1968年、当時星の数ほどあったイタリアのモーターサイクルカンパニーのうちの一つが、ファンティックだ。エンデューロマシン、つまり公道を走れるレゴラリータを仕立てる、イタリアらしいバイクメーカーであった。今はブランドを復活させているSWMや、はたまた消えてしまったヴェロメッティ、プフ…イタリアはエンデューロの国だから、とにかくストリートリーガルのエンデューロバイクが多かったのだ。ファンティックもレゴラリータブランドの一つである。

画像1: 怒濤EICMA・FANTICがEURO5突破、公道走行可なYZを発表。さらにファクトリーチームを設立しちゃった…その意味

欧州におけるエンデュランサーブランド

画像1: 欧州におけるエンデュランサーブランド
画像2: 欧州におけるエンデュランサーブランド

実は、そのレゴラリータの時代から、イタリアではすべてを自社でまかなうような日本のバイク作りとは異なったバイク作りをしていた。あるメーカーは、フレームを作り、エンジンを仕入れた。あるメーカーは、フレームもエンジンも他社から仕入れた。近年、この状況から脱却に成功したのがKTMである。自社製の4ストユニットをいくつも抱え、次々に魅力的なモデルを生み出している。

画像3: 欧州におけるエンデュランサーブランド

FANTIC
XE125
2020年6月発売予定

さて。今回のXシリーズは、まずモトクロスのXXとエンデューロのXEに分かれる。こちらXE125からみてみよう。モトクロス、エンデューロファンであれば、見た瞬間に理解できるヤマハ率の高さ。フレーム、エンジンともにYZを踏襲というか、そのまま利用している。XEはエンデューロモデルで、このままEURO5を突破。もちろん、普段使いできるようなものではないだろうが、メーカーが公的にストリートを走ることを認めた、YZということになるだろう。

画像: エンジンは、YZ125Xをベースとしてシリンダー、ヘッド、ECU、吸排気系を変更。その特性はまだベールに包まれている

エンジンは、YZ125Xをベースとしてシリンダー、ヘッド、ECU、吸排気系を変更。その特性はまだベールに包まれている

ファンティックは、これまでもYZ系のエンジンをヤマハから買い上げてマシンを作りあげることが多かったのだが、ある意味今回は欧州ヤマハとの協力体制のなかで作りあげたマシンだという点で、ファンティックにとってエポックメイキングである。そしてヤマハにとっては救いの神と言えるものなのかもしれない。少数生産のメーカーには優遇措置がある欧州において、YZシリーズをストリートリーガルとして残していけるのだから。

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