JNCCが、GNCCへライダーを派遣するようになってから10年以上。プライベーターにその権利を託すようになったり制度自体も変貌を遂げてきたが、今年はもっとも大きな変更がされたといってもいいかもしれない。ウィメンズライダーの、派遣だ。
世界のオフロードライダー達は、日本のレベルを上回っていて、ウィメンズもそれは例外ではない。アメリカのXC事情で言うと、いまぬきんでて速いタイラー・ジョーンズはウィメンズクラスが含まれる午前の120分のレースでしょっちゅうオーバーオール(総合)1位でフィニッシュしている。なお、ISDEフランスのオーストラリアを率いたのもジョーンズで、みごとウィメンズクラスで総合1位を獲得。日本のワールドトロフィーの誰よりも、速いと言ったら、そのスピードのすごさが伝わるだろうか。
こちらは、ベータのレイチェル・ガティッシュ。このスノーシューのウィメンズで3位、観客を沸かせるバトルを繰り広げたんだけど、ハードEDのTKOに参戦したことがあったり、このスノーシューでは午前午後のダブルエントリーをしているという、とんでもないタフウィメン。こんな素敵な女性たちがぞろぞろいるのが、北米最大のXCなのだ。
石本麻衣はたぶん一人ミニモト
小柄だから、ということもあるけど、日本のXCやモトクロスで女性が乗るバイクは、基本的にミニモトだ。エンデューロ界隈ではフルサイズに乗るライダーも少なくないけど、いいところ2スト125ccまで。GNCCでは、ウィメンズがみんな4スト250ccに乗っている。石本の参加するレースも、ほとんどがフルサイズというかミニモトを見ることがなかったほど。85ccは、キッズまでで卒業するモノなのだ。
朝イチの子供レース。今回初めてYZ65でデビューするという親子。
こちらも朝イチ。YZ85は、まだ旧型を使っているというAMPROヤマハの秘蔵っ子クネフくん。
アムプロヤマハが作る、ある意味最強のYZ85。
慣れないミニホイール
現地でレンタルするマシンを手渡されたとき、石本はとまどった。なぜなら、日本で乗っているラージホイールではなく、スモールホイールだからだ。これは、おそらくGNCCではスモールホイールから一気に125ccまでステップアップするのが通例だからなんだろうと思う。ともかく、石本にとっての予想外が続いた。
エンジン、車体はアムプロヤマハでしっかりチューニングされたものだった。
ビッグタンクだって実はあるのだ!
こまかいけど、面白いのがコレ。手の小さいライダー用に、タイラップでレバーの戻りを抑制している。
だが、前日からスタートにならぶまで終始コンセントレーションを高め、スタートラインに並んだ石本。「とにかく楽しもう。それが一番」と言い続ける。彼女らしいスノーシューが、いよいよ始まる。