日本のモトクロスファンの期待がかかる、下田丈のAMAチャレンジは第6戦へ。コロナ禍で緊急のスケジュール、全9戦と短いシーズンは後半戦に入っている。前戦レッドバッドでは、スタートの方法について下田自身がアップデートを見いだした。このミルビルでも、そのスタート方法がマッチしたようだ。

クオリファイは、マーティン兄弟をチェイスして失敗…

ここ、ミルビルのスプリングクリークは、下田のチームメイトであるジェレミー・マーティン(そして、その兄弟であるアレックス・マーティン)の実家であって、ホームコースなんてレベルではないほど精通している。下田としては、当然その強みを活かさない手はない。「レース前にも、マーティンからサンドタイヤをチョイスしてはいけない、などの話は聞いていました。スプリングクリークは、Youtubeとかで観るといかにもサンドコースなんですが、実際はハードパックなんです」と下田。トレーナーのJ・ウィップルもマーティンと仲がいいことから、状況はかなりよかったようだった。

画像: クオリファイは、マーティン兄弟をチェイスして失敗…

しかし…「クオリファイの1回目はジェレミーの後ろについたんですが、ジェレミーの調子が悪かったみたいで全然いいタイムだせなくて。15番手くらいだったんです。1番手をとったのは、ジェレミーではなくアレックスだったんですよね。で、2回目はアレックスについていくと今度はアレックスが16位で、あれーって。なんとかアレックス抜いてクリアラップとってから7番手くらいで終えたんですけど、1回目・2回目を総合して結局17番手で予選通過しました」と内情を吐露する下田。AMAはいかにスタートで前に出るかが勝負、下田も「もうスタートのことしかほとんど考えてません」と言うほどなのだが、17番手では幸先よくはない。

総合8位は、最上位成績タイ。うまくまとまりはじめた下田丈

画像: PHOTO:Jeffery Keeble

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前戦、あまり気持ちよくは無いけれど、スタートのクラッチミートを気持ち遅らせて好結果につながったと教えてくれた下田だったが、ここスプリングクリークでも同じ手法をとった。「ヒート1、スタートはやっぱりうまく出られたんです。でも、ストレートでちょっとウイリーしたときにスウォルと当たり、弾かれて、また隣のアレックス・マーティンにあたって…。1コーナーで10番以内に出てたと思うんですけど、ハートラフトがハスクバーナのヤツにあたって、そのバイクが僕のバイクにあたって…、もう、当たりまくりで全然出られなくて20何番手くらいから追い上げて結局12位でした」と下田。

ヒート2のスタートも同じく出足好調。1コーナーを5〜7番手くらいで抜けて、そのあとのこなしで数台抜かれてしまった。11番手から追い上げ、8位に収まるという結果。

「ずっとスタートが悪かったので、どっちともいい感じで出られたことが嬉しいですね。スプリングクリークは、コース攻略がかなり難しかったです。コースを覚えるのに、かなりの時間がかかりました。大きなコースで前が見えないロールアウトやジャンプが多かったので、どこまで飛ぶかとか…上り下りが急で長いのも特徴ですね。グレンヘレンなんかよりも全然急で、上りで腰を引けないくらい。前のめりにならないと登れない。雨が降ったらショートカットになるらしいです。サスペンションも、3回セッティングを変更するなど、試行錯誤したレースでしたね。

ただ、レッドバッドやロレッタリンのようにパッシングポイントで悩まされることはありませんでした。コースの半周はかなりスペースが広かった。それに、いま思えば僕けっこう下りが得意なのかもしれません。混走の中でも下りでポジションが上がっていたのかも知れませんね。ギャップでジャンプしていったりとか。上り下りの多いスプリングクリークは、相性がよかったんです。

両ヒートとも、しっかりラップタイムも出ていると思っています。今回は、今までで一番ベストなレースができたと思っています。ポジションはあれですけど、ボク的には一番いいレースでした。1周目もトップ10以内でしっかりレースできることを、まずクリアしたいです」とのこと。

残りは、3戦。だが、コロナ禍の影響で現状ではサンダーバレーをスキップするのではないか、という噂も出てきているのだという。このまま、いい状態をもって、ホームにほど近いパラレースウェイの最終戦を迎えてほしいものだ。

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