「ライディングとしては、ラウンド2のほうがよかった」
当然ながら、我らが下田もそのテストに参加。2日後のラウンド3に向けて調整を図った。
「ヒューストン2のスタートは、開幕よりもタイトなコーナーでしたよね。だから、本当はセンターのボックスよりも左側に入りたかったんですが、ヒートレースが5位だったからいい位置をとれませんでした。ヒートレースはスタートでスパン(AMAスーパークロスはスタート地点に公平さを期すため金網がしかれている。そこでスリップすることを、スパンと呼ぶとのこと)してしまったんです。クラッチミスもあったと思いますが、運もあったと思う。ペイトンにもそこを指摘されました」と下田は言う。
その位置の違いは、わずかだ。下田のメインイベントでのグリッドは、センターボックスから右へ3人目。ヒートレースと2列しか違わない…が、それだけでまったく違う結果になるのだと言う。下田は、10番手での立ちあがりだった。「もし、抜群に前に出られれば違うかもしれませんが、そうでない限り難しいグリッドでした。それでも、1周目、あるいは2周目くらいで4位だったモシマンの前に出られれば、スターレーシングヤマハの二人に追いつけたでしょうし、そうすればプレッシャーを与えて前に出られる可能性もあったと思います。
中盤、前を走るモシマンと3秒差くらいまでつめられたんですが、サンドコーナーの直後の3-3で周回遅れに阻まれてしまって、一気に離れてしまった」と。スタートからよくない展開が続いたが、この一瞬の動きがすべてのバランスを崩してしまった。運がない。
サンドコーナーのライン取りは勝負所の一つだったという。「フィニッシュを飛んだ後の90度コーナーは、タイムプラクティス時にマディだったんです。でもメインイベントではコンディションがよくて、イン側のコブもなだらかになっていたから、インを攻めていました。あそこをアウトからいくと、サンドコーナーをアウトで入って行くにはスネークしてしまう(蛇行。一旦インへ入ってからアウトへ)ので、僕のラインはうまくいっていたと思います」とのこと。450SXも大きな勝負の分かれ目になったセクションだが「サンドコーナー自体は、難しくはなかったですよ」と下田。