている。ただただ、ヤマハのトップ2が今回はとても調子がよかったことが、スタートからもよくわかる。
スタート後の駆け引きが響き、開幕から目の上のコブであったマイケル・モシマンが、4番手で逃げてしまい、またも長いリードを追いかける展開に。相手の距離が見えないことにたいして下田は「まぁ、辛いですけど、ペースをあげて追うしかない」と。前半、しかし下田は自己評価も高くペースを上げて走ることができた。昨年から、前半のペースは課題だったから、ひとつ階段を乗り越えたと言えるのかもしれない。下田はこのことに、かなり自信をつけたようだった。