70~80年代を受け継ぐ名車たち
全てを一からつくり上げたニューモデルもあれば、過去のモデルからイメージ、デザイン、技術を受け継いだオートバイもある。このページでは、70〜80年代のオートバイから「何かを」受け継いだオートバイの例を少しだけ紹介してみよう。

カフェテイストの走りを楽しめる1台

RSのカフェレーサーテイストを演出している「主役」は、前後17インチのキャストホイールとゴールドフィニッシュの前後サス。ボリューム感あるタイヤと足回りをアクセントにして、かなり勇ましく見える。跨がっても、少し硬めに感じるタックの入ってないシートや低めのハンドルなどが、乗り手のスポーツ心を刺激する。

このシリーズのコンセプトで柱になっているもののひとつに「気負わず使いこなせる等身大の性能」というのがある。RSは言わばスポーツバージョンだが、その「柱」は先代からずっと変わっていない。

画像: HONDA CB1100RS 最高出力:90PS/7500rpm 最大トルク:9.3㎏-m/5500rpm 価格:137万8080円 発売:2017年1月20日

HONDA CB1100RS
最高出力:90PS/7500rpm
最大トルク:9.3㎏-m/5500rpm
価格:137万8080円
発売:2017年1月20日

ホイールはEXの18から17インチへと小径化され、タイヤも太い。ハンドリングに関しては大きな仕様変更だ。だが、だからといって不自然に強い舵角は付かない。峠道で腰をずらし、ハンドルにしがみつこうが、リーンウィズでダラリと走ろうが、クセは一切感じない。少しだけ旋回性が強くなり、ごく自然なハンドリングを維持している。ホンダはこういうセッティングがスゴく上手い。

スペック的にはフレームを前下がり、尻上がりとすることでキャスターを立てたりしている。これで応答性の良さを稼いでいるのだろう。サスのバネもいくらか強めものがチョイスされていて、奥までストロークすると、EXより強い反発力を発揮するようなタイプだ。だから、ちょっと飛ばし気味で走った場合、EXに比べればコシの強い、よく踏ん張る接地感になる。しかし、極低速域から高荷重を掛けないクルージング状態などでの乗り心地は非常にいい。EXと同等の快適さ、とまではいかないが、しっとりとしていて、上質な衝撃吸収力。スポーティな走りに対する適応力が強い。

ただ、本格的なスポーツモデルほど高速度域に対応していないし、深いリーンアングルも持っていない。でも「許容範囲」内で走っていれば挙動は穏やか。また、ブレーキは兄弟の中でもっともタフで、酷使に強く、ABS作動寸前での制御も容易だ。

そしてこのRSは、EXとはスペック的には全く変わらないのだが、エンジンに「細工」がある。RSはFIの制御プログラムで5000回転あたりからパワーの立ち上がり方を急激にしてあり、7000回転過ぎでの伸び感も強調してある。これも、扱い手が感じるスポーツマインドの演出だ。

画像: 空冷直4エンジンは、CB1300の水冷直4の腰下をベースに開発された従来モデルのCB1100と基本的に同じものだが吸排気系をリファイン。クラッチレバーの操作を軽くしシフトダウン時の後輪のホッピングを抑えるアシスト&スリッパークラッチも新採用。

空冷直4エンジンは、CB1300の水冷直4の腰下をベースに開発された従来モデルのCB1100と基本的に同じものだが吸排気系をリファイン。クラッチレバーの操作を軽くしシフトダウン時の後輪のホッピングを抑えるアシスト&スリッパークラッチも新採用。

表現が難しいが、パワーが立ち上がるポイントよりも低い回転域でのレスポンスタッチがEXほどダイレクトではない。それでパワーバンドが際立ち、元気なフィーリングを造っているが、計測すればトルクは同じだという。全回転域でダイレクトな方が素直にも思えるが、確かにスポーティな印象だ。

RSは肩肘張らずに乗れる、等身大のスタンダードスポーツ。それにこのルックスと、ちょっと楽しめる走りのスパイスを魅力にしている。

SPECIFICATION
全長×全幅×全高:2180×800×1100㎜
ホイールベース:1485㎜
最低地上高:130㎜
シート高:785㎜
車両重量:252㎏
エンジン形式:空冷4ストDOHC4バルブ並列4気筒
総排気量:1140㏄
ボア×ストローク:73.5×67.2㎜
圧縮比:9.5
最高出力:90PS/7500rpm
最大トルク:9.3㎏-m/5500rpm
燃料供給方式:PGM-FI
燃料タンク容量:16ℓ
キャスター角/トレール:26度/99㎜
変速機形式:6速リターン
ブレーキ形式(前・後):φ310㎜ダブルディスク・ディスク
タイヤサイズ(前・後):120/70ZR17・180/55ZR17

公式サイト

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