確実さを、最後まで忘れない作戦で勝利をものにした

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ダカールラリーは、1位を獲るという目標を立てた際に、シーソーゲームをベースにしたレースだと、言うことができるかもしれない。

ステージ優勝したものは、次の日に1番のスタートになる。1番スタートは、ワダチのないデューンを走ることになるから、どうしたってナビゲーションで不利だ。後続は、そのあとを追っていくという指標があるから、ペースを上げられる。だから、ずっとステージ優勝をし続けてとにかく2番手以降を引き離す…という作戦は通用しないわけだ。ちょっと事情は異なるが、自転車ロードレースの先頭を入れ替えながらレースが進むのと似ているかもしれない。そこには、ルールブックに書かれていない、暗黙の「常識」が存在する。

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本田太一は言う。「特に今年は、変則的なスタートが無かったのがよかったです。例年は、横一列でスタートするステージや、スタート順を逆にしたりあって、変化が生まれるのですが。私が思うに、あまりラリーの本来の魅力ではないところが注目されてしまうんですね。特にナビゲーションの差があまりでなくなってしまう。今回は、純粋なラリー競技に戻ったと思いました。運営側とも、非常に気分よくレースができました」と。

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画像: 通常は、前日にマップを受け取ってライダー達は危ない箇所などをマーキングする

通常は、前日にマップを受け取ってライダー達は危ない箇所などをマーキングする

さらに、今年のナビの厳しさがTeam HRCにとっての追い風になったのかもしれない。ルールがかわったのだ。「ウェイポイント(GPS上のポイント。通らないとペナルティ)の半径が狭くなって、みつけづらくなったり、ポイントの数も増えました。それと、マップがスタート25分前に配られるステージがあったりしましたね」と。通常は、前日にマップが配られて、ライダーは夕方にマップをチェックして蛍光ペンなどでマーキングをする。だが、あたりを良く知る「マップマン」と呼ばれる人間がこれを夜のうちに解析して、コマ図以上の情報をディグり、ライダーにフィードバックするという流れがあった(だろうと言われている)。それに、サウジアラビアはほとんどが荒野でオフピスト。本来のナビゲーションの難しさが、表面化したのだ。

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