いよいよ残すは最終戦のみとなった、2020年スーパークロス。日本人としてはじめて、アメリカでキャリアを積み、スーパールーキーとして参戦している下田丈を、Off1.jpでは集中して追いかけている。自身の最上位タイで5位フィニッシュとなったRd.16を振り返ってもらった。
コース攻略と、サスペンションのアップデート
このRd.16は、今季で最も上位を狙えると思わせられたレースだった。クオリファイで4番手タイム、ヒートレースで2位。スタートの流れもよく、ここまで積み上げてきた経験をうまくフィードバックしていることが想像できる。下田によれば、その主たる原因はコースの攻略スピードと、サスペンションのアップデートにあったようだ。
下田丈「今回からオースティンと交代でトレーナー(J.whipple)付きでレースに参戦しました。トレーナーがいると情報量が多くて、コースを攻略するのが前戦より早かったです。なのでタイムクオリファイから調子が良くて4番手で通過し、ヒートレースでは2位で通ることができました。
メインイベントではスタートは悪くなかったんですが、2コーナー目で押され10位からの追い上げで5位までしか追い上げられなかったです。レースの3日前にサスペンションの高さを4mm上げた事によって、今回からメインイベントで危なげなくフープスをスキミングで通ることが出来て良い点も色々ありました。自分の体がしっかり15分間たれずに体力に自信があるので、スタートをしっかり決めれば良いレースができると思います」
とのこと。下田は、ルーキーにしては類い希な「追い上げ」タイプ。これは先行するのが苦手というより、むしろ「後半までタレず、攻め込める」という強みととれる。全日本でも、AMAでも、多くのルーキーは前半はまだしも後半まで体力が持たず、スタートの成功をうまく活かせないパターンが多いのだが、下田は最初からタフだ。
この数戦、スタートを課題にしてきたものの、それも徐々に解決をみせている。最終戦はシュートアウトで、東西エリアの混走。つまり、強豪も2倍になる。ランキング3位へ上がるには、そのシュートアウトで10位以内が条件となるが、このRd.16で見せた実力は、メインレースを3位でフィニッシュできる片鱗と言えるモノだった。3日後、大いに期待したいところだ。