新型コロナウイルスの影響で結局全4戦と、例年の半分程度のレース数になった全日本モトクロスが、閉幕した。今年は第3戦までにそれぞれのクラスでポイントランキングにおいて抜きん出ているライダーがいた。IA2は前年度チャンピオンであり、クラス唯一のファクトリーライダー横山遥希がヒート1でチャンピオンを決定するというシーズンだったが、その展開は劇的なものであった。

「アメリカに行って揉まれたい」
諦めきれないAMAへの想い

画像1: 「アメリカに行って揉まれたい」 諦めきれないAMAへの想い

横山遥希
「レッドフラッグの後、気持ちの切り替えはできていたつもりだったのですが、再スタートでは失敗してしまいました。チャンピオンはヒート2まで持ち越しでも良かったんですけど、やっぱり勝ちたいという気持ちが強かったです。ポイントも31ポイントと大きく離れていたのも大きかったと思います。

冷静に判断しながら前のライダーを1台1台パスしていくことができ、前のライダーが思ったよりもぐんぐん近づいてきたので、自分もテンション上がって、最終的に1位になることができて良かったです。

今年の開幕戦のヒート1ではスタートでうまく出られたのですが、転倒してしまって5位という悔しい結果でした。この時はクラス唯一のファクトリーライダーというプレッシャーがあったのですが、かえってこのヒートのおかげで吹っ切ることができて、残りのヒート全部勝つことができたと思っています。

去年パーク神戸で走らせてもらっていた時から新井選手とは一緒に練習させてもらっていたのですが、今年はトレーナーという立場でサポートしてもらえることになり、色々なアドバイスをいただきました。特に僕はコーナリングが不安定だったことがあり、コースの横にオーバルを作って基礎練をする時間を多くとることで、コーナーの安定感はすごく増えました。また、練習パートナーとして山本鯨選手ともよく一緒に走らせてもらって、実際に走りを比較することができたのも大きかったと思います。

フィジカル面のトレーニングも取り組んできました。ウエイトトレーニングやランニング、高強度の階段ダッシュ、たまに自転車……これも山本選手と一緒にさせてもらえる機会が多くて、とても恵まれた環境だったと感謝しています。

来年のことはまだ決まっていないのですが、僕個人としてはやっぱり海外で走りたいという気持ちがあって、会社に希望は伝えています。僕はもともとアメリカにいましたし、一度きりの人生なので、AMAのレースで揉まれて成長したいと思っています」

画像2: 「アメリカに行って揉まれたい」 諦めきれないAMAへの想い

横山は2018年にアメリカでの武者修行を終えてIA2クラスに参戦、小さい身体ながらアクロバティックな走りで注目を浴びた。その時は年間ランキング4位だったが、翌2019年にはチャンピオンを獲得、そして今年防衛を果たした。

山本鯨、渡辺祐介、富田俊樹ら、IA2で勝ったライダーはこれまで海外へのチャレンジチケットを得てきたと言ってもいい。しかし、現在の新型コロナウイルスの状況、そしてカワサキの事情もあるだろう。個人的には、もちろんAMAで切磋琢磨する横山も見てみたいのだが、もう少し日本にいてIA1で海外を経験したライダーたちと争う姿を見たい気もしてしまう……。

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