意のままに振り回せる「骨太」なスポーツの魅力!
ハーレーの2018年モデルでは大変革が起きた。根強い人気のダイナファミリーがなくなり、そのラインアップの一部はソフテイルファミリーとして生まれ変わったのだ。
このファットボブもそんな1台。斬新なデザインと個性的なLEDヘッドライトが特徴だ。先代モデルはむき出しのツインヘッドライトを備え、高剛性な倒立フォークなどによる、クイックでダイレクトなハンドリングが自慢だった。新型はいきなりの大変身ではあるが、走りのキャラクターは同じ。非常にスポーツ指向の強い走りを魅力にしている。
しかもコレは「ミルウォーキーエイト」という、最新世代の強力な8バルブツインスパークエンジンを搭載。そのお陰で、格段にパワフルになっている。
ハーレーのスポーツモデル、というと、最初に頭に浮かぶのが軽くてスリムなスポーツスターファミリーだと思う。これは、言ってみればスタンダードなネイキッドに相当するモデルたち。身のこなしの軽さや、コーナリングなどを自然に行える素直な機動力を特徴にしている。でも、このファットボブはそれとは違った「スポーツ性」が魅力。
クルーザーの許容バンク角は浅いが、コーナリングでの旋回性もさておき、いかにライダーがバイクを意のままに振り回せ、ワガママな機動ができるか? というのも、立派な「スポーツ性能」のひとつ。このファットボブが得意とするのがまさしくコレなのだ。
コーナリング中であれ、直進中であれ、ハンドルをコジって操作しようが、押さえつけようが、節度を持って機敏に動ける。アップマフラーのおかげでスポーツスターよりバンク角も深い。弾き飛ばされることを警戒せずに峠道を楽しめ、しかもワガママに走れるのだ。これが素晴らしい!
もちろん、ハーレーらしい濃厚な味も備えている。腹に響くようなパルスを伴った排気音は魅力だし、3速1350回転、4速で1450回転、速度にして30〜50㎞/hくらいぐらいから、シフトアップなしでグイグイ加速できる。トップギアの6速も65〜70㎞/hから使え、豪快さとのどかさを併せ持つ、不思議な鼓動感の魅力が楽しめる。
新型ファットボブは、そのインパクトある外観だけでなく、走りにも「スポーツ」の魅力が満載されている。加えて、このモデルでしか楽しめない「味」もある。飽きの来ない、魅力的なモデルだ。
SPECIFICATION
全長×全幅×全高 2340×NA×NA㎜
ホイールベース 1615㎜
最低地上高 120㎜
シート高 710㎜
車両重量 306㎏
エンジン形式 Milwaukee-Eight®107
総排気量 1745㏄
ボア×ストローク 100×111.1㎜
圧縮比 10.0:1
最高出力 NA
最大トルク 145Nm/3000rpm
燃料供給方式 FI
燃料タンク容量 13.6ℓ
レイク角/トレール 28度/132㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 ダブルディスク・ディスク
タイヤサイズ 前・後 150/80-16・180/70B16
DETAIL
PHOTO:南 孝幸