ツーリングファミリーの豪快なフィーリングがクルマの免許で立ちゴケの不安なく満喫できる!

不等間隔爆発を生むシリンダーバンク角45度のVツインエンジンの鼓動を感じつつ、走行風をまともに受け止めて走る。駆動輪がアスファルトを蹴り飛ばすような力強さといい、このワイルドな感覚は紛れもなくハーレーダビッドソンそのものであり、タイヤがひとつ増えても楽しさは決して変わらない。

むしろ優れる点がたくさんある。足で車体を支える必要がないから立ちゴケの心配は要らないし、電動バックギヤのおかげで取り回しも自由自在。体力や体格に自信がなくても、ハーレー・ツーリングファミリーの豪快なフィーリングがちゃんと味わえる。

大型2輪免許ではなく4輪の普通免許で乗ることができるのに、税金や高速道路の料金はオートバイと同じというのも得した気分。車庫証明が要らないというのも利点だろう。

そしてなによりも、その堂々たるスタイルも魅力。目立ち度満点で、ハーレーだからこその所有欲も満たしてくれる。

ライドフィールはなかなか勇ましい。舗装状態の良い道路上では高い安定性を発揮し、操舵の乱れは起きにくいが、ふたつの後輪が路面のうねりやギャップを拾うと、たちまちその反動がハンドリングに影響し、ときには振られが発生してしまうことを忘れてはならない。

そうなったときはアクセル全閉でハンドルに力を込めて腕力で耐えるより、瞬時でもいいからなるべくアクセルを開けて前輪荷重になった車体姿勢を正してやるのがいい。フロントフォークが伸びれば、振られも解消する。オーリンズのステアリングダンパーで操舵が乱れないよう抑制しているものの、ハイスピードで急減速しコーナーに進入するときなどはハンドルが振られやすく、速度超過にならないよう気をつけたい。

速度を控えめにしたクルージングは、大排気量Vツインとの対話を楽しむようで飽きが来ない。新作のミルウォーキーエイトエンジンが心地良い鼓動を感じさせ、1745㏄の空冷VツインOHV4バルブはアクセルを一捻りすれば、レスポンスよく巨体を加速させる。

ブレーキのコントロール性も秀逸で、これはトライク専用の6ポットキャリパーをフロントに備えているおかげ。リアブレーキをかける(ペダルを踏む)と、6ポットのうち2つのポットだけが連動して程良い制動力を前輪でも発揮する。この前後連動式ABSブレーキが急制動でもスリップを回避し、高い安全性をもたらしているのだ。

SPECIFICATION
全長:2615㎜
全幅:1405㎜
全高:1151㎜
ホイールベース:1670㎜
シート高:700㎜
車両重量:507㎏
エンジン形式:空冷4ストOHV4バルブV型2気筒[Milwaukee-Eight107]
総排気量:1745㏄
ボア×ストローク:100×111.1㎜
圧縮比:10.0:1
最大トルク:15.29kg-m/3250rpm[150Nm/3250rpm]
燃料タンク容量:22.7L
レーク角/トレール:26°/101㎜
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式 前:φ300㎜ダブルディスク  後:φ270.8㎜ディスク
タイヤサイズ 前:MT130/60B19 後:P205/65R15
燃費:18.51km/ℓ[5.4ℓ/100㎞]

ストリップだから走りも軽快!熱対策を万全にし、魅せる楽しさも追求

ハーレーのラインアップにはオーディオシステムを内蔵するバットウイングフェアリングをはじめとするレッグガードやトップケースといった豪華装備のゴージャス路線の「トライグライドウルトラ」といトライクがあり、それに対し、「フリーウィーラー」はストリップ仕様とし、差別化がしっかりと図られている。搭載されるミルウォーキーエイトエンジンはどちらも新作のミルウォーキーエイト107で、排気量は1745㏄と大きい。

しかし排気バルブまわりの熱対策に「トライグライドウルトラ」はウォーターラインを設けて、ラジエターをロワーフェアリングに内蔵する水空冷=ツインクールド式を採用するが、「フリーウィーラー」の排気バルブまわりにはオイルラインを通して部分的な油冷式にしているという若干の違いがある。ツインクールド式はレッグガードによってエンジンへの走行風が制限されがちというのを解消するものだから、結果的には両者とも長年の悩みだった熱問題をうまく解消するに至った。

ほかにもリアバンクのエキパイをシートから遠ざけるように前方へずらしたり、足を出した位置にあったキャタライザーをマフラーエンドへ移設するなど「熱い」というユーザーの不満を解消しようと、徹底的に対策を講じてきたことが車体の至るところからわかる。

そしてフリーウィーラーにはストリップだからこその軽快な走りがあり、カスタムベースとしても最適という持ち味がある。

専用の大径19インチ・アルミキャストホイールを前輪に備え、タイトに押し込まれたヘッドライトナセルが迫力のフロントマスクを演出。拳を突き上げるようにして握る12インチ(30・5㎝)のミニエイプハンガーハンドルが堂々たるライディングポジションを生み、一体型のツーアップシートはグリップに手が届きやすいよう1インチ(2・5㎝)ほど着座位置が前になるよう専用設計された。

トランクのリッドは左から右に片手で開くことができる独特の設計で、フルフェイスヘルメット2つを入れてもまだまだ余裕がある収納力。テールエンドはボブテイルのリアフェンダーでスッキリとしていて、ホイールベースはトライグライドウルトラと同じながら全長は55㎜も短く抑えた。

バックビューへのこだわりは、上質なクロームで仕上げられたスラッシュカットマフラーとトランクルームとのマッチングにも見られ、マフラーのラウンドに沿うようにしてボディがカッティングされたフォルムが実に美しい。ライディングももちろんエキサイティングだが、魅せることもしっかり考えているのは、さすがは純正トライクだ!

PHOTO:関野 温

公式サイト

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