誰も走ったことがない、新たなダカールラリー。2日目のトップに立ったのは、タイトルホルダーのトビー・プライスか、“スピード・キング”ジョアン・バレダか。はたまた南米ケビン・ベナバイズだろうか? いやいや…ボツワナの英雄、ロス・ブランチだった。

画像: ダカールラリー・ステージ2を優勝、ロス・ブランチ(ボツワナ)とは何者か

ステージ2は、海岸線の標高が低い地形。サンドはほとんどなく、土・岩の路面を走る。なお、このステージ2と3でマラソンステージになっており、ライダーとマシンはチームから隔離され、チームのサービスを受けることができない日だ。

ステージ1で順調にトップ成績で終えたトビー・プライス、そして2番手だったリッキー・ブラベックが共にスタートすぐにつまづき遅れをとる展開。肩に不安を抱えるホアン・バレダが、快調にトップスピードをマークする最中、2番手につけたのがロスだった。その後、バレダが8番手までロスしたところでロスがトップへ。ボツワナ初、ロス・ブランチ初のステージ優勝を手にした。手堅いところで、サム・サンダーランドが2位、3位にパブロ・キンタニラ。

ボツワナ初のダカールライダー

画像: ステージ2を走る、トビー・プライス。 PHOTO/Rallyzone

ステージ2を走る、トビー・プライス。 PHOTO/Rallyzone

南アフリカ共和国は、相当にモータースポーツが盛んな国だ。広大すぎる手つかずの自然が残り、さらには高低差の激しさや、だだっぴろい荒野が拡がる。古くは、グラント・ラングストンを輩出し、レソトではルーフ・オブ・アフリカが50年の歴史を誇る。隣国であるボツワナに優れたライダーがいたとしても、何も不思議ではない。

ロス・ブランチは、幼少期からモトクロスに親しんできたライダーだったが、ダブルキャリアとしてクロスカントリーラリーを嗜んできた。南アでは、2016・2017とクロスカントリー選手権のタイトルを奪取。2019年にはダカールに参戦すると宣言し、クラウドファンディングなどを進めてきていた。2019年のダカールには、見事ベストオブルーキーとして13位の輝かしい結果を残したのだった。

彼についているニックネームは「カラハリのフェラーリ」。カラハリとは、ボツワナのカラハリ砂漠のことだ。

正直なところ、ダカールラリーは序盤では何もわからない。ただ、はじめてのサウジアラビアだからこそ、こういった番狂わせも増えてくるはずだ。

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