人気の高さもうなずける完成度の高さとお得な価格

ニンジャ250ベースの、オンロード指向のアドベンチャーがヴェルシスーX250。さらに、左右のパニアケース、エンジンガード、ハンドガード、センタースタンド、DC電源ソケットを標準装備するのが「ツアラー」だが、ともに予想以上の人気で17年モデルはたちまち完売。今回はABSが標準装備された18年型のツアラーに試乗した。

ベースであるニンジャ250の面影が残るのは並列2気筒のエンジン程度。19インチのフロントホイールや、ストロークの長い前後サスペンション、大きめのアッパーカウルによってアドベンチャーモデルらしい堂々としたルックスを誇る。もちろん、ライディングポジションも幅広のハンドルとニンジャよりも低く前寄りに位置するステップ、座面の大きなシートでロングラン向きの設定。シート高は815㎜に抑えられていて、見た目より足着き性がいいこともポイントだ。

基本的に高回転型のエンジン特性だし、車重も183㎏あるから、発進時はエンジン回転と半クラッチ操作に少し気を使ったが、慣れてしまえば気にならないレベル。いったん動き出せば、2気筒エンジンのスムーズさで6速・30㎞/h台からでも加速し、5000回転を超えればグッと力強さを増す。6速・100㎞/hは7800回転と充分な余裕があるが、8000回転を超えると振動が増えるから、高速道路クルージングにはこのくらいがちょうどいい速度レンジとなる。

前述したように、アップライトなポジションはクルージングでの快適性に貢献するが、加えてウインドプロテクション効果の高さも実感できる。スクリーンは面積こそ小さいが、角度を立ててあり、走行風を受けるのはヘルメットの額部分あたり。アッパーカウルも下半身への風圧を適度に遮ってくれる。さらにエンジンの熱気がライダーに当たらないように工夫されているのも特筆点だ。

ツーリング指向モデルだけに操縦性も安定指向。バンクさせるとリアから旋回を始め、穏やかにフロントタイヤが内側を向いて自然に曲がっていくフィーリング。タイトターンの続く場所ではフロントが高く感じたが、アンダーステアというほどではないし、接地感もしっかり伝わってくるので、オートバイ任せでも安心。タイヤはオンロード指向だが、硬く締まったダートなら結構なペースで走破できてしまう。ただし、ザクザクやヌタヌタの林道に乗り入れるなら、オフロード向きのタイヤに換えることをお勧めする。

スタンダードとツアラーの価格差は約5万4000円。内容を見ればこのツアラーは「大サービス価格」だ。パニアケースの着脱に工具が必要なのが残念だが、あとはグリップヒーターとナビ/スマホ用のマウントを後付けすれば完璧な長距離ツーリング仕様。「このまま日本一周してみたい」と夢見させてくれる1台だ。

SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2170×940×1390㎜
ホイールベース 1450㎜
最低地上高 180㎜
シート高 815㎜
車両重量 183㎏
エンジン形式 水冷4ストDOHC4バルブ並列2気筒
総排気量 248㏄
ボア×ストローク 62×41.2㎜
圧縮比 11.3
最高出力 33PS/11500rpm
最大トルク 2.1㎏-m/10000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 17ℓ
キャスター角/トレール 24.3度/108㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ290㎜ディスク・φ220㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 100/90-19・130/80-17

PHOTO:森 浩輔、南 孝幸

公式サイト

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