オフロードタイヤには、レースやコンディションにあわせた種類別のタイヤがラインアップされている。そして、基本的にはその守備範囲を広くしようと、メーカーの開発陣は努力をしてきた。たとえば、最新のミディアムソフトは、大抵のレースで使えるし、XCタイヤはどんなフィールドでもグリップしてくれる。だが、そんな中で滑りやすい岩や、木の根で絶大なグリップを誇るのがガミータイヤと呼ばれるタイプだ。
欧州マーケットの要請によって、ブリヂストンはFIMタイヤを再開発
昨年、ブリヂストンからFIM規格に適合するエンデューロ用タイヤ、E50がリリースされた。FIM規格というのは、ブロックが13mm以下に抑えられているもので、自然保護の観点から欧州のエンデューロではFIM規格のタイヤでないと参戦できない。
先述したガミータイヤが使われるハードエンデューロは、FIM規格である必要がないから、これまでモトクロスタイヤや、オフロード用の別のブロックが高いタイヤをベースに作られてきた。
![画像1: 欧州マーケットの要請によって、ブリヂストンはFIMタイヤを再開発](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/07/24/b652508b452afd0d5bc40c9943063c543ef92233_xlarge.jpg)
だが、今回Off1.jpが入手した情報は、FIMエンデューロタイヤ「E50」をベースとしているのが特徴。「E50」との見た目の違いは、黄色いラインのようだ。実はハードエンデューロのメッカである欧州では、このようなFIMタイヤをベースとしたガミータイヤが主流だ。
![画像2: 欧州マーケットの要請によって、ブリヂストンはFIMタイヤを再開発](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/07/24/a4c08279b2f4ca04a8ecdb7228392dc6eb885652_xlarge.jpg)
たとえば、エルズベルグロデオでは、人間大の巨大な岩を延々走るカールズダイナーというセクションがある。多くのライダーは、ここで1時間以上を費やしてしまい、ここの走破性がとても大事なのだが、実はこの岩はとてもグリップがよくてガミータイヤである必要はない。
![画像3: 欧州マーケットの要請によって、ブリヂストンはFIMタイヤを再開発](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/07/24/72bedc0c3887d29e5832311ebdf85e286b70e88c_xlarge.jpg)
実際に勝負が決まるのは、こういった山の中。だから、よりオールマイティにグリップすることが求められるし、こういったセクションでは、欧州のライダーは「タイヤでセクションを包み込む必要がある」と考えているから、エアボリュームのあるエンデューロタイヤベースのガミータイヤをチョイスするのだ。
E50のガミーバージョンは、これら欧州の要請をもって開発されたものだと思われる。
![画像4: 欧州マーケットの要請によって、ブリヂストンはFIMタイヤを再開発](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16783375/rc/2019/07/24/5543072579e1276dbfc890b167c37ae8add95b48_xlarge.jpg)
今回、目の前にしたE50のガミータイヤバージョンを触ってみると、意外なほどにコンパウンドが柔らかくない。元々E50は、ブロックが細いから、ブロックの剛性を持たせようとすると、そこまで思い切って柔らかくできないのではないだろうか。あるいは、そもそもブロックが細いから、最初からある程度の柔らかさをもっているということになるだろうか。
新タイヤとして、とても楽しみなE50のガミータイプ。発売が待ち遠しい。