オシャレで走りのレベルも高いシリーズ一番のスポーツ仕様
ドゥカティのスクランブラーシリーズに、トップモデルの1100、3モデルが追加された。いまやスクランブラーのシリーズラインアップはモンスターやディアベルよりも多く、ストリートスポーツの主役たらんとする存在感を誇っている。
![画像: ヴァイパー・ブラックというマットカラーを採用、タンク両側にイエローのストライプを配したグラフィックは専用カラー。ハンドルは低めのテーパータイプで、試乗車はオプションのテルミニョーニ製マフラーを装着している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/94e75eb1ec55f65048ef8198f1fe8484db352075_xlarge.jpg)
ヴァイパー・ブラックというマットカラーを採用、タンク両側にイエローのストライプを配したグラフィックは専用カラー。ハンドルは低めのテーパータイプで、試乗車はオプションのテルミニョーニ製マフラーを装着している。
![画像: 最高出力:86PS/7500rpm 最大トルク:9.0㎏-m/4750rpm 価格:183万5000円 発売:2018年7月 scramblerducati.com](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/bd61bfaffc040557d111a82dd63f8c354c6402a4_xlarge.jpg)
最高出力:86PS/7500rpm
最大トルク:9.0㎏-m/4750rpm
価格:183万5000円
発売:2018年7月
今回試乗したのは最もスポーティな「スポーツ」。前後ショックにオーリンズを採用しているのが特徴で、スポーティな走りを追求した仕様になっている。
![画像: フロントフォークはオーリンズ製のフルアジャスタブル、ブレーキキャリパーはブレンボのラジアルマウントと豪華。タイヤはピレリのMT60を履く。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/9c9b62a5214ea18627d05b819ebf29e1b74fb7a2_xlarge.jpg)
フロントフォークはオーリンズ製のフルアジャスタブル、ブレーキキャリパーはブレンボのラジアルマウントと豪華。タイヤはピレリのMT60を履く。
![画像: スイングアームはブラック仕上げのものを採用し、スポーツムードを高めている。IMUの導入で、ボッシュ製のコーナリングABSも標準となる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/2838484cb21bb5a5d1c1aa7eb4342d5e88f3ba01_xlarge.jpg)
スイングアームはブラック仕上げのものを採用し、スポーツムードを高めている。IMUの導入で、ボッシュ製のコーナリングABSも標準となる。
そして、フロントの18インチタイヤ、銘柄までシリーズ共通。標準装着タイヤはピレリのMT60という、ダートトラッカー的なトレッドパターンを持つタイヤだ。「スポーツ」とは言いながら、果たしてせっかくのオーリンズが活きるのか、というのが試乗前の正直な感想だったんだが、走ってみて驚いた。最近の酷暑でタイヤが柔らかくなっていたのもあるだろうが、アップライトなライポジでスタンダードショックを採用するベースグレードの1100、スポークホイールでハンドリングタッチがしなやかなスペシャル、このスポーツまで、全車ともハードなスポーツランに耐える接地性を発揮したのだ。
中でも「スポーツ」は群を抜いたスタビリティを誇る。2~3速をフルに使うようなコーナリングから、4速あたりを駆使する高速ワインディングまで、振られ、跳ね、不意なスライドなど一切起こさない。切り返した後の車体の落ち着きも早いから、スロットルを早く開けられ、急激な駆動力にも耐える。コレがスポーツの足まわりの醍醐味だ。
スクランブラーと言えば、デザートスレッド以外、800も400もストリートコミューター的性格をベースにした、身軽なファンバイクのようなキャラクターだが、この1100は違う。ハンドリングは落ち着きを増しており、高速道路を使ったロングランでも乗り手にストレスを与えない。加えて、味があって愉しいエンジンがある。エンジンはかつてモンスター1100に使用していた空冷Lツインを熟成させたもの。ユーロ4をクリアした上で86馬力を発揮、トルキーで、非常に扱いやすいエンジンだ。
![画像: モンスター1100のものがベースだが、エンジンはスクランブラーのキャラクターに合わせた設定。パワーは86PSだが、トルキーで豪快な加速を楽しめる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/84edf91a249cfef5ae924cd39194ed7283b2787e_xlarge.jpg)
モンスター1100のものがベースだが、エンジンはスクランブラーのキャラクターに合わせた設定。パワーは86PSだが、トルキーで豪快な加速を楽しめる。
少々ノイジーだが、6速・2000回転、60㎞/hほどでも流せる粘りと、小気味良く応答してズドンっと強烈にダッシュする力がある。このエンジンが発する低中域での濃密なトルクはクルーザー的でもあり、実用的な扱いやすさを生んでいる。しかもそのままフラットに伸びるので、86馬力というスペックを非力に感じることはないと思う。
また、前後のオーリンズは乗り心地優先でセッティングされたようには感じない。バネにはそれなりに反力の強さはあるが、ダンパーがとてもしなやかに作動するからだ。とはいえ、STDやスペシャルほどダート走行は得意ではない。凸凹した路面から突発的に受ける大きな衝撃には硬い反応をする。
この「スポーツ」は極端なスポーツランを狙って性格を偏らせたバイクではない。スポーツライディングシーンでの頼りがいを確実に増したオンロードスポーツなのだ。使い勝手の良さと高い機動性を備え、幅広い使い方に順応できるモデルだ。
しかも、ストリートモデルとしての高いファッション性も大きな武器。モンスターシリーズより気軽に楽しめる、等身大のスポーツ性能を持っている魅力的なバイクだ。
SPECIFICATIONS
全長×全幅×全高 NA×920×1290㎜
ホイールベース 1514㎜
最低地上高/シート高 NA/810㎜
車両重量 206㎏
エンジン形式 空冷4ストOHC2バルブL型2気筒
総排気量 1079㏄
ボア×ストローク/圧縮比 98×71㎜/11.0
最高出力 86PS/7500rpm
最大トルク 9.0㎏-m/4750rpm
燃料供給方式/燃料タンク容量 FI/15L
キャスター角/トレール 24.5度/111㎜
変速機形式 6速リターン
ブレーキ形式 前・後 φ320㎜ダブルディスク・φ245㎜ディスク
タイヤサイズ 前・後 120/80ZR18・180/55ZR17
DETAIL
![画像: 800より車格がひと回り大きく感じ、シートも少し高い。その分シートは上質なものを採用しているようで、長時間の走行で疲れにくいように感じる。ハンドルはスペシャルと同じく低めにセットされているが、街中でも疲れにくい。身長:176㎝・体重:68㎏](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/8b050183d77513c63ffea439d1ad062ef4375561_xlarge.jpg)
800より車格がひと回り大きく感じ、シートも少し高い。その分シートは上質なものを採用しているようで、長時間の走行で疲れにくいように感じる。ハンドルはスペシャルと同じく低めにセットされているが、街中でも疲れにくい。身長:176㎝・体重:68㎏
![画像: DETAIL](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/5a40d2d395d9607df9e2d16a9b69f59f866839d0_xlarge.jpg)
![画像: シート高は810㎜で足つき性とホールド性に優れた形状となっている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/ed068c389d63399ee8c8309ea36d0786d811c045_xlarge.jpg)
シート高は810㎜で足つき性とホールド性に優れた形状となっている。
![画像: ユニークなデザインのメーターはオールデジタル。「アクティブ」「ジャーニー」「シティ」の3種類のライディングモードも用意。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/c5e7b9cbb549b8d2ab689f25202e7da97c016b79_xlarge.jpg)
ユニークなデザインのメーターはオールデジタル。「アクティブ」「ジャーニー」「シティ」の3種類のライディングモードも用意。
![画像: リアショックはフロント同様オーリンズ製。フルアジャスタブルで、走りの質を大きく高めてくれるアイテムだ。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/ccdb557a57288aa44635bbce7a84d0431e847e01_xlarge.jpg)
リアショックはフロント同様オーリンズ製。フルアジャスタブルで、走りの質を大きく高めてくれるアイテムだ。
![画像: 撮影車にはオプションとなるテルミニョーニ製のマフラーを装備、迫力あるサウンドを楽しめる。ノーマルは左右2本出しのメガホンタイプとなる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/36f2e957fcc3ca917a5186340556266905193e00_xlarge.jpg)
撮影車にはオプションとなるテルミニョーニ製のマフラーを装備、迫力あるサウンドを楽しめる。ノーマルは左右2本出しのメガホンタイプとなる。
SCRAMBLER1100
ベースグレードとなるスクランブラー1100は、写真の「シャイニングブラック」とイメージカラーの「62イエロー」の2色を用意。ワイドなバーハンドルはシリーズ中最もアップライトなタイプを採用、ストリートでの快活な走りに一役買っている。ホイールは10本スポークのアルミキャストで、これはスポーツと共通。
![画像: SCRAMBLER1100](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/acc312791930edcfec1ecb97637c4646c5d065cb_xlarge.jpg)
![画像: マフラーは左右2本出しのメガホンタイプ。歯切れのいいサウンドを奏でる。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/877aeb37db888b3a0eaab20423c4b84978dcd498_xlarge.jpg)
マフラーは左右2本出しのメガホンタイプ。歯切れのいいサウンドを奏でる。
![画像: リング状のLEDポジションランプを持つヘッドライトは800、400にも共通したアイコニックな装備。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/6409bb7b3d2c9ef3c9ab0d0cf9fdacd02ebeefd2_xlarge.jpg)
リング状のLEDポジションランプを持つヘッドライトは800、400にも共通したアイコニックな装備。
SCRAMBLER1100 SPECIAL
カスタムイメージを前面に出したスペシャルは、専用色の「カスタムグレー」を採用。前後ホイールはシルバーリムのスポークに、スイングアームはシルバー、シートはブラウン表皮として、クラシックイメージを巧みに演出している。ハンドルバーは低めのテーパータイプを採用。これはスポーツと共通のアイテムだ。
![画像: SCRAMBLER1100 SPECIAL](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/cbcb3ae5ffc7af41b0956a1a9a8ed1bd615fcebb_xlarge.jpg)
![画像: シート形状は共通だが、座面形状のデザインと表皮の色を変更、スペシャル感を演出している。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/ce711015ea8aa5beb09a696ad35e1f6d7c9b301f_xlarge.jpg)
シート形状は共通だが、座面形状のデザインと表皮の色を変更、スペシャル感を演出している。
![画像: エキパイはクローム仕上げのものを採用。高級感を高め、他のグレードとの差別化を図っている。](https://d1uzk9o9cg136f.cloudfront.net/f/16782548/rc/2018/08/31/dfca8594558cd8e04b39d8ccad0f1e0d86df53f7_xlarge.jpg)
エキパイはクローム仕上げのものを採用。高級感を高め、他のグレードとの差別化を図っている。
撮影/南 孝幸、森 浩輔