増田まみは、4児の母だ。「弾丸ママ」だけあって、日々の生活は超過密。3時30分に起きて、朝ご飯と子供のお弁当をつくって、始発の電車で稼ぎに出ていくのがルーティンだ。
ラリーの一日も過密。そりゃそうだ、競技が夕方に終わって急いでマシンの修復をし、ディナーを食べてからは次の日のルートチェックをする。夜遅くにはリザルトやマップ変更のお知らせもある。ゆっくり寝られず、朝5時に起きて…。ところが「そうなんですよ、いつもよりゆっくり寝られるし、仕事よりラリーは当然楽しいし、余裕もあるし、本当に最高の日々を送れる!」と増田。弾丸ママがラリーに出会ったのは、ある意味当然なのかも。
あまりに最高で、道に迷う
LEG2の14日。陰鬱な雨が降り続ける雨、路面はもちろんマディが予想される。そんな中、いつもよりゆっくり起きられた増田は、「雨でふられて濡れてしまったんですが、暑くなくてSSでは気持ちよかったんです。ナビゲーションも、昨日より簡単だったからすっかり緊張の糸が取れてしまったんですよね。それで、思い切りナビを間違えちゃいました…!」
この曲がり角がどこかわからなくて…とのこと。ちなみに、この曲がり角を間違えたライダーは、増田だけではなく、間違えたままだとループしてとんでもない迷路へ迷い込んでしまう可能性もあった。ラリーの妙だ。
ちなみに、SSの地域からはすっかり雨はふっておらず、涼しい快適な気候に。
南国風情をすっかり堪能していると、ナビを間違うよ。
増田がルートミスをした箇所の目印は、テレビがなる木が右側に見えるところ。
気持ちの良い水路の脇を前回で走り抜けるSS。アジアクロスカントリーラリーのSSは、リピーターをどんどん増やしているだけあって、見事なもの。
みなさんのおかげでレースができている
今回、チームに入り損ねてしまった増田は、アジアクロスカントリーラリーには珍しく単独で行動をしている。アジアクロスカントリーラリーでは、マシンを触れるのはライダーとサービス(サービス専用のエントリーフィーがかかる)の人間だけで、厳格にきめられているが、チームに入らないとサービスを受けるには自分でサービスの人間を手配して連れてくるしかない。どちらもかなわなかった増田は、孤軍奮闘を続けているのだが、いろんな方々から手をさしのべられながら日々をつないでいる。「このことは、本当に感謝しかありません。本当にありがとございます」と。
マシンの調子は、上々
ルートを間違えながらも快調に飛ばすCRF250RALLYはどうか。「いつもなら、2日目には手が痺れてきてしまうんですが、振動も少ないので本当に楽。疲れがまるでないんです」とのこと。
「苔にすべって、一度左に転んでしまいました。体は全然大丈夫、バイクもハンドガードが緩んだ程度で、問題は無し。左側、ちょっと擦り傷ができてしまいましたね」バイクも、LEG1より軽傷で済んだ。「昨日12km/lだった燃費は、今日は20km/lくらいまで回復しました。LEG1ではチェーンの極端なゆるみで、フリクションがあったのですが、これを修正して解消したので、そのおかげだとおもいます。トレールマシンなのでもう少し燃費が伸びるかなと思ってましたが、私もクラッチを極力使わないように走っているのもあって、いつもよりエンジンを高回転まで引っ張ってつかっているので、燃費が伸びないのかもしれません。走行自体は、とても燃費の悪い走り方をしてるとは思います」とのことだ。
明日は、短い80kmのSSを走ったら、タイ〜カンボジアの国境を越える。いよいよラリーは後半、カンボジアステージに入るのだ。