18歳、自身初のスーパークロスシーズンを戦っている、下田丈。ソルトレイクシティで、集中的にレースを続行するというスーパークロス陣営の動きに沿う形で、下田はチームと共にソルトレイクシティへ一時拠点を移している。第11戦を終えた翌日、話を聞くことが出来た。

第11戦の模様は↑こちらから。

画像: 写真はタンパラウンドより。以降同じ

写真はタンパラウンドより。以降同じ

あまりに短かった、決勝

日本においても、ライブ中継で見ることができた第11戦のメインレース。下田は、2コーナー目でレースを終えてしまった。スタート直後の混乱の最中、インから潜り込まれたピアース・ブラウンのリアタイヤが、下田のフロントブレーキを直撃。ブレーキがきかなくなってしまったのだと言う。「短かったので、話すことはあまりありません…」と。

画像: あまりに短かった、決勝

無観客、デイタイムのスーパークロスは、かなり特殊な環境だと下田は言う。「でも、レーストラックはいつものスーパークロスと同じですね。今回の勝負所は、スタート直後のリズムセクションでした。テーブルトップを飛んで3−3−3でこなすか、テーブルトップからステップオフで3−3−2でこなすか、2パターンの走り方があったのですが、前者が速いのは明らかでした」とのこと。トラック攻略の実力は、レースを重ねる毎についてきていて、タンパの時のようなタイムロスはしなくなってきている。このソルトレイクシティでは、恐ろしいことに3日毎開催にもかかわらず、毎回コース設定が変わるそうだから、これは残り4戦を戦い抜くにも大事なポイントだ。

「ソルトレイクシティの土質は、カリフォルニアみたいな感じですね。実はあまり得意じゃない(笑)。あと、気温が高いからか水をかなり撒いているので、ヒートレースまではマディコンディションなんです。

ヒートレースは、4位でした。ピアースには前に出られてしまったんですが、ピアースと(ガレット・)マーチバンクスはだいたいいつも絡みますね…。彼らは、1周目にしっかり全開で走ることができていて、それが自分にはできていないと感じています。スピードでは負けていないと思う。ほんのちょっとの差だと思います」

デイトナで初優勝したマーチバンクスを見ていると、現スーパークロスの序盤における爆発的な集中力がいかに大事かがわかる。誰もがオープニングラップで後続を突き放したい、と思っていて、スピードも伯仲する中、いかにぎゅっとコンセントレーションを高められるか。そこを抑えずして、ポディウムは見えてこない。

コロナ禍におけるグローアップ

世界を襲ったコロナウイルスは、下田の今シーズンに大きく影響した。この、ソルトレイクシティ直前など、マシンを30分ほどセットアップすることしかできなかったそうだ。

「1ヶ月前くらいには、スーパークロスが再開されるって聞いていて、その頃には元通りになっていました。それまでは、どうなるのかわからないから、スーパークロスとアウトドアと両方の準備をしていました。

自粛、長すぎですよね。今も、アメリカは自粛が続いていて、店もあいていない。コロナ自粛の最中にレースをやっている感じです。デモは、ソルトレイクシティで影響はないのですが、誰かが街中で叫んでいたり、少し騒がしさを感じます。もうアメリカも長いから、集中できないなんてことはないです」と下田。

「あと、トレーニング環境が変わりました。いまは、ライディングを元プロのジェイ・ウィップルに見てもらっていて、フィジカルはWという施設を使っています。スタートの練習をだいぶやってきました。11戦でも、スタートには自信をもっていました」と言うだけあって、下田はヒートレースもメインイベントも、スタートを3〜4番手で出ることができている。シーズンが始まる前から、マシンの仕上がりもよく、ホンダのCRFは今シーズンめだってイイ。下田を含むガイコホンダ3台で、ほとんどのレースが染まる。「15分集中して走ることも、身についてきました。レース前のマネジメントも、身についてきたと思います」と。

「まずは、体をほぐして緊張をとらないと、と思っています。レーススピードはあると思うから、波にのればいいポジションで走れると思います。まぁ、ソルトレイクシティの土質は好きじゃないんですけどね(笑)。

この残り4戦は、トップ3を本気で獲りにいきます。状況も変わってきて、自信がついてきました」と下田は言う。特殊なソルトレイクシティに合わせこんでいくことができれば、きっとその順位が見えてくるハズ。大いに期待したい。

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