世界一とも言われるオーストリアで行われるハードエンデューロレース「エルズベルグロデオ」のレース形式を模して、昨年から北海道日高町で開催されるようになったHIDAKA ROCKS。2年目の今年はコースレイアウター山本礼人いわく「コース難易度が2倍、距離は1.5倍」に拡大、さらなる進化を遂げていた。
画像8: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

パイプラインの終盤で泉谷をパスした藤田。2台はここからつかず離れず接戦を繰り広げたが、難所ではラインがほぼ1本しかなく、泉谷が前に出ることが難しかった。

画像9: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

ドラゴンと名付けられたセクションの入り口のガレた登り。ここでは藤田が苦戦したことで7割ほど登ったらスタッフによるヘルプ有りという緊急ルールが適用された。泉谷のすぐ後ろに水上、大西も追いついてきた。

画像10: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

しかしその後、再び藤田と泉谷の一騎打ちに。

画像11: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

勝敗を決定的なものにしたのがここ「ダイナマイト」2本あったラインの右を選択した藤田を左ラインから抜こうとした泉谷だったが、左ラインは見た目の割に難易度が高く、結局戻って右ラインからやり直すハメに。

画像12: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

藤田がダイナマイトを抜け、キャンバーに突入。これを抜ければ残すは2本のヒルクライムだけだ。この時、泉谷はダイナマイトを降っており、後ろで登っているのは佐々木、水上、木村、中野。

画像13: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

藤田は残すヒルクライムをノーミスでクリア。トップチェッカーを飾った。それに続いたのが泉谷、そして混沌とした状態のダイナマイトを恐ろしくスムーズに抜け出してきた和泉だった。

画像14: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

中央が1位の藤田。左が2位、泉谷。右が3位、和泉。

画像15: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

藤田貴敏
「予選で崖落ちするという大ポカをやってしまったのですが、なんとか勝つことができました。今回は初めての日高ロックスでしたが、大変なレースなのはわかっていたので、セルのブラシを新品に交換してくるなど万全を期しました。僕はガレ場で登る時などにエンジンの美味しいところをうまく使うためにキルスイッチを切った状態でセルボタンを押して、後輪を回して進むというテクニックを使うので、ブラシがとても消耗してしまうんです。あとはShinkoの新しいタイヤ520DCがとてもよかったですね。これまでの540DCよりもセンター部分が潰れやすく、グリップが向上しています」

画像16: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

泉谷之則
「最初、トップに出られた時は勝てるかも、と思ったのですが、自分のミスで藤田さんに抜かれてしまい、挽回することができませんでした。もちろん悔しいんですけど、G-NET戦で2位に入れたことは初めてですので、今は嬉しさの方が大きいです」

画像17: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

和泉拓
「4ストロークのRR4T350がとてもよくて、後半に順位をあげることができました。うまくガレの頭を繋いでいけば、ハマることもなかったので、重さもあまり気になりませんでした。IRCのiX-09w GEKKOTAとの組み合わせが、本当によく登ってくれるので、ダイナマイトもほとんど押すことなくクリアすることができたのが、勝因ですかね」

画像18: これぞHIDAKA ROCKSの醍醐味、ヘアスクランブル

こちらは今年の完走者23名とコースレイアウターを務めた山本礼人。この笑顔をみて欲しい。北海道から九州まで、育った土地は違えど、今日ここに集まって全力を出し尽くしたことは変わらない。この笑顔が、この大会がどんなに素晴らしいものだったかを物語っている。

渋滞に巻き込まれないスピード、難所を超えるテクニック、ゴールまでたどり着くスタミナ。この3つが揃わなければ完走できない、HIDAKA ROCKSは真の意味でのハードエンデューロだ。今はまだエルズベルグロデオには遠く及ばない規模だが、コースも参加者も昨年よりグレードアップしている。やがては同じ日高町で9月に行われている日高ツーデイズエンデューロのように、世界からも参戦するライダーが来日するような大会になるはずだ。

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