フラッグシップであるCRF450Rは、250よりも優先してモデルチェンジの適用を受けていくことが多いが、2020年モデルではCRF250Rのほうがドラスティックなチェンジを受けている。全面的に刷新されたビッグマイナーに近い変更点で、どれだけ戦闘力が上がったのか楽しみだ。
北米リリースに書かれているのは、なんと我らが下田丈の活躍。
The machine that took Jace Owen to the 2019 Kicker Arenacross title victory and powered Amsoil Honda's Jo Shimoda to the win at the 2018 Monster Energy Cup Amateur All-Star race gets a host of important updates for 2020,
今季、プロデビューできる年になる下田の活躍もおおいに期待されるところだが、まずはマシンを眺めてみよう。
カムプロフィール変更で6000-10000回転を向上
エンジン特性を大幅に変えるカムプロフィールが、リバイズ。バルブオーバーラップを減らす方向へ設計しなおし、6000〜10000回転のレンジをトルク&パワーアップ。エキゾーストチャンバーの形状を変更、点火タイミングも見直してこちらは8000回転付近のトルク&パワーを引き出したという。また、ギヤポジションセンサーを追加したことでマッピングをスピードレンジごとに変更できるようになった。
ヘッダーパイプのリゾネーターは排除。これによって2速から3速へのつながりがかわり、マフラー全体の見直しによって低中速のトルクを向上。
エアフィルターも10%効率を向上させるものを採用している。
これらの見直しによって、発熱量が増えることを鑑みて、ラジエターは新作に変更。
ギヤ関係では、クラッチ量を18%増加。2速のギヤ比を高めて2〜3速のつながり部分にWPCコートを採用。エンジン部分でも触れられているとおり、CRF250Rの低速コーナーにおける2-3速部分を集中して改善していることがわかる。
また、フレームとスイングアームも軽量化されたものに変更。これによって横剛性と縦剛性を上げることで、結果的にスタビリティを向上した。
細かいところでは、フットペグが20%軽量化され形状も泥詰まりしづらいものに変更。サスペンションのセッティングを見直し、CRF450R同様に28mmバッテリーの搭載位置を下げている。
ほぼ全面的に手が入った、20MYのCRF250R。今季、ホンダの最注目マシンといってもいい。