前日のステージ5では、昨年の覇者トビー・プライスが気を吐き、総合トップのリッキー・ブラベックに9分差へと迫った。だが、ステージ6ではブラベックが宣言通りスマッシュライド。その裏でプライスは400km地点付近でタイヤが外れるハプニングに遭遇。プライスを、ハスクバーナのファクトリーであるアンドリュー・ショートがヘルプして事なきを得たが、結果的にブラベックープライス間は25分もの差に拡大した。
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だが、ケビン・ベナバイズがフィニッシュ44キロ前でストップ
ブラベックの好調の裏側では、フィニッシュ直前までブラベックの25秒差で走っていたケビン・ベナバイズが、フィニッシュ44キロ前でストップしてしまう。現段階で入っている情報としてはエンジントラブルの可能性が高く、2時間以上牽引を待ち、ブラベックの3時間37分遅れでフィニッシュラインをまたいだ。これで、ケビンの上位入賞の可能性はほとんど無くなってしまった。魔物はフィニッシュ直前に潜むのか、エンデューロチャンピオンのジョニー・オベールもフィニッシュ直前のクラッシュで3度目のダカールを離脱することになった。
昨日、KTMはサンダーランドを負傷によってリタイアさせているが、ケビンの場合はブラベック達のサポートにまわることもできる。不幸中の幸いで、レストデイでしっかりマシンも復調するだろう。だが、大きな痛手をホンダ、KTMともに前半で負ったことには変わりない。
ステージ6順位
順位 | ライダー | チーム | 1位との差 | ペナルティ |
1 | RICKY BRABEC | HRC | ||
2 | JOAN BARREDA BORT | HRC |
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3 | MATTHIAS WALKNER | KTM |
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4 | PABLO QUINTANILLA | ハスクバーナ |
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5 | LUCIANO BENAVIDES | KTM |
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6 | JOSE IGNACIO CORNEJO FLORIMO | HRC |
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7 | FRANCO CAIMI | YAMAHA |
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8 | PAULO GONÇALVES | HERO |
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9 | STEFAN SVITKO | SLOVNAFT |
| |
10 | SKYLER HOWES | KLYMCIW |
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2番手タイムは、ホアン・バレダ。3番手のマティアス・ウォークナーは順当。
ステージ6後、総合順位
順位 | ライダー | チーム | 1位との差 | ペナルティ |
1 | RICKY BRABEC | HRC | ||
2 | PABLO QUINTANILLA | ハスクバーナ |
| |
3 | TOBY PRICE | KTM |
| 00H 02' 00'' |
4 | JOSE IGNACIO CORNEJO FLORIMO | HRC |
| 00H 01' 00'' |
5 | JOAN BARREDA BORT | HRC |
| |
6 | MATTHIAS WALKNER | KTM |
| |
7 | LUCIANO BENAVIDES | KTM |
| |
8 | SKYLER HOWES | KLYMCIW |
| |
9 | STEFAN SVITKO | SLOVNAFT |
| |
10 | FRANCO CAIMI | YAMAHA |
| 00H 05' 00'' |
この上位体制で、レストデイ〜後半戦へ入る。
総合順位では、2位にハスクバーナのパブロ・キンタニラがつける。KTMはハスクバーナと異なるチームではあるものの、そのマシンの基本コンポ—ネントを共にしており、冒頭でレポートしたとおりハスクバーナファクトリーのライダーが、KTMファクトリーをサポートすることもある。キンタニラと、プライスの位置関係は、互いに強い協調体制となるため、HRC、ハスクバーナ、KTMの3すくみと見るより、KTM勢がトップ3に2人残っているとみるべきかもしれない。
プライスは、25分離れつつも3番手。HRCも、コルネオとバレダが4-5番手と手堅く40分圏内に残る形。8番手以下は差が大きく拡大して1時間以上の差があり、上位フィニッシュへの途は遠いと言えるだろう。